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茶臼岳
茶臼岳

基本情報
1 山名 茶臼岳(ちゃうすだけ)
標高 2,604m
山域 赤石山脈南部
都道府県 長野県・静岡県
位置 N35.22.09/ E138.08.26 
地図 昭文社 山と高原地図42「塩見・赤石・聖岳」
2万5千分の1地図「上河内岳」
20万分の1地勢図「甲府」
7 山岳区分 日本三百名山、信州百名山
登山記録
山歩No 3540-10016
登山日 2010年7月19 日(月)
歩程 9時間20分(光岳小屋より聖平小屋)
天候 晴れ
形態 テント泊縦走2泊3日
アプローチ 中央自動車道飯田ICより三遠南信自動車道国道152号線遠山川のぼる易老渡より
パーティー 1人

梅雨明けを待って、南アルプス南部の光岳から聖岳までの縦走を試みることにした。 前日、危うく易老渡に入れないところであったが、何とか整備が終わるのを待って車で便ヶ島へ入ることができたので、無事に光小屋まで到達することができた。急なのぼりを必死で光小屋まで行き、そこでテントを張る。 念願の光岳の山頂を極めて光岩から池口岳の姿を見て稜線のテントですごす。

光岳小屋出発

7/19(月) 朝、3:30起床。 今日は歩程が9時間を越える長丁場である。早起きは鉄則だ。 幸い、周りのテントに方たちも同じような時間に起きていた。  きのうつくってあったアルファ米に、みそしると、湯どおした中華丼のもとをかけて、簡単な朝食。 テントをたたんで4:45にテント場をあとにする。 トイレをすませて、小屋裏に出てくると、もう、ご来光があがっていた。 あわてて写真を撮る。 5:03に光小屋を出発。 

静高平(水場)

途中、水場がないときいていたので静高平で水を補給5:22. 日焼け止めもしっかり塗る。 5:29出発。 軽装の男性2人に道を譲って先にいってもらう。石がごろごろしたくだりをおりていく。  登山道が静かなので、熊がでないかと心配になり、ラジオをつけて歩くことにした。 イザルガ岳からのくだりはきのう苦労して登った割には簡単に降りることができた。 6:07三吉平にて休憩。 ビタミンをいれた水を飲む。 6:14出発。

三吉ガレより兎岳

やがて、昨日、テント場で会った70歳の男性が追いついてぬかしていった。 稜線の切れたところから立ち止まって、朝日に照らされ始めた北東方面の景色をを見る。 聖岳はまだ見えないが、となりに兎岳が見えるねと確認しあう。 そこからはゆるやかなのぼり、昨日となりのテントだった4人組がぬかしていった。

易老岳

 7:09に易老岳到着。 後先になっていた隣のテントの若者は 浜松からやってきたということだ。 天竜川を遡って距離はさほどでもないと思いつつも電車で来ると意外に時間がかかるようだ。  明日は仕事なので下山しなけければならないとのこと。 この天気が続くのがわかっているので休日がもう少しあれば聖まで周回コースでいきたいのはやまやまですがね。 といっていた。 休憩しながらラジオで韓国語講座を聞いた後、7:25出発。 そこまでは昨日あがった易老渡からの道なのでルートがわかっていたが、そこからは未知のルート。

希望峰

 ほぼ平坦な稜線沿いの道が続く。稜線上の道はアルプスらしい岩稜というよりは、奥秩父の林のような感じ。 シダが生い茂っており、塩見岳あたりの縦走路と比べると少し暗い感じ。ところどころ干上がった湿地のあとがあったようで暗い道の中に足がぬかるみに入りそうになることもある。   8:15に鞍部で休憩。日陰で稜線から2mほど離れて中国語講座を聞いていると、4人組が颯爽と追い抜いていった。 8:21出発。 そこからは標高差約200mの希望峰へののぼり。 途中で70歳の男性に追いついた。9:06希望峰到着。山頂はゆったりしたピークだが樹林の覆われていて展望がよいわけではない。 だが、ここから仁田岳への稜線は、ハイマツに覆われている気持ちのよい尾根で眺めもよさそうである。 荷物をデポして仁田岳へ向かう。  

仁田岳

 仁田岳へののぼりの途中で、野生のシカがふたたび現れた。 こちらの姿を見て逃げていった。鹿が南アルプスでもずいぶんと標高の高いところまで上がってきているという話は聞いていたが、ここまであがってきているとは驚きだった。  9:27仁田岳到着。 360度の展望。 縦走路越しに茶臼岳、上河内岳、聖岳など行く手がすべて見える。 また、通ってきた光岳・易老岳もきれいに見える。 しばし景色のよさに酔いしれる。 やがて2-3人の登山者があがってきた。 携帯を出してみると何とか電波が入るようだったので3-4回チャレンジして自宅に写メールを送った。

仁田池

 9:40仁田岳出発。 9:57希望峰まで帰って、荷物をパッキングする。 10:03再び重いザックをかついで、希望峰からのくだり。 しばしいくと、湿地帯があらわれるようになる。 このころの時間になると南から直射日光が来て、頭の後ろが異常に暑い。バンダナを帽子の後ろにたらして日よけ対策とする。 やがて9:24仁田池。 写真を撮って前から来た登山者をやりすごす。 日焼け止めを塗りなおして33分出発。
。 。  。 

茶臼岳山頂(2604m)

茶臼までののぼりは、ガラガラの岩を踏みながら中程度の傾斜ののぼり、途中、昨日、面平でいっしょになったご夫婦とすれちがう。昨日、自分があと1時間で光小屋だというところで、なんと、光小屋のほうからやってきたので、今日はいったいどこへ行くのですかと聞いたところ、テントを持っているのでいけるところまでいってテントをはりますよといっていた。 茶臼まであと30分というところでまたすれ違ったので、おどろきだった。  聞くと、茶臼にいったので、このまま易老渡におりるそうだ。がれた太陽をさける木々もない登りの暑い道。 ジグザグに道を切りながら登っていく。  10:54茶臼岳到着。 登山者はひとりもいなかった。 

山頂から見る聖岳

 山頂の札をはずして少し先にいったところでザックをおろして昼食の準備を始める。 お湯をわかしてラーメンをつくる。 マルタイラーメンをなんと4回の昼食の分持ってきていたことに気づく。 どおりで重たいはずだ。ラジオからは、加山雄三の海その愛が流れてきていて、さわやかな感じ。そういえば今日は海の日だった。  昼食をとりおわると、茶臼に、昨日、光岳に行く途中すれちがった単独行の方があがってきた。 結構大きな黒いザックをせおっている。 11:40茶臼岳出発。  

茶臼小屋への分岐

茶臼岳からのくだりは長いがれた道を進む。 3人組の女性の後ろを落石に注意して降りていく。 12:00茶臼小屋との分岐となっている。 縦走する人はこの先水場がないので小屋で水をわけてもらえと書いてある。 3人組の女性は茶臼小屋へくだっていった。 今日は横窪沢小屋泊まりなのだろうか? 茶臼小屋もなかなかいい山小屋だと聞く。 今回は時間的な制約から往復25分で小屋によることもできないが、静高平で水がくめないような秋口の縦走ではおのずと、この小屋で泊まるか少なくとも水の補給は行うべきだろう。


茶臼岳は、ちょうど、畑薙ダムからまっすぐ上がって稜線に出たところにある山である。 その意味では、南アルプスの入り口の山ともいえるかもしれない。 一方で、聖岳と光岳の間の縦走をする人にとっては、ちょうど中間地点にあるマイルストーンと位置づけられる。いわば、もっとも遠い山だともいえるわけだ。  山頂から見る聖岳と上河内岳の姿は見事である。仁田岳とセットで聖岳の展望台としての意味を持つ山だといえそうである。  

(2010年7月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています