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鉢伏山・高ボッチ山
鉢伏山・高ボッチ山

基本情報
1 山名 鉢伏山(はちぶせやま)
・高ボッチ山(たかぼっちやま)
標高 1929m(二等三角点) 鉢伏山
1665m
(三等三角点)高ボッチ山
山域 筑摩山地
都道府県 長野県
位置 N36.09.47/ E138.03.88
地図 2万5千分の1地図「鉢伏山」
20万分の1地勢図「長野」
7 山岳区分 日本三百名山・新花の百名山・信州百名山
登山記録
山歩No 3300-19025-26
登山日 2019年8月12日(月)
歩程 1時間40分
天候 晴れ
形態 日帰り
アプローチ 中央道岡谷ICより高ボッチ高原スカイライン
パーティー 2人

2019年に二つ目の三百名山に選んだのが長野県の鉢伏山である。 最初は扉温泉からちゃんと(?)登ることを考えた。 ただ、キャンプ場の場所と帰りのルートを考えると、短縮ルートである鉢伏山荘まで車でアプローチして、短い時間で登り、帰りに高ボッチ山に寄るというほうが効率がよいように気が変わった。 そこで、お盆のキャンプ・避暑レジャーとワンセットで出かけることにして、上田市の巣栗キャンプ場を予約した。 

三ツ峰展望台

08/11(日)山の日の祭日に延々と続く渋滞の中をのろのろすすみ、ようやく夕方キャンプ場に到着。 その日のうちに美ヶ原の最高峰王ヶ頭に登る。 翌日 8/12(月)朝 9:10に美ヶ原美術館前の駐車場に到着。 車を停めて、牛伏山の山頂まで歩いてみる。 徒歩15分ほど遊歩道の上を歩いて到着。牛伏山から戻り、山本小屋の前から車で鉢伏山を目指す。ここから距離はわずかに14㎞のだが、ナビの通りに進むと道のりは44㎞で予想に反して2時間かかると出ている。 松本経由のルートも考えたが、かえって時間がかかるので、扉峠から松本に下りずに、そのまま南にビーナスラインを進む。 三峰大展望台で休憩。あとで調べたのだが三ツ峰はこの日の目的地である鉢伏山のすぐ東にある。 YAMAPの記録を見ると三ツ峰から鉢伏山に縦走された方は、およそ5時間、累積標高2600mくらいの縦走である。 三ツ峰駐車場と鉢伏山荘駐車場にそれぞれ車を停めた2パーティーで途中交差で車のカギを交換して回収するという楽しいパーティー登山だったようだ。 仲間がいないとできないことだがうらやましい。 三ツ峰展望台は水道が来ていないので水は運び上げているらしい。 したがってトイレは有料である。 ここの名物のきのこ汁を食べて展望台にあがる。 少し雲が出ていたが、八ヶ岳の眺めがきれいたったので記念写真だけ撮影し、先を急ぐ。

旧和田峠トンネル

 和田峠から旧和田峠トンネルは片側通行で、信号を待っていないといけない。 前に停車していた自転車の人は、危ないからかわれわれ乗用車を先に行かせくれた。 ここから南西に進む国道142号線はいわゆる「中山道」である。 中山道は結局区間により9つの異なる国道で構成されているようだ。 中山道=国道17号と思い込んでいた自分を恥じた。もともと有料道路だった道に入ってからは気持ちの良いドライブとなる。 岡谷から国道20号を西に進み、塩尻峠を越えてみどり湖の手前で、高ボッチ高原に入る入口をナビで右折ですと指示が出たのだがどうも、それらしき道がない。 一度通り過ぎてUターン。 入り口が極めて分かりにくかった。

鉢伏山荘

 目的地の手前でここでも1台すれ違うがけっこう狭いので場所によっては苦しい。 やがて標高が上がり、視界が開けてくる。 正面に鉢伏山荘が見える。鉢伏山荘はホームページもある。 定員25名だが、1泊2食付きで宿泊できることも可能なようである。 12:50鉢伏山荘にに到着して駐車場でに入れて、山荘によって小屋主の近岡さんと少し話をする。2017年3月に長野県の防災ヘリが墜落した事件があった。 近岡さんは機体回収に尽力されたと新聞記事に出ていた。 ここで500円の駐車料金を払って、山頂に向けて出発する。
 

山頂までの登り

 山荘から開けた道を北に上がる。 前鉢伏山との鞍部から山頂まで800m。 この山の特徴は山頂まで、ほぼ樹木がない。 森林限界を超えているという植生ではないが、丘陵の稜線が美しい山である。 登山道の途中に別の小屋があった。 林業の作業小屋だろうか? 道は広く、歩きやすい。 傾斜はさほど急ではなく眺めの良い登山道を上がる。 鞍部からすぐのところにベンチがあって木陰で初老の男性が食事をとっていた。 確かに、太陽を遮るところがあまりないのがこのコースの欠点である。 


美ヶ原ロングトレイル

6月の終わりに美ヶ原トレイルランの大会があったようである。 美ヶ原ロングトレイルは美ヶ原高原ロングトレイルは、松本市が市民の健康増進を図る目的で整備を行い、岳都松本の東山地域、美ヶ原高原を中心に、北は四賀地区の金山町を起点に戸谷峰、武石峰を通り、日本百名山でもある美ヶ原高原王ヶ頭を目指すコースとして整備している。アルプス展望コースを抜け、茶臼山、三峰山、鉢伏山を通り南の起点である牛伏寺までの、総延長約45キロメートルのロングトレイルである。 鞍部の標識にロングトレイルの名前を冠したものがあったのでまるで、今朝出発した牛伏山と稜線で直接つながっているかのような錯覚を受けた。

 

鉢伏山頂から見る八ヶ岳方面

 鉢伏山は新・花の百名山にも認定されている山である。 レンゲツツジの群生地として6月には訪問する人も多いようである。 途中で若山牧水の歌碑のあるルートをたどって山頂へ向かう。こちら側のルートから行くと本当の山頂=一番高い部分を通らずに展望台のほうへ行くことになる。 鉢伏神社でお参りをして展望台へ。 あとからきた4人組が先に到着してベンチで休憩していた。 湯を沸かして焼きそばをつくる。 展望台に上がって動画を撮影。 少し大きめの焼きそばを昼食に選んだので、一人あたり700㏄、2人で1400㏄もの水を沸かして湯にしなければいけない。展望台でゆっくりと景色を見る時間があった。ここからは諏訪湖の眺めが素晴らしい。 あとは松本盆地が手を伸ばせば届くように見える。 


美ヶ原の眺め

  焼きそばを食べ終わって片付けをしているころに、ご夫婦の登山者が、野生のシカがいると教えてくれたので見に行く。 その鹿はそのあと山頂近くにも表れた。 山頂では三脚なしで交代で写真を撮る。 13:50下山開始。腹も膨れてゆっくり歩く。 一度来るときに通り過ぎた山頂に立ち寄り、美ヶ原の王ヶ頭をバックに社員を撮る。なるほど直線距離なら10㎞と離れておらず手を伸ばせば届くようなところに美ヶ原の台地が見えた。 それでも和田峠・中山道・岡谷を回って本当に美ヶ原ロングトレイルを一周してきたかのようにして、この鉢伏山にたどりついたというのがよく分かった。 15分ほどで鞍部まで到着。 家族連れが高ボッチ山に寄ったついでのようにここまでハイキングに来ているのを横目に車まで帰った。 鉢伏山荘では、家族連れの親御さんと思われる高齢の方がコーヒーを飲んでいた。 ちょっと高原まで来てコーヒーを飲むというのにもよい山だと感じた。
 

高ボッチ山山頂

 駐車場まで降りて、帰りに高ボッチ高原による。 高ボッチ高原から松本盆地がよく見えるのは第二駐車場からといことだったので、そこまで行って車を停める。 そこから徒歩10分で高ボッチ山の山頂。遊歩道が整備されている。 かつては高ボッチ高原荘や高ボッチ山荘といった宿泊施設が存在し、高ボッチ山荘が管理するキャンプ場でキャンプも可能だったが、高ボッチ高原荘・高ボッチ山荘ともに火災で焼失し、それに伴ってキャンプ場も閉鎖された。国定公園内でのテントやツェルトを用いての野営は自然公園法に違反する。ただ、諏訪湖の花火大会を撮影に来る人は多いようで、3日後が大変なことになるだろうというのは想像に難くなかった。


諏訪湖をバックに

1665mの山頂は広くなっており一応、山頂標識の横にはケルンがつんであった。  ここから見る諏訪湖がきれいだった。また正面に伊那の山が見えており、南アルプスの前衛としてそびえる経ヶ岳が意外にどっしりしており立派な山容を見せていた。 トイレをすませて14:40に下り道を降りる。 ナビでは18:30到着と示していたが、中央道の渋滞はとんでもなかった。 家の近くのイタリアンのチェーン店で食事をして帰った。 

鉢伏山は確かに名山の一つであろう。 岡谷や松本の町から近いことが人々の暮らしと結びついた一因だと思う。 高ボッチ山という面白い名前の山も前から気にはなっていたが初めて訪れてまた信州の山の奥深さを知ったような気がした。

(2019年8月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています