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三俣蓮華岳
三俣蓮華岳

基本情報
1 山名 三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)
標高 2841m (三等三角点) 
山域 飛騨山地
都道府県 富山・岐阜・長野
位置 N36.23.24/ E137.35.16 
地図 昭文社 山と高原地図37「槍ヶ岳・穂高岳」
2万5千分の1地図「三俣蓮華岳」
20万分の1地勢図「富山」
7 山岳区分 日本三百名山・
登山記録
山歩No 3480-22025
登山日 2022年8月4日(木)
歩程 9時間30分(薬師峠ー三俣山荘)
天候
形態 テント泊縦走5泊6日
アプローチ JR富山駅から富山地鉄バスで折立まで
パーティー 1人
動画URL https://youtu.be/9Ol8EFqzmy0

 北アルプスセブンサミットの2座目は三俣蓮華岳である。8月3日(水)の夜に新幹線で移動して富山に入りビジネスホテルで前泊、翌日4日(木)に大雨の中を折立から太郎平へと登り、薬師峠でテント泊をした。テントも衣類もびしょびしょになった状態で重い荷物を担ぎ、幸い5日(金)に天気は回復して薬師峠から北ノ俣岳経由で黒部五郎岳に登った。 40年間に大学生だったときの夏山合宿のコースと全く同じルートである。 黒部五郎岳に登ったあと多くの登山者は黒部五郎小屋に泊るのだが、自分は少し頑張ってその先の三俣山荘のテント場を予約した。 先の長い行程である。午後3時を過ぎて三俣蓮華岳を越えるというハードな一日である。  

黒部五郎小屋

 12:57黒部五郎岳山頂出発。 肩まで降りてそこから稜線上を北東に10分近く歩く。少しパラパラと雨が降り出していた。カールへの降り口は天気が良ければ問題なく発見できるが悪天時期は注意が必要である。 ジグザグを切りながらお花畑のあるカールの中を下る。 途中から融雪水が川をつくっており給水には不自由しない。 振り返ると黒部五郎岳の姿が見事に見える。14:45黒部五郎小屋に到着。少し休憩しトイレを使う。 カロリーメイトとBCAAが含まれているアミノバイタルで補給。

三俣蓮華岳への登り

15:00出発。 さあ、ここから残り3時間である。 小屋を出てすぐに樹林の中の登りとなる。2661mのピークまでゆっくり登ってゆく。 腕時計についている高度計で現在の位置を確かめながら、なかなか2500Mを超えないことに苛立ち募らせる。 16時近くなり、すれ違う登山者は皆今夜の宿が黒部五郎小屋と思しき人たちで私の姿をみていまからどこまで行くんだろうというような少し好奇の目で見ているような気がした。


三俣蓮華岳山頂

2661mのピークから振り返ると黒部五郎岳は山頂部分にガスがかかっているものの堂々とした姿を見せていた。少し足元の悪い傾斜地を通って黒部乗越に到着。 少し休む。 本当はここから水平道を50分歩けば今夜の宿である三俣山荘のテント場に到着するのであるが、敢えて今日のうちに三俣蓮華岳に登っておくために山頂を通るコースを選択した。結果的に歩程は20分長くなる。 三俣蓮華岳までの登りはもはや足が棒のようになって思うように前に出なかった。ハイマツの緩傾斜を抜けて17:20山頂に到着。山頂には一羽のライチョウがいて出迎えてくれた。 少しガスが出てきて展望は良くなかったが360度動画を撮影。 

三俣山荘

17:40出発。18:15に三俣山荘に到着した。 テントの受付をしてビールのロング缶(一番搾り)を買って、水を汲んでテントサイトに行く。 エリアDの4張ほど張ることのできるところの空いているスペースに設営。 夕食の準備をしていると隣のテントの若いカップルが戻ってきた。 ウイスキーはほとんど口をつけずハヤシライスをつくって、卵スープと一緒に食べて20時就寝。  

三俣蓮華岳は、富山・岐阜・長野の三県の県境に位置する山である。3つの都府県境が一点に集まる箇所は、 三県境さんけんきょう 、または、三国境(みくにざかい、さんこくきょう)と呼ばれ、全国に48か所ある(三重県と奈良県間の和歌山県の飛び地含む)日本で一番標高の高い三県境はこの三俣蓮華岳(2839m)かと思っていたが、実は山梨・長野・静岡の三県境の三峰岳は2964mでもっと高いことがわかった。ただいずれにせよ、このような山の奥深いところにある県境が貴重であることは言うまでもない。 ライチョウに出会うことができた不思議さとともに忘れられない山頂となった。

(2022年9月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています