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ニセコアンヌプリ
ニセコアンヌプリ

基本情報
1 山名 ニセコアンヌプリ(にせこあんぬぷり)
標高 1308m (一等三角点) 
山域 ニセコ連峰
都道府県 北海道
位置 N42.52.30/ E140.39.32 
地図 昭文社 山と高原地図2「ニセコ・羊蹄山・暑寒別岳・駒ヶ岳」
2万5千分の1地図「ニセコアンヌプリ」
20万分の1地勢図「岩内」
7 山岳区分 日本三百名山・北海道百名山
登山記録
山歩No 3052-23034
登山日 2023年7月6日(木)
歩程 3時間10分
天候
形態 テント泊日帰り
アプローチ 道道58号からニセコ五色温泉へ ニセコ野営場横に登山口
パーティー 1人
動画URL https://youtu.be/_I0rJPtu3NE

ニセコアンヌプリは、北海道後志総合振興局かつニセコ積丹小樽海岸国定公園内にある標高1,308.2mの火山である。ニセコ火山群に属しニセコ連峰の主峰である。世界の4大スキー場の一つに数えられ、西側にはイワオヌプリ、ニトヌプリ、チセヌプリなどの山々、北側にはワイスホルンがある。尻別川を挟んで羊蹄山の向かいにあり、世界的なスキー場のある山としても有名である。日本三百名山である。山頂には一等三角点(点名「似古安岳」)が設置されている。 2007年12月24日、ニセコアンヌプリスキー場からゴンドラとリフトを乗り継いて、板をかついだまま山頂に上がろうとしたが、山頂直下がアイスバーンになっており、登頂をあきらめた経緯がある。 16年の月日を経て、今度は夏山でここに登るべくやってきた。

道道58号線よりニセコアンヌプリを眺める

2023年7月5日、赤井川村の余市岳から下山。 キロロリゾートの駐車場に停めておいたレンタカーに乗り、今度は倶知安方面に向かう。途中見晴らしの良いところで羊蹄山の姿を見る。 国道393号線の倶知安駅まで入ってきた。 街に交差点名に、北3西24のように、まるで札幌の市内のような交差点表示があってこのあたりの共通な点が興味深かった。 。コンビニエンスストアの駐車場から羊蹄山が本当に間近に見えるので、写真を撮った。

ニセコ五色温泉

道道58号の倶知安・ニセコ線で次第に標高を上げていく。 鏡沼入り口まで来るともう標高が590mもある。 少し道幅が狭くなったがさらに進んで目的地である五色温泉登山口に16時半に到着した。 温泉登山口の駐車場に車を止めて、さっそくニセコ五色温泉の日帰り入浴を利用することにした。 湯舟は決して大きくはないが、なかなか風情のある温泉で、露天風呂からはイワオヌプリの山の登山をしている人の姿が見えた。 喉が渇いたので、自販機でサイダーを買った。

ニセコ野営場

 風呂から上がってニセコ野営場の駐車場に移動し、キャンプ場でテントを張る。 ニセコ野営場は決して大きくはないが、 丘陵地帯の段に整地した草地を利用してテントを30張ほど張ることができそうである。 正面にニトヌプリやチセヌプリが眺められるので、夕方の景観は見事であった。 途中のスーパーで買ったお惣菜で比較的豪勢に夕食を楽しむことができた。自分より後にバイクで到着した人もいた。 やはり夕方になると少し雲が出てきて寒くなってきた。 早めにテントに入って寝ることにした。

登山口 出発

2023年7月6日木曜日、残念ながら天気予報で言っていたとおり、 天気は下り坂で明け方からもう雨が降りはじめていた 。朝食はテントの中で湯を沸かしてカップそばを食べて、その後テントを撤収し雨具をつけて出発の準備をする。6時11分、登山口で入林届に記入する。 こんな天気なので登ってる人は誰もいない。 登山口には「熊出没注意」と書いてあった。 実際には山岳アプリでは、あまり目撃情報がないようである。そういえば、昨晩夜7時半ぐらいにもう日没になっているのに、ニセコアンヌプリ山頂から、ヘッドランプの3人組の声がしていた。 まあ熊が怖ければ夜は登らないであろう。 登り始めて15分ほどは、樹林の中を進む。見返り坂の分岐を過ぎて、そこから徐々に登山道らしくなる。

展望台

 山頂まで1500mという表示が現れた。 7時26分展望台と呼ばれるところに到着。実際には視界が悪いので何も見えなかった。ここには遭難慰霊碑がある。 さらにそこから徐々に登りがきつくなってくる。基本的には稜線の北側を通っていて風が強くないのだが、途中で大きく回って尾根の南側に出たところでは、笹の樹林がなくなっていて、相当な強風が吹いていた。 台風というほどではないが風速は15m以上あるのではないだろうか、 体が持っていかれそうになり、こんな状態で山頂まで登れるのだろうかと少し不安になる。 しかしながら再び北側の樹林の中を進んでいったので、比較的静かな登山をすることができた。
 

ニセコアンヌプリ山頂

標高1200mを過ぎるあたりから笹がなくなり、完全に岩の中を進んでいく状態となる。 標高差がない1300mあたりからは、東に山頂に向かって伸びる平坦な稜線を進んで行くことになった。 8時20分、登り着いた先に、ニセコアンヌプリの避難小屋が見えた。 山頂到着である。 ガスが出ているので残念ながら視界はない。 万歳三唱だけ動画を撮って、早々に避難小屋の中に逃げ込む。 朝出発前にお湯を注いでおいたアルファ米を食べる。さらにここで行動食のカロリーメイトも食べる。


下山 見返り坂分岐

8時40分山頂出発する。激しかった雨はこの頃には少し落ち着いてきたので、小雨が降っているという程度の中を足元に気に気をつけながら降りていく。 南側の稜線に出て先ほど登りで風が強かったところは、幸い風がだいぶ治まっており、 歩きにくいという感じはなかった。 見返り坂のところで熊鈴の音がして、 正面から単独の男性が登ってきた。 今日初めて登山者とすれ違う。 見返り坂からルートは少し木の根が多いだけの道になったが、 気をつけながら降りていく。 最後に登山口に出る直前で、 また一人単独の男性とすれ違った。 男性はポンチョを着ていたが雨具のパンツを履いていなかったので足元濡れますかねと気にしていた。  まあ、当たり前ですが濡れるでしょう。

ビジターセンター

 9時50分に無事下山、 今日の行程は長くないのだが、予定どおりこのあとイワオヌプリに行くべきかどうするかちょっと迷った。 とりあえず下山したので昼飯に用意していたお湯を注いでおいたアルファ米を食べる。 それから朝10時を過ぎてビジターセンターがオープンしたので、 ビジターセンターをのぞいてみる。 ニセコアンヌプリやチセヌプリなどの地形図が分かる展示があった。 思ったよりもイワオヌプリは本格的な登山のようで、 ガスが濃い日などは山頂から下る方向間違える人がいる、 ということでこれは容易にならないぞと気を引き締める。 西洋人のカップルがやはりビジターセンターにやってきた。 このカップルは後ほどイワオヌプリの山頂直下でばったり会うことになる。 

あいにくの天気であったが、北海道遠征2日目、第二座目のニセコアンヌプリに何とか登頂することができた。 今回、ニセコ野営場という標高の高いところから登り始めたおかげで雨の中を長時間歩くことがなく早めに下山できてよかった。 ニセコアンヌプリは独立峰としてその姿も美しい。 いつかまた北海道にスキーでやってきて、この山を眺めてみたいものである。 

(2023年8月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています