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基本情報
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山名 |
医王山(いおうぜん) |
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標高 |
939m |
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山域 |
加越山地 |
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都道府県 |
富山・石川 |
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位置 |
N36.30.46/ E136.47.46 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図43「白山・荒島岳」
2万5千分の1地図「福光」
20万分の1地勢図「金沢」 |
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山岳区分 |
日本三百名山 |
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登山記録
山歩No |
3640-14017
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登山日 |
2014年4月27 日(日) |
歩程 |
4時間15分 |
天候 |
快晴 |
形態 |
前夜発日帰り |
アプローチ |
東海北陸自動車道福光IC |
パーティー |
1人 |
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世間の人はゴールデンウィークに長い休みがあるようであるが、自分はほぼ普通の土日しか休みがないんで、連休だという感覚はない。それでも天気のいいことを期待してレンタカーで岐阜までやってきて、土曜日に念願の猿ヶ馬場山に登ることができた。 レンタカーを返す必要があるので日曜の夕方には静岡に帰っていないといけないので、日曜日の山はそんなに時間のかからないところにしようと考えた。目をつけたのが石川・富山県境の医王山である。 猿ヶ馬場山のある白川郷から少し車で北にいったところである。
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日没---医王山を目指す
4月26日(土)17:30、白川郷のせせらぎ公園小路駐車場を出て夕食食材を買ったあと東海・北陸自動車道に乗って福光ICへ。 道のりはおよそ30分だった。 そこからイオックス・アローザ・スキーリゾートへ。 事前に電話をして日帰り入浴できる時間を聞いておいた。 平日は21時までだそうだ。 猿ヶ馬場山に登って汗だくになったので風呂に入れるのはうれしい。 福光ICを降りてからの車道脇にきれいな花が咲いていた。 雪の多いこの地方の人たちにとって待ちに待った春が来たということだ。
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野草の宿 来夢
イオックス・アローザ・スキー場へついて隣のキャンプ場にテント宿泊について問い合わせをする。 係員が、フリースペースのテントサイトはあるのだが、今の時期はまだ雪があり宿泊できないとあっさり言う。 もちろん医王山へ行く中腹のオートキャンプ場もだめだということだ。 この近くに他にキャンプ場はありませんか? と聞いても、あっさりないといわれてしまった。 弱った。 それでも、せっかくここまで来たのだから、スキー場の隣のホテル野草の宿 来夢に立ち寄り、一風呂浴びていこうと思った。 温泉は広く、打たせ湯や露天風呂・サウナもある。 洗い場が16個もある大きなスペースなのに、なんと他にお客がいないという贅沢なお風呂で楽しませてもらった。 |
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道の駅福光
風呂でさっぱりしたが、今夜の宿がないという事態には変化ない。 結局、そこから道の駅福光に行くことにした。 今夜も道の駅で寝ることになる。 イオックスの旅館にとまるという案もよぎったが、連泊で道の駅でも仕方があるまい。 イオックス・アローザの係員に聞くと、この時期、医王山の展望台まで行く道はまだ開通していないという。 雪に埋もれた車道を歩くしかないようだ。 19:00日没になり暗くなった道を道の駅福光まで走る。 金沢へ行く街道の途中に、道の駅はあった。トイレや売店があるメインの駐車スペースには、福光紹興友好物産館と書かれた寺院のような朱塗りの建物がある。 中国浙江省の紹興と姉妹都市なんだろうか? |
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イオックス・アローザ・スキーリゾート
裏手は大きな駐車スペースになっており何台かの車が停まっている。 車の持ち主は車内で寝ているのだろうか? 隣は田んぼなのでカエルが仕切りに鳴いている。 夜中、カエルの鳴き声で何度か起きてしまったが、それでも、昨日の白川郷ほどは寒くない状況でそこそこに睡眠をとることができた。 地平線に朝日が昇るのを拝む。 朝食におにぎりを食べて6:00出発。 県道の中ほどで、きれいに雪を被った白木峰・金剛堂山を見ることができた。 昨日、風呂を浴びにやってきたので、イオックス・アローザ・スキー場にはあっさりと到着した。
早朝であるが、自転車のツーリストだけが休憩していた。 しかしながら、ゴンドラの前でハタと困った。 ここから先、菱広峠(夕霧峠)へと続く林道はどこに行っているのだろう。
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登山口---林道菱池広谷線分岐
最初、別のペンションを示す細い道を進んでいったが、次第に山を下り始めたので、これは違うと思い引き返す。 引き返す途中で北西の谷に向いて支線があったので車を進めるとはたして、そちらが夕霧峠へと向かう林道菱池広谷線だった。 ただ、林道の入り口に「災害復旧工事中につき通行止め」と書かれてゲートが閉鎖されている。 やれ、困った。 ゲートの手前に車を停めて車道を歩くしかない。 路肩に1台駐車できるスペースを見つけたのでそこに停めて車道を歩くことにした。 7:21出発。 早起きしたわりにずいぶん時間をロスしてしまった。
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林道崩壊地
今日は、19:00にレンタカーを返却しなければならないので、さほど時間に余裕がない。 医王山を選んだのも、アプローチに時間がかからず、午前中に下山できる山という選択のつもりだったが、この思わぬ車道歩きで思ったより時間をとられそうだ。 出発点の標高は255mだった。 およそ680mくらい登らなければならないので、2時間以内に菱広峠の展望台に到着したいものである。歩き出して30分、道路工事のメインの地点に到着した。 なんと、崖が完全に崩壊して車道が落ちてしまっている。これでは、車は1台も通過できないであろう。 積雪が原因ではなく、そもそもこの道路は復旧まで通行できないのだ。
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金銘水
7:58、道の上で冬眠からあけて昼寝をしていたアオダイショウをあやうく踏みつけそうになる。 山の雪が融けはじめて春が来たということだ。 8:11、金銘水に到着。 雪解け水が豊富に流れる水場である。 養老年中(717~723)泰澄大師が医王山中で修行した折りに
飲み水に不足して困窮している修験者達を救うため、錫杖で岩を突いた ところ綺麗な清水が湧き出し、厳しい修行を重ね心身ともに疲労していた 修験者達は、この霊水を飲み元気回復、修行を無事終えて下山したと
伝えられている。名水を過ぎてすぐに、スキー場のエリアに到着。 もうシーズンの営業を終了してひっそりしている。
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ゴンドラ山頂駅から見晴台を臨む
8:32、ゴンドラの山頂駅に到着したので、荷物を下ろして休憩。 水を飲む。 冬場はたくさんの人であふれかえっているであろうゲレンデも私以外誰もいない。 ゴンドラも車両はレールからすべて外されて格納されているようだ。 ゴンドラ駅の真ん前に、無造作に、スノーモービルが放り出されたいて。いたずらにまたがって記念写真を1枚。 どうでもいいのだが、これ次に雪が積もるまで、このままの状態なのであろうか?スキー場からはさらに上に林道が伸びているようである。最も高くなった峠のようなところに見晴台が見える。あそこが、菱広峠だろう。 |
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菱広峠(夕霧峠)
ゴンドラの山頂駅の地点で標高が680mだった。 菱広峠が850mくらいだろう。 ここからも林道を歩いて進んでいく。 しかしながらここから先の道は完全に雪に埋もれていた。 場所によっては上部の崖から融雪に伴う落石の危険があったり、雪の上がかなり傾斜になっていたりして危険な歩行を迫られる個所があった。 いやいや、分県登山ガイドには、この医王山は初級コースで4月も登山シーズンのように書かれていたが、どうしてどうして残雪期のこの時期はそんなに簡単なコースではない。 9:07それでも無事に菱広峠に到着した。 金沢方面の景色がすこぶるいい。
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浄土坂登りのとりつき
ここまで来ると、医王山に登る別ルートからの登山者と遭遇するようになる。 トレランの恰好をした若者もいた。 菱広峠の展望台に上がってみる。 この展望台の1Fは扉がついて行って避難小屋になっていた。 すぐ横までイオックス・アローザ・スキー場の第5リフトが来ているので、スキー場の最高地点なのである。 冬晴れの日があればとても景色がいいのだろう。 展望台の2階は階段を使って上がることになる。山銘盤が置かれていた。 白山はもちろん、北アルプスの槍・穂高連峰も見えている。
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山頂直下ののぼり
菱広峠から、いよいよ奥医王山の山頂を目指す。 標高差は80mほどなのでさほど険しいわけではないが、まず登りだしが288段の階段となる。 見返りの一本杉まで浄土坂という名の急登である。 見返の大杉で振り返ってみると、先ほどの展望台とその向こう側に白禿山がきれいに見える。 見返りの大杉から先は、傾斜はさほどではないのだが、山頂に向かって稜線を忠実に詰めていくことになる。 前をご夫婦連れが歩いてくれているので踏みあとはしっかりしているが、必ずしも夏道ではないところを踏み分けて進んでいるところもあるようだ。 途中平になった竜神池は完全に雪に姿を隠していた。
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奥医王山山頂
最後ののぼりを詰めて、9:49に奥医王山の山頂に到着。 休憩していたご夫婦にシャッターを押してもらって一等三角点の前で撮影をする。 山頂は広くて気持ちがいいが、少し小高い樹林があるので、鉄製の梯子を組んだ展望台がある。 注意しながらハシゴを登り、周りの山を眺めてみる。 前日猿ヶ馬場山から見た時より距離があるが、白山はやはりきれいに見えている。 北陸を代表する名峰なのだ。
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下山開始
10:10に山頂を出発。 雪を踏みしめながらキックステップで山頂直下の斜面を下りる。上から見ると龍神池はなるほど池であることがよく見てとれる。 見返りの大杉を通過し、時間も10時を回ったということで何組かの登山者にすれ違うようになる。 菱広峠まで下りてくると金沢から来た5人組が休んでいた。 富山のイオックス・アローザ方面に下山するのは自分ひとりだった。 少しここから残雪の上をうまく歩かなければいけないんで、あえて軽アイゼンとスパッツをつけて下山する。 スキー場に出てからもゲレンデの中を下り、帰りは軽快なスピードで降りていく。
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美濃加茂SA
12:05に車を停めていた地点まで戻る。 汗でぬれた衣類を着替えて車を出発させる。 ナビが示すとおりに福光ICから東海北陸自動車道に入る。 思ったほど交通量は多くはない。 朝が早かったので、13時半に昼食休憩を美濃加茂SAのハイウエイオアシスでとる。 名物の豚味噌カツドンを食べてあとはひたすら静岡まで車を走らせる。 18:40に到着。
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残雪の山は、前日に登った猿ヶ馬場山のようにかなりマニアックで道標もないものもあれば、この医王山のように市民に親しまれて、風景を楽しむためにさっと日帰りでやってこれる山もある。 父親の生まれ故郷が金沢だったので、夕霧峠から金沢の町の眺めたときにはひとしきりの感動があった。岐阜・富山の2山の遠征も2日間車を借りて往復800㎞の旅であったが、やってみると思っていたよりも簡単にできるものだというのが率直な感想だ。
(2014年5月 記) |
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