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基本情報
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山名 |
大滝根山(おおたきねやま) |
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標高 |
1192m (一等三角点本点) |
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山域 |
阿武隈山地 |
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都道府県 |
福島 |
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位置 |
N37.21.18/ E140.42.06 |
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地図 |
2万5千分の1地図「上大越」
20万分の1地勢図「福島」 |
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山岳区分 |
日本三百名山、花の百名山 |
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登山記録
山歩No |
3150-17024
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登山日 |
2017年11月4 日(土) |
歩程 |
2時間40分 |
天候 |
晴のち曇り |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
磐越道小野ICから県道36号 |
パーティー |
1人 |
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大滝根山は福島第一原発から30km西にある山である。私は静岡で勤務していた時に健康診断で結節性甲状腺腫が見つかった。 主治医は福島原発の事故以来日本のあちこちで発症が報告されている病気だという。私の病気が原発事故と関係あるのかどうかはわからないが、そんなこんなで経過観察に通院している。今年は3.11の事故を風化させないという意味でも、自ら車を運転してこの福島の名山を訪れようと思った。
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常磐道千代田PA
11月3日(金)は文化の日で祝日である。 ここまで週末は天気の悪い日が多かったがこの週末3連休は天気がまずまずのようだ。まともに山に行けるのも今シーズン最後かもしれないので思い切って出かけることにした。日曜日は家でゆっくりしたいので、金曜日の午後立ち、麓でキャンプをして土曜日の登山という計画を考えた。 標高2000m以上では降雪の恐れもある。そこで狙いを定めたのが福島県の大滝根山である。 13時に横浜を出発。 首都高はさほど渋滞していないのでのんびりとドライブを楽しむことになる。 常磐道に入り千代田PAで休憩をする。
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針湯荘
いわきJCTから磐越道に入る。 進路は小野ICを目指す。 小野ICで高速を降りてスーパーで夕食の買い出しである。 一応テントを持ってきてはいるが、標高800mの仙台平のキャンプ場は10月末で営業を終了している。駐車場で車の中で寝ることも想定し、あたたかいおでんをメニューに選ぶ。 もう日没となった県道19号線を東に進み、神俣駅の近くに田村市の施設である田村市老人憩の家針湯荘がある。 今日はここで風呂を浴びることにする。 大人の入浴料金は300円、 宿泊もできるようである。 延暦20年(西暦801年)征夷大将軍坂上田村麻呂東征の時、大多鬼丸を大滝根山に攻めること数ヶ月、一時、此の地に憩いて霊泉を汲み、人馬の休養と負傷者の手当てをしたと伝えられている。
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仙台平キャンプ場
風呂を浴びて仙台平のキャンプ場へと車を進める。 すれ違いの難しい1.4車線の道で1台すれ違いをした。 きっと星でも見に行った人だろうか? キャンプ場に着くと当然ながら駐車場には1台も駐車車両はなかった。 キャンプ場の水道も今年の営業を終了したからか、元栓を閉めているようで水を入手することすらできなかった。駐車場の広いスペースを使ってEPIで湯を沸かす。 晩飯はおでんを食べて晩酌は日本酒。 いつもこうやって一人で人里離れたところで車中泊をすると最初は幽霊がでるのではないかという恐怖があるが、缶ビール1本開くころには怖くなくなるから不思議である。夜明けも遅いので明日も早朝から起きる必要ない。 ゆっくりとラジオを聴きながら寝酒をして22時に就寝。
(写真は翌朝撮影したものである。)
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大滝根山登山口
11月4日(土)5:40起床。 ラジオを聴きながらカップラーメンの朝食を食べていたが、天気予報が昨晩とは変わり、今日の天気があまり良くないと言っている。 午後からは雨も降るようだ。 早く登って早く降りてきたほうがよいようだ。 朝食を食べていると軽自動車が一台上がってきた。 登山客かと思ったが、犬を散歩させている地元の方だった。 この仙台平キャンプ場に車を置いていくよりも、もう少し奥に入って登山口の手前に3台ほど駐車できるスペースがあるからそっちに置いたほうが、帰りに仙台平キャンプ場までの登り返しを歩かなくて住むから20分くらい短縮になるよ、というアドバイスをくれた。
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五合目ブナ平
午前7時、パッキングを終えて登山口からスタート。 3台ほど停められる駐車場には1台も車がなかったので余裕のスタートである。 杉の樹林の中をゆっくりと上がっていく。 すぐに小さな小川を渡る。登りが90分とキャンプ場に表示があった。 確かに標高差が300mくらいなので2時間かからずに山頂まで行けるというところか。 歩きだして1時間ほど立った時に正面に目指す大滝根山が見えてきた。紅葉は少し時期が遅いかもしれないが、それでも色づきはまだまだ楽しめる。
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航空自衛隊の基地への送電線
ここからは少し急な登りとなる。 鎖場も現れた。 8:27に阿武隈高原ホテルとの分岐に到着。 ここで標高はすでに1000mを越えているので山頂まではもう少しか。 8:31に急に目の前が開けた。 送電線が現れた。 この大滝根山の山頂は自衛隊の基地となっているので、通信設備に電力を供給するための設備が不可欠だということである。ここからはなだらかに稜線づたいに歩いて右手が鉄条網のついた柵で覆われた敷地があらわれた。 航空自衛隊大滝根山分屯基地司令と記載されている。大きな音を出す通信基地のようなものが現れた。
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大滝根山峰霊神社
8:38、大滝根山峰霊神社に到着。 民間人が踏み入れることのできる山頂はここまでということになる。地面に三脚を置いて記念撮影をする。 折からガスにおおわれていたが少し小雨混じりになってきたようだ。昨日は快晴だったがどうにも間がわるい。三角点は基地のフェンスの中にあるので、触ることはできないが、どうも事前に基地に申請をしておくとフェンスを開けて入れてくれるということだ。 あと6月の第一日曜日は登山者に開放してくれるという記事もあった。 真偽のほどは定かではないので事前に調べたほうがよいであろう。
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大滝根山山頂
山頂から北に200mほど進むと梵天岩がある。 8:50、岩にあがってみたが周りの景色は何も見えなかった。 そうこうしていると2人の登山客がクマ鈴をならしながら神社のところにやってくるのが見えた。 連休だということでやはり来ている人はいるようだ。 待っていても天気が回復しそうもないので、基地の前でまた1枚写真をとって早々と下山をする。 来た道を引き返すのでルートを間違える心配はない。 鎖場の通過は少し気を使ったが無事にこなす。 9:32に五合目のブナ平で休憩。
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すすきと二岐山
10:00に小川を渡るところで靴をぬかるみにとられてしまった。 登山靴がよごれてしまったので小川で泥を落とす。 2名の登山客が上がってきた。 10:07登山口へ到着。 駐車場には自分の車を含めて3台があった。 やはりこちらが近道だということは皆知っているのだ。 仙台平キャンプ場の駐車場に戻り、車の中の荷物を片づける。 まだ昼まで間があるので少し観光をして帰ることにする。星の村遊歩道から七ヶ岳や二岐山といったまだ登っていない日本三百名山の方面を見る。
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あぶくま展望台
あぶくま洞の駐車場はシーズンも終わりだということもありさほど混雑はしていなかった。 阿武隈神社の別院がありこの階段をあがったところからは景色が一望できるようだ。 さきほどの大滝根山の山頂でガスと小雨にまかれてあまり景色を楽しむことができなかったので、リベンジとばかりに展望台に上がってみることにした。4年ほど前に登った高原山が遠くに見えた。
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あぶくま洞滝根御殿
あぶくま洞は日本で最大級の鍾乳洞である。 1969年9月、現在の釜山採石場跡地から発見された。あぶくま洞の一般見学ルートの長さは600mほどである。入り口から150mほどの地点に「探検コース」(約120m)への分岐があり、このルートを含めると720mになる。一般には公開されていない経路を含めた洞内の総延長は約3,300m(日本国内第11位)で、今後の探索によってはさらに伸びる可能性がある。
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見学を終えて帰路に就く
探検コースは結構急な階段があり、年配の人には厳しいのだと思われる。 入り口で係員がいて200円を追加で支払わないと入場できないが、確かに見学する価値はあるのではないかと思う。 洞内ではワインセラーがあってここで熟成されたワインが売店で販売しているようである。 最後の滝根御殿というホールは確かに広くて神秘的な鍾乳洞の作りを楽しむことができる。 長い階段をあがってあぶくま洞を出ると売店があり、結局そこでそばを食べてこの日の昼食とした。帰りは少し時間も早くてまだ渋滞も激しくない常磐道をゆっくり走って帰った。 途中、かなり激しい雨がふった。
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今年3つ目の日本三百名山登山であったが、短い距離で登れるお手頃の山であったというのが率直な感想である。 山頂が自衛隊の基地になっていて侵入できないというのがつらいが、麓から見てきっと眺めのよい山なのであろう。 花の百名山でもあるのでキリシマツツジがきれいな時期に訪れてみたいものである。
(2017年11月 記) |
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