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高原山
高原山

基本情報
1 山名 高原山(たかはらやま)
標高 1,795m (釈迦ヶ岳)一等三角点
山域 那須塩原
都道府県 栃木県
位置 N36.54.00/ E139.46.34 
地図 昭文社 山と高原地図12「那須・塩原」
2万5千分の1地図「高原山」
20万分の1地勢図「日光」
7 山岳区分 日本三百名山、関東百名山
登山記録
山歩No 3210-12045
登山日 2012年11月3 日(土)
歩程 4時間00分
天候 曇りのち晴れ
形態 日帰り
アプローチ 東北道西那須野IC日塩有料道路
パーティー 2人

  高原山とはどんな山なのだろうか。 栃木を代表する山であることは知っていたがあまりイメージがなかった。 関東百名山でもあり日本三百名山にも名を連ねる山であるので、いつかは登るつもりでいたが、ふとしたことから、紅葉の山でいいところがないか探しているときに、この山が紅葉のごく限られた時期にスキー場のゴンドラを使って簡単に登れることを知った。 ただ、ゴンドラが紅葉時期に合わせて運行するので10月6日から11月11日までのわずかに一ヶ月程度である。しかもインターネットでそれを知ったのが10月下旬。 あわてて計画を作り、文化の日の休日に行くことにする。 幸い、紅葉も実に見事だというスキー場のハンターマウンテンが宣伝している。

渋滞の東北道(川口JCT)

11月3日(土)曇り。朝4:20起床。 5:17に車で出発。 前夜もいつもどおり残業していたのでさほど早くは就寝できなかった。 おのずと、このぐらいに起きるのが精一杯。 まだ、出発したときには回りは暗かった。首都高に乗り 本来であれば、大橋JCTからC2で新宿・池袋経由で板橋までいけるのだが、事故処理のせいか、大橋JCTから通行止めになっていた。 仕方なく、都心環状に入って三宅坂JCTから飯田橋・早稲田を通って板橋JCTから5号を目指す。 6:18 江北JCTから渋滞しておりのろのろ運転。 安行をすぎてもまだ止まったり進んだりという状態。先が思いやられる。 7:05川口JCTから岩槻ICまでほぼ10kmがまったく動かず。 車数台を巻き込む事故の処理で第二走行車線と追い越し車線とが規制されていた。 

ハンターマウンテンスキー場

  利根川橋を過ぎてからは車は順調に進んだが、それでも、栃木都賀JCTの前でまた混雑していた。 ナビは、宇都宮ICから下りて日光有料道路を通るルートを最初示したが、無視して西那須野ICで降りる。牧場を過ぎて県道を進む。 日塩有料道路に入るところではかなりの数の車があった。 ここまできてやっとハンターマウンテンの看板が出てきた。 有料道路は入り口では料金を払う必要はなかったのでそのままいく。 途中で奥塩原温泉の「むじなの湯」の入り口が右手に見えたので、駐車場にも目星をつけておいて、10:38にハンターマウンテンのゲートから入る。 駐車場にはそこそこ車が入っていた。 幸い、ゴンドラ乗り場に一番近い第一駐車場でつい先ほど出た車があったのでそこに入れて、靴を履いて、荷物の準備をする。。

ゴンドラ乗車

 天気は晴れだがうす雲が多い。売店の入り口でゴンドラ券を買う。 往復1500円。 レストランの中を通ってスキー場のセンターゲレンデに出る。 ここからの紅葉もきれい。ゴンドラ乗り場に行く展望デッキでゴンドラを入れて景色の写真を1枚撮る。 11:00にゴンドラ乗車。 商売上手というか、ちゃんとグループでまとめて乗せてくれる。 その上、乗車記念の写真も1台ずつ撮る。 見事な針葉樹の紅葉を眺めながら、標高1600mの山頂駅に11:12に到着。気温ゼロ度。上部の明神岳には残雪が見える。 ホームページで、紅葉と初冠雪のコンビネーションが見事ですと書いてあったが確かに珍しい景色である。 トイレを済ませて整備された木道に沿った遊歩道を進む。5分ほど進むと、左手に稜線上の登山道と合流するところに出た。 左手の北東方面に「関東平野展望台」、右手の南西方向に「日光連山展望台」と書いてある道表示がある。 地図によると、ゴンドラの山頂駅からすぐの明神岳から、稜線伝いに釈迦ヶ岳方面に行くルートはほぼ南の方角になっているので、日光連山展望台の方向を目指して進む。  

明神岳西峰

 当初の予定では9時すぎにゴンドラに乗るはずだったが、東北自動車道の事故渋滞の影響で、ハンターマウンテンスキー場到着・ゴンドラ乗車の予定が1時間半以上遅れてしまったので、歩き出し直後のルートミスは許されない。そのまま南西に稜線を少し行くと果たして、明神岳西峰の祠と山頂標識が現れた。 樹林の中なので展望はないが、まわりは一面積雪に覆われている。 写真を撮ってそこから下におりるとさきほどの木道いわゆる「お気軽コース」と合流した。合流点にある日光連山展望台はやぐらが組まれているりっぱなものだったが、残念ながら今日は日光方面はしっかりと雪雲に閉ざされていて展望がない。ここがお気軽コースとしっかりコースの合流点となっているが、同時にハイカーのための周遊コースはここまで、ここから先は登山道「釈迦ヶ岳・鶏頂山方面」と書いてあった。 コース案内図を見ると概ねゴンドラの山頂駅から往復4時間といったところか?鶏頂山まで往復するとさらに1時間を要する。 今現在の時刻が11:30でゴンドラの最終が午後4時なので、おそらく鶏頂山は無理であろう。 されど、なんとか最高峰の釈迦ヶ岳だけはピークまで行きたいものである。

稜線上登山道

 明神岳からは少し急な下りとなる。南斜面ということで雪はさほど登山道についていない。 一週間前にこのコースを登った方が、ヤマレコに「少し踏み跡が薄いところがある。」と書いていたが、実際には相当に刈払いがされており歩きやすいコースとなっている。おそらくハンターマウンテンスキー場の方が、この新たに開拓されたルートを他のメジャーなルート(弁天沼経由コース・大間間コース)などと同様に、一般コースとして登山する人を増やそうとしている意気込みが感じられる。 確かに、明神岳から縦走してくると距離はすこし長くなるが、高度差は少ないので、足腰には優しいハイキングコースになるといえる。 いったん1510mの地点まで下るが、そこからも少々のアップダウンがある。 ただ稜線上を行くので木々の間から時折、鶏頂山と釈迦ヶ岳の姿が見える。 雪雲に隠れがちになるが、釈迦ヶ岳の山頂は樹氷で白くなっている。

鶏頂山を臨む

 12:05に1550mのピークを越えると道はそこから少し樹林の中を標高をあげていく。このあたりは北斜面になるのでそこそこに雪が残っていて、よく足跡を見なければ登山道がわかりにくくなっている。登山道の上には水溜りが凍結して氷になっていたりした。  そろそろ早い時間のゴンドラに乗ったと思われる登山者の方何名かとすれちがうようになってきた。 12:21、明るくなった稜線にたどり着くと、そこが、鶏頂山と釈迦ヶ岳の分岐であった。 特に広くなっているわけではないが小さな道標がある。腰をおろしてお茶を飲んでいると、鶏頂山から男女混合の5人パーティーがあがってきた。 この分岐から鶏頂山まで何分くらいかかるのか聞いてみたら、20分では行けない、30分くらいは見ておきなさいといわれた。やっぱりそうか。 明神岳の近くの登山ルート案内図にも確かそのくらいの時間が書かれていたので、この時点で、鶏頂山はあきらめざるを得ないと覚悟をした。 まあ、4時がゴンドラの最終だとしてそれをすぎてもスキー場を歩いて下ることもできるだろうが、復路のゴンドラ券を持っているのにそこまで力を入れて日没まで歩くこともあるまいと思った。

釈迦ヶ岳山頂到着

 12:26に5人組が出発して数分たって、腰をあげて、釈迦ヶ岳を目指す。 よく見ると、先ほどの道標は、釈迦ヶ岳まで25分と書かれているが、薄い字でそれが消してあって45分と書かれている。 おそらく、健脚の人がつくった道標を中高年のリピーターが修正してくれているのだろう。 確かに、見上げた感じはまだ、標高差で軽く150mほどはありそうだ。 ピークをひとつ越える。 ここが御岳山といわれているところだろう。、少し細くなった稜線を進んでいく。 結構、鞍部まで切れ落ちている感じがする。 鞍部からは、石と木の根につかまって上がる急登となった。 雪ですべるというほどではないが、結構ルートも湿っていて歩きにくい。 ところどころ、小さなアルミ製の脚立のようなものがはしごとして置かれていたりする。なかなか大変である。 12:48しばらく上がると、今度は左手が少し切り立っているところにやってきた。 山から北面になるので樹氷が見事である。 ロープが渡してあるので、つかまりながら滑らないように進む。 10分ほどの急登を我慢してようやく広いところに出ると、そこが大間間ルートとの分岐であった。4名の登山者が道を開けて待っていてくれて、あと5分だよと励ましてくれた。 果たして、ゆるやかになった稜線を進むと5分ほどで山頂に到着した。12:57、やはり先ほどの分岐からは30分以上かかっている。 

紅葉と樹氷のコントラスト(矢板方面)

 残念ながら雪雲がたれこめて展望が限定されているが、矢板の方面は明るく見えている。 下のほうは紅葉しているが、山頂直下は樹氷となるほど赤と白のコントラストを見ることができた。 山頂では計12-13名程度の人が昼食をとってりして休んでいたが、なにしろ風もある。体感温度がはんぱなく低い。 おそらく、ゴンドラの山頂駅が0度だったのでここは氷点下になっているかもしれない。 南斜面の風をさけられそうなところにいってセーターを着込んでおにぎりを頬張ったが、思わず寒さにがたがたと震えてきた。 とりあえず、おにぎり3つを掻きこむと、再び山頂に行く。 山頂標識の横で写真をとったあと、恒例の山頂動画を撮影。 お釈迦様の像もしっかり入ってもらった。 そうこうしているうちに、山頂にたくさんいた人たちはどんどん下山してしまい、最後から2番目にパーティーになってしまった。

晩秋の稜線歩き(正面に明神岳)

 待っていても展望は回復しそうにないので、13:28出発。最初はゆるやかな道を降りる。 大間々との分岐からは急な道で注意して下りる。右手東側に見える釈迦ヶ岳の北面は本当に樹氷のオンパレードだ。 かなり寒々しい景色が広がっている。 眼を北西に移すと鶏頂山の雄雄しい姿が見えた。 こちらのほうは雪雲がだいぶ晴れてきている。14:46、稜線上の広くなったところで休憩。 正面には朝は見ることのできなかった明神岳の姿がりりしく見えている。こうしてみるとなかなかとがった山であることがわかる。 

関東平野展望台(明神岳東峰)

 15:16ようやく、もとの日光連山見晴台まで到着した。 山頂を出てからやはり1時間半は経過している。 明神岳まで標高差では150mほど下ることになるが、実際には途中にアップダウンも多いので、そこそこに往路と同じくらい時間がかかってしまった。最終のゴンドラまでは少し時間もあるので、健脚向けの周遊コースを歩いてみることにする。 ちょうど後ろから、山頂に最後まで残っていたカップルがやってきてお気楽コースの遊歩道をゴンドラ駅のほうへ向かっていった。 明神岳の西峰は来るときに通ったが、東峰は往路でスキップしてしまったので折角なので行ってみる。15:30に東峰の山頂に到着。 こちらは標高が1643mと西峰より3mだけ高くなっていた。山頂には関東平野展望台があって、東に八溝山系、大田原の町、矢板・宇都宮と見えるようであるが、あいにく展望台自体が工事中なようでロープが張り巡らされて立ち入り禁止となっていた。 15:31山頂出発。 ここからはゴンドラ山頂駅まで480mとなっている。まあ10分もあれば到着するだろう。

ゴンドラ下車・駐車場の紅葉

 道は大きく左に巻きながら、スキー場へ向かって下りていく。 15:39ゴンドラの山頂駅に到着。 天気はガスがかなりかかって展望はまったく無い。 まだ、ゴンドラには結構次から次に人が上がってきている。 15:30が最終のゴンドラなのでもうそろそろ終りだろうが。乗り場の西には、塩原高原展望台と書いてある。 山銘盤があるので見ると、晴れていれば男体山・女峰山・太郎山・日光白根山がきれいに見えるようだ。 4:45にゴンドラに乗車。 帰りはガスにさえぎられて展望は今ひとつだった。 16時に下車してゲレンデにあったきれいな紅葉の写真を撮る。 まだ山頂駅に向かうゴンドラには数名の客が並んでいた。 大盛況で営業時間を30分延長したのだろうか。 

奥塩原元湯(むじなの湯)

 荷物を片付けて再び日塩有料道路を走る。 往路は無料、というか入り口のゲートは無人で出口で料金をお支払いくださいと書いてあったが、今度は料金所に係員がいて600円を支払った。16:50にむじなの湯に入る。 入り口で300円の入浴料をボックスに入れて男湯へ。 入浴時間は午前7時から午後6時までとなっていた。 脱衣場は10人くらいのボックスがあるか。 中では2名の方が入っていた。あとから3人の親子づれがやってきて、子供が湯が熱いと騒いでいた。 温度は44度くらいか。 冷えたからだにはととても温まる湯だった。日塩道路が国道400号に合流して、塩原の温泉街や竜化の滝あたりはそうでもなかったが、トンネルをすぎると渋滞していた。 のろのろと進んで西那須野ICを過ぎて、牛丼チェーン店で軽い夕食 そろそろ渋滞のピークを過ぎた東北道に乗り蓮田PAで休憩に駐車するのに15分かかったが、その後の首都高は順調で22時半帰宅

日の短い季節になってきたのお気楽にゴンドラを使った登山をしてしまった。 さすがに、標高1700mを越えるともう晩秋というよりは初冬といったほうがいいような山旅になってしまった。翌日の日曜日は移動性高気圧が張り出してもっといい天気になったのだが、ただ、帰りの東北道の渋滞は合計60kmを越えていたので、土曜日に日帰りで登っておいたのが正解かもしれない。 ハンターマウンテンのWEBはとても楽しい内容である。スキーをやらない人でも、この山の景色写真で楽しむことができる。 http://blog.hunter.co.jp/ ゴンドラの山頂から高原山に登るコースはまだ開発されて間もないようだが、家族づれや中高年ハイカーにも気軽に登れるとても楽しいハイキングコースとなっている。 展望が素晴らしい山だけに春・夏の営業にもぜひ期待したい。

(2012年11月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています