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基本情報
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山名 |
浅草岳(あさくさだけ) |
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標高 |
1,585m (一等三角点) |
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山域 |
越後山脈 |
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都道府県 |
福島県・新潟県 |
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位置 |
N37.20.37/ E139.14.00 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図15「越後三山・巻機山・守門岳」
2万5千分の1地図「守門岳」
20万分の1地勢図「新潟」 |
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山岳区分 |
日本三百名山、東北百名山、甲信越百名山、新・花の百名山、一等三角点百名山、越後百山 |
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登山記録
山歩No |
3320-12026 |
登山日 |
2012年7月1 日(日) |
歩程 |
5時間50分 |
天候 |
晴れ |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
関越道小出ICより国道252号五味沢 |
パーティー |
2人 |
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梅雨のさなかであるが、前々から、山仲間のY.Tさんと打ち合わせて守門岳に登ることにした。 6月30日(土)幸い天気がよい中、念願の二百名山の守門岳に登ることができた。天気予報では天気は下り坂だといっているが、午前中いっぱい持つことを期待して、翌日の日曜日にその東側の300名山の浅草岳を目指すことにした。 2011年の夏の集中豪雨は林道をずたずたにして、最短のネズモチ平らからのコースはもちろん、六十里越えのコースからも上がれないことになっている。 あるWEBページには浅草岳は今年は登山禁止とまで書いてある。そんな中、林道を途中までは入って浅草岳には登れるという情報を入手して出かけることにした。前日は守門岳に登ったあと、五味沢に入って駐車場にテントを張った。 |
五味沢駐車場
7/1(日)朝2:10ごろに一度目が覚める。トイレにたって、またすぐ戻ってきた。破間川ダムを越えた橋の横の駐車場は、夜中に2台ほど新たに駐車車両が増えていた。3:30ごろだろうか、隣のテントの4人組が起き出して声がするので、こちらもうつらうつらモードになっていた。 Y.Tさんがそろそろ起きるかというので3:50起床。 EPIに火をつけたが、氷の融けた水をおかゆの温める湯としてわかそうとして温度が低くすぎて、EPIも火力の弱いものだったので、なかなか沸かなかった。これは大失敗。 テントは簡単にしまえたし、エアマットがたたむのに時間がかかるのは想定の範囲内だったが結局出発できるようになったのは5:30をまわっていた。湯を沸かしている間に3台ほどの車が登山口方向へ入っていくのが見えたので、おそらく、民宿喜楽荘さんが4日前にインターネット情報に登山の記録を配信してくれたとおり、ネズモチ平駐車場の1時間手前までしか車が入れないとしたら、おそらく、手前の路肩などに何台かしか駐車スペースがないだろうと予想されて、すこし気持ちがあせる。 |
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通行止め地点
そこから県道を八十里越に向かって進んでいくと、廃業した温泉館の前に通行止めという札が立っていてゲートが閉ざされてあった。 しかしながら降りてくる車がそのゲートを手動で竿をずらして通過しているのを見て、実際は車は通行できるのだということを知る。 自分たちの前の車もそのようにして進んでいった。一部、われわれの進む右沢ではなく左沢の袂に停車している車もあったので、登山客だけでなく、渓流釣りの人たちも入っていることがわかった。 約2kmほど進んだところで、完全に道路が重機によって遮断されて信号がついているところに到着した。 路肩は広くなって7-8台駐車できる。 すでに3台がとまっていた。信号の場所から砂利の敷かれた迂回路があって、四輪駆動の車のみ通行できるように書かれていたが、 道幅が狭いこと、道路に穴があってタイヤをとられそうなことから、通行は無理と判断し、われわれも方向転換をしたあと、そこに車を停めて準備して出発することにした。 |
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荒廃した車道
5:50歩き出し。 Y.Tさんは気になるのか、迂回路をどんどん進んでいく。迂回路はおよそ距離で150mくらいだった。 重機が2台止められている本来の道を高巻くようにつけられていた。 本来の道は土砂崩れがあって完全に底まで地すべりしてなくなっていた。これでは車の通過は無理であろう。 もう、覚悟を決めてネズモチ平まで1時間、車道を歩く気持ちができあがった。 川沿いのルートを歩くのはさわやかだったが、途中、1メートル四方くらいの石が道の真ん中に落ちていたり、さらに奥の車道では路肩部分がでこぼこに隆起・陥没していたりして普通の車がとても通行できるとは思えない。昨年の7月の集中豪雨は相当にひどかったようだ。 30分ほど進むと右手に浅草岳エコ・ミュージアムへの分岐があったが、そこもロープが張ってあり通行禁止になっていた。やがて、後ろから大きなエンジン音がして、トヨタのハイ・エース(四輪駆動車)がわれわれを追い越していった。 中に数名の登山客が乗っているようだった。 Y.Tさんと驚いて「あんなに大きい車でどうやってあの狭い迂回路を通過したのだろう。おそらく民宿の送迎車だろうがさすがプロはすごい。」と。 |
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ネズモチ平
しかしながら10分ほど歩いていくと先ほどのハイ・エースが戻ってきた。車中の登山客は全員降りていて空っぽである。 あまりに時間が早いので、おそらくネズモチ平までは行ってはいないだろうと想像する。案の定、すれ違ってからさらに10分くらい歩いたところで大きな倒木が行く手を阻んでいるところに着いた。もはやいかなる車もこれより先には進めまい。果たしてさらに進むと先に4人の登山客が歩いているのが見えた。しばらくするとその前を行っていた一人の人が4人のグループに何か話しかけている。 われわれ2人はその横を追い越していった。 道路が冠水した場所を過ぎて進むとさきほど4人グループに話しかけていた人が追いついてきて、話をしながら一緒に登った。ヤノさんという方で愛知から来た人。 1年に160日くらい山に入っているという。 たいしたものである。6:50ネズモチ平に到着。 だだっぴろい駐車場に当然ながら一台も車は停まっていない。 トイレの前にある登山コース案内を見る。 トイレ自体も閉鎖されている。 やがて4人組も追いついてきた。 ラジオをつけてNHKの天気予報を聞く。新潟県は下越で風注意報が出ているのが気になったが、午前中は雨の確率は20%と低い。 できるだけ朝のうちに行程を稼いでおきたい。 水を飲んで6:56出発。
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守門岳遠望
ゲートを越えて林道を進むと7:04に前岳へ行く登山道の分岐が現れた。 やはり早いうちに山頂についておきたいので、このルートを進む。進むと、しっかりしたペースのヤノさんとY.Tさんはもうすぐに姿が見えなくなってしまった。 登山道は浅草岳に登る最短コースというだけあってやはりよく踏み固められている。10分ほど登ると一度小さな沢を越えた。 沢を渡ったところで少し道がわかりにくかったが、道はやがて尾根伝いにあがっていく。 後ろから4人組の登山者の方もついてきているようである。 20分上がると、Y.Tさんに追いついた。 水を飲んでヤノさんと休憩していた。 このあたりで標高1230m。 7:55自分もおおむね1時間近く歩いたので、守門岳が見える展望のいいところで、荷物を置いて水を飲んだ。 休憩のために荷物を下ろす時は要注意である。 1週間前に谷底にリュックを落として大変な目にあった。8:00出発。 左手に早坂尾根が見え始める。岩と木の根の混じった尾根を確実に高度を稼いでいく。岩の上を50cmくらいの緑色の蛇(おそらく、アオダイショウであろう。)が通るのを見る。 8:24休憩。 少し傾斜が緩やかになってているので前岳まではさほどの距離もないように思われる。 コーラの飴をかじって糖分を補給。 8:29出発。
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前岳分岐
そこから、早坂尾根を横に眺めつつ上がると、8:50、前岳の分岐に到着した。 ここから守門岳は真後ろにきれいに見える。一人の登山者が休憩しており、これから鬼ヶ面山までピストンで行くといっていた。 雪渓の横断があるが分岐から真横に横断するより、稜線伝いに雪渓の上部を通過するほうが楽だよと教えてくれた。 われわれもいったん前岳のピーク部分まで登ってから浅草岳山頂に行くルートがないか調べてみたが、どうもそのまま鬼ヶ面山へのルートになっているようだったので、引き返して、雪渓上の踏み跡をたどる。 アイゼンをつけねばならないほどの固い雪ではなかったが、ピッケルを持たないわれわれにとっては、いったん雪渓の上で滑ったらかなり下まで停まらずに落ちるかなという恐怖感はあった。 雪渓を渡りきると、木道があって、ここからは高山植物の宝庫となっていた。 コイワカガミにワタスゲも咲いていた。ベニサラサドウダンの接写もして満足する。 山頂から30mほど下には池があって、そこから守門岳の眺めは見事だった。
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浅草岳山頂
空は少し雲が出始めていたが、雨雲に覆われているという気配はなく。 まだ、雲は高いところにあって展望を邪魔することはなかった。 9:25山頂到着。 三角点と小さな祠があった。 少し天狗の庭方面に行ったところにはシラネアオイが咲いていた。 クッキーで腹を満たす。 後を歩いていた4人の登山者もやがて到着した。 その中の女性の一人は日本三百名山も登頂を終えたそうだ。笈ヶ岳がやはり時間が長くて大変だったとの感想をもたれていた。 山頂には誰かのホームページに記載されていたのか蛇の巣があるようで、やはり山頂の祠の前に一匹のヘビが入っていった。 昨日、守門の上から眺めて燧ヶ岳だと思っていた山が実は燧ヶ岳ではなかったということに気がついた。 また、新潟の名山、粟ヶ岳がとても山容の美しい山であるということもわかった。
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嘉平与ボッチ
9:50山頂出発。 木道を歩いてお花畑を楽しむ。 木道に三脚を立ててワタスゲの写真を撮ろうとしていた方のザックにつまずいてしまった。 10:02分岐まで来て先ほど登ってきた道をたどらずにそのまままっすぐ進む。 この道は当初計画していたムジナ沢コースから上がってくるルートになる。 ネズモチ平コースができる前のいわゆるクラシックルートだ。 われわれは桜ゾネまでそのコースを歩いてそこから北西に進路を変えて、林道を下ってネズモチ平に下るという寸法だ。10:20、嘉平与ボッチに到着。 ここには三等三角点がある。 浅草岳の全体は見えないが、下ってきた前岳からの道は気持ちよく見える。遠くに越後三山が見える。 手前の鬼ヶ面山にはがずがかかって見事な景観。 水を飲んで10:25出発。 |
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浅草の鐘
急な下りが続いたが、時間としてはたいしたことはない。 やがて樹林が現れて、その下に今日はじめてチゴユリも見ることができた。 11:09桜ボッチに到着。 ここには、皇太子殿下ご成婚記念の浅草の鐘というものが設置されていた。 その横には八海山神社の祠もあった。 曇り空だったはずが妙に日差しまで差すようになったので、日焼け止めを塗りなおす。 眼下には、ネズモチ平の駐車場のトイレの赤い屋根が遠くに見えていた。 祠の下は林道の終点となっていてコース案内図があった。 このようにきれいに整備されているのに、林道の崩壊でアプローチがさえぎられ、登山者が近づけなくなっているのは残念なことである。 桜ボッチの駐車場も当然のことながら一台も車は停まっていない。 11:18出発。
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ネズモチ平手前崩壊箇所
林道を降りていると、2000年の雪崩の際の殉職者の慰霊碑があった。 その先で、沢に土砂が崩れ落ちていて、車の通行がまったくできない場所があった。 徒歩のわれわれも慎重に石の上を伝って歩く。 11:57ネズモチ平に到着。 水だけ飲んで、12時のニュースと天気予報をラジオで聞きながらさらに歩く。 12:36、エコミュージアムの曲がり角の先で休憩。 4駆のハイラックスはそれよりも山側に1台、果敢に入ってきて駐車していたようだった。 12:41出発。 てくてく歩いて工事箇所も通過。 迂回路にあった穴は、ヤノさんがなんとか通過してみようとしたときにタイヤが空転してできた溝だとわかった。 13:04駐車していた場所に到着。ヤノさんに別れをつげて、われわれは昼食にする。 湯をわかしてラーメンを作る。 雨はまだぽつぽつという程度でたいしたことはない。 やがて、鬼ヶ面に行っていた人も車に戻ってきた。 さすがに健脚だ。
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大白川駅
13:45車を出発。 帰りに図ってみたら林道に入って1.7km進んでいたことになっていた。 14:00浅草山荘の日帰り入浴に500円払って入る。 配管の故障で温泉が引けなくなっているので沸かし湯らしい。 通常より100円安くして営業していた。 この国民宿舎はきれいな施設で、旅行で来ても快適に泊まれるかもしれないと思った。 14:46大白川の駅で只見線の写真を撮影。 あとは小出ICからY.Tさんに交代してもらいつつ運転した。 17:30赤城高原で再び交代。 群馬県側に入ってからは雨が強くなってきた。 18:30、高坂SAで休憩。 激しい雨のせいか渋滞が35kmと激しかったが、19:25に荻窪に到着。 Y.Tさんをおろして20:20に自宅に帰りついた。
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1泊2日で守門岳と浅草岳に何とか登ることができた。 天気が心配だったが、無事に歩きとおすことができて満足である。浅草岳も守門岳と同様、展望の山である。 山頂からの景色は見事である。 本当は鬼が面山まで足を伸ばして爆裂火口まで見ることができれば完璧だったのだろうが、天気が下り坂であったので無理はできなかった。 このようないい山が登山禁止というのはいかにも残念である。 早く道路が復旧してまた多くの人が登れるようになる日を期待したい。
(2012年7月 記) |
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