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三方岩岳
三方岩岳

基本情報
1 山名 三方岩岳(さんぽういわだけ)
標高 1736m (三等三角点)
山域 加越山地
都道府県 石川・岐阜
位置 N36.15.32/ E136.50.40 
地図 昭文社 山と高原地図43「白山・荒島岳」
2万5千分の1地図「中宮温泉」
20万分の1地勢図「金沢」
7 山岳区分 日本三百名山
登山記録
山歩No 3670-16020
登山日 2016年10月29 日(土)
歩程 1時間30分
天候 小雨
形態 日帰り
アプローチ 白山・白川郷ホワイトロード三方岩駐車場より
パーティー 2人

久しぶりに山岳部の登山に参加した。 というか、今回は自分がリーダーとして企画から手がけた。 一緒に行くメンバーは30年来の友人のA.D氏である。 名古屋待ち合わせ、寝具も有の登山ということで腕がなるというところである。
 

静岡を出て新幹線で名古屋へ

 10月29日(土)、朝5:30に起床。前夜は23時に酒を一滴も飲まずに就寝したので、結構、寝ることができた気がした。 6:05に最寄り駅を出る私鉄に乗り静岡駅へ。 6:38のこだまに乗って、名古屋到着7:56。前夜は雨が降っていたが、すでに雨は上がり青空が出ている。 ただ、天気予報では北陸地方はまだ雨が残りそうなので少し不安が残る。 


名古屋駅でレンタカーを借りる

 名古屋駅で名鉄グランドホテルの前でA.D氏と待ち合わせ。 彼は近鉄で来たので8:08到着。 歩いてレンタカーの貸し出し場所へ行く。 24時間営業のいつものレンタカーである。 驚いたことに紅葉シーズンで行楽客が多いせいだろうか? 貸し出しカウンターには長蛇の列ができている。レンタカーの受付所には8:25に到着していたのだが、車が準備できて出発できるようになったのは8:55だった。 なんと30分のタイムロスである。 借りたのはハイブリッド車のアクア。 最近の三百名山はこれがかかせない。 

名古屋高速で一宮へ

 ようやく車を出発させたものの、名古屋高速の明同町の乗り口を間違えて手前で右折しまった。 コンビニで昼食の弁当を買って、気を取り直して出発。一宮JCTが少し渋滞していたので、東海北陸自動車道に入ったときにはロスタイムがレンタカー待ちとあわせて50分近い状況になってしまった。 こんな調子では、今日小屋に着くのが夜になってしまう、と不安になる。

 

白山・白川郷ホワイト・ロード

 高速道路を走っていると高鷲を越えた当りで小雨がぱらつき始めた。 残念な天気である。 白川郷ICで高速を降りる。 懐かしいICである。 そういえば、ここで降りて、白川郷の萩町に行く手前の道の駅で仮眠して、翌日、猿ヶ馬場山に登ったのである。 鳩谷を越えて、白山スーパー林道(こちらは今は白山白川郷ホワイトロードという名前に変更になっているらしい。)に入る。 紅葉シーズンでもあり混雑するのかと思っていたが案外車は少なそうである。 ホワイトロードはトヨタの白川郷自然学校までは、無料であるが、そこからは有料である。 途中で引き返してくるのは往復料金ではなく片道料金の扱いになるということで1600円であった。 目指す三方岩遂道はほぼ標高が一番高いところなので、そこまではアクアの力の見せ所である。

三方岩駐車場出発

 途中標高1000mを超えたあたりからはガスでまったく視界がなくなってしまった。 対向車もまともに見えないような状況の中でおそるおそるハンドルを切りながら山道を登っていく。霧だと思っていたら、それは細かい雨の粒だった。 ワイパーを回して進む。 展望台をすぎてさらに300mほど進んだところに三方岩遂道があった。 駐車スペースは登山口側が10台ほどだろうか。 その向かいにも、大型が何台か停めるスペースがある。 その奥に小さなトイレがあるが売店はない、ホワイトロードの最高地点であった。大雨というほどではないが、雨具をつけないわけにはいかないので、朝、名古屋のコンビニで購入した弁当を車の中でかき込んで、レインスーツを着て、 13:04出発。


ハイキングコースを登る

 駐車場の横手から登山道は続いている。 登山計画書を提出するポストもある。 ブリッジをわたってがればをジグザグに切って上がっていく。 本来であれば景色がいいのかもしれないのだが、ひたすら登る根性登山である。 少しがれたところもあり、強風のときなどは気をつかうところであろう。 歩きはじめてちょうど40分、ハイマツをぬけたところに三方岩岳の山頂標識が見えた。 日本300名山にふさわしからぬ目立たぬ標識であった。

三方岩岳山頂

 三方岩岳は、飛騨岩(岐阜県側)、越中岩(富山県側)、加賀岩(石川県側)の大岩壁に囲まれていて、この3つの岩壁が山名の由来となっている。越中岩には修験者が利用したと伝えられている行者窟がある。威風堂々たる山容の山である。豪雪地帯の白川村の世界遺産の白川郷から、春先遅くまで残雪を抱いた山容を望むことができる。三方岩岳には2つのピークがあり、南東側が最高地点の三方岩岳、北西側が三方岩岳展望台である。白山白川郷ホワイトロードの駐車場から、後者の三方岩岳展望台への遊歩道がある。 その意味ではわれわれが到達したのは北西側なのかとも思ったが他の登山者がWEBにあげている写真を見ると山頂標識は間違って居なさそうだ。。

下山、白川郷へ

 山頂からの展望はゼロ、気温も低いので早々に下山することにする。 14時出発。 帰りは30分で降りることができた。 下山して、トイレを使う。 くだりのホワイトロードはやはり視界が悪くて気をつかった。 ここからどのルートで目指す白木峰山荘へ行くかであるがナビが表示したルートは少し距離が長いので国道360号と471号を通っていくルートを選ぶことにした。 鳩谷まで降りてデイリーヤマザキで食料と酒の買出しをする。 今晩はちゃんことおでんという飲むべくして食べるというメニューだ。

白川郷から国道360号

 車を発進させて越中西街道といわれる国道360号へ。 入り口を間違えて、萩町まで行ってしまった。 まさしく白川郷のある場所である。 猿ヶ馬場山に登ったときのことがなつかしい。 萩町城跡をまくように上り坂を上がると観光役目当ての合掌造りの民宿などがあったが、200mも走ると人家はない山林の中の道となった。 天生峠を越えて河合の集落へ。 それでもスーパーも一軒もなかった。 高山本線の2両編成の電車を見て宮川を渡ったところから国道471号が始まる。  

楢峠

国道471号は岐阜・富山県境付近の楢峠を含む区間は、豪雪地帯の山越えであるため、12月 - 5月まで閉鎖される。自然災害による被害を受けやすい奥飛騨の山岳地域を通過する富山市南部の八尾町地区から岐阜県飛騨市の河合町地区までの区間は、「通行止」という規制標識が建つ日が圧倒的に多く、1年の大半は通行できない日が続くことから「開かずの国道」といわれることがあるらしい。 楢峠にはトイレ休憩の場所がある。 ここを越えて岐阜県と富山県の県境に入る。


杉平へ

 山間の道は暮れゆく夕日をあびて、見事な紅葉を見せていた。 多くの人が都会では大渋滞を縫って紅葉を見にでかけるが、この国道471号はほとんど対向車もなく、紅葉街道独り占めという感じである。 もはや時刻は4時を回ってだんだん暗くなってきた。杉ヶ平のキャンプ場で水を汲む。 ここが21世紀の森という公園だ。 秋も深まっておりキャンプをしている人もまったくいない。ここから林道をあがり8合目に駐車して、今夜の宿である白木山荘を目指す。 ここまで携帯電話はほぼずっと圏外であった。 やはり日本にもまだこんな山の中の集落があるのだ。 そんな思いを新たにしながら飛騨・越中県境の深山に思いをはせた


 日本三百名山の中にはとてつもなく長い距離を歩かなくてはならない山と、比較的たやすくいくことができる山がある。 三方岩岳も本来、麓から登ると、本当の白山の連山の登山気分を味わうことのできる山なのであろうが、今回、主目的の白木峰・金剛堂山のついでということもあり、少し短縮ルートで歩いてしまった。 ちょうど紅葉のいい季節だったが、天気に恵まれず展望もなかったのが残念であった。 またいつかふたたび来る機会を得たいものである。

(2016年11月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています