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余市岳
余市岳

基本情報
1 山名 余市岳(よいちだけ)
標高 1488m (一等三角点) 
山域 飛騨山地
都道府県 北海道
位置 N43.01.58/ E141.01.10 
地図 昭文社 山と高原地図37「ニセコ・羊蹄山・暑寒別岳・駒ヶ岳」
2万5千分の1地図「余市岳」
20万分の1地勢図「札幌」
7 山岳区分 日本三百名山・北海道百名山
登山記録
山歩No 3042-23033
登山日 2023年7月5日(水)
歩程 7時間0分
天候
形態 日帰り
アプローチ キロロスノーリゾート
パーティー 1人
動画URL https://www.youtube.com/watch?v=7QfW04tL_2I

2023年7月満を持して北海道の登山遠征を計画し、いよいよ実行にうつすときがやってきた。 勤めていた会社を1月で定年退職となり、半年間は継続雇用でそのまま雇ってもらっていたが縁あって8月からべ別の会社で働くことになり、その間1か月の有給休暇を消化する期間が得られた。 多くの先輩たちが、定年になってから北海道の百名山に行く、という行動をいよいよ自分もやるまたとない機会がやってきた。 自分の場合、北海道の百名山は2007にまとめて行っているので今度は二百名山、三百名山である。 入り口に選んだのは2013年の5月に山岳スキーで登頂を狙ったものの天候悪化で断念した余市岳である。

羽田空港第一ターミナル

本日から北海道の登山遠征が始まる。午前11時半にしっかり仕事を終えて、荷物を担ぎ羽田空港に向けて出発する。 11時50分横浜駅から京急に乗って羽田空港へ行く。本日の飛行機はスカイマーク717便14時零5分発電ある。荷物を預けてまた30分ほど時間があると考えて、ターミナル間の連絡バスに乗りターミナル通にある丸亀製麺に行って昼食を取る。さすが丸亀製麺結構行列が出来ていた。かけうどんとかき揚げ天ぷらをかけこむようにして食事を済ませ13時20分にうどんを食べ終わってターミナルバーに戻り手荷物検査場に向かう。 飛行機は14時50分搭乗開始。まあまあ混雑していた。

サッポロファクトリー

ほぼ定刻に新千歳空港に着陸。荷物を受け取って15時30分JR北海道の小樽行き快速に乗車する。 自由席に乗車して新札幌で乗り換えて白石駅まで行く途中、携帯に電話がかかってきた。 本日車を借りる日産レンタリースから、予約時刻が15時半だったのにまだ来ないのという確認の電話だった。 白石駅からタクシーに乗って日産の販売店へ行く。最近札幌市内にもクマが出没したいるので山へ行くなら気をつけて行ってきてくれと送り出されてグレーのエクストレイルに乗り込む。最初に目指すのは、サッポロファクトリーにあるモンベルショップおよび好日山荘である。ナビの指示通りに進んで10分ほどでサッポロファクトリーに到着した。 ここにあるモンベルショップでまず熊スプレーと沢シューズをかった。それからアウトレットコーナーで登山用のズボンとタイツも買う。それから好日山荘によってニセコの地図と熊よけホイッスルを買う。次に桑園のイオンを目指す。イオンで食料品を買い込もうと思ったがその時にEPIカートリッジガスを買うことを忘れていることに気がついた。

道の駅あかいがわ

イオンの近くにICIスポーツがあることを思い出したのでイオンの駐車場にクルマを停めたまままず石井スポーツに入って無事にガスタンクを買う。買い物が終わってイオンに行き食料を買う。まずは2リッターの水のボトルである。6個入りの箱を4つ買った。それ以外にカップうどんとそばそれからレトルトのご飯さらに缶詰三食分それからカレーと林と一個ずつ牛丼と中華丼のレトルトは三食パックを買う。この日道の駅赤井川で宿泊するがその際に食べる夕食とビールも買っておいた。なんとか日没までに買い物を終わらすことができたのでそこから札幌西のインターまで進み札幌自動車道で南西へと向かう。小樽の街が見えるころにはもう日が沈んでいた。 赤井川の道の駅に着いたときは夜の10時近かった。 慌てて買ってきた弁当で食事を済ませ駐車場の中にテントを張って眠る。

登山口 出発

2023年7月5日水曜日
いよいよ登山のスタートである。 今日は余市岳に登る日である。 朝5時に道の駅で目を覚ましたがもう充分明るかった。 ここからナビで約一時間でキロロスキーリゾートに到着するということで進んでいく。 6:20、キロロに到着してゴンドラ乗り場のすぐ北側に登山者用の駐車場もあったのでそこに車を停車してGoproを取り出して、オープニングを撮影する。 準備を済ませて6時40分出発。旭川林道のゲートの横に登山届のボックスがありそこに氏名とコースを記入をする。 前日の4日には3名ほどの登山者が記名していたが、この日はまだ誰も入山していないようだった。 ゲートの横を通って林道の中に入って行く。林道を歩いている人は誰もいない。 登山届もこの自分よりも先に誰かが出した形跡もなかったので単独で歩くことになるなと覚悟を決めて進む。 

赤井川林道

歩き出しておよそ45分、林道の曲がり角を曲がった先の100mほど先の地点に動物が三匹いるのが確認できた。 最初はサルかなと思ったがもっと大きい。 なんと親子連れのヒグマであった。 一瞬自分の目を疑ったが熊に間違いなかった。体はさほど大きくないので母親と子熊の三頭であろう。いきなり腰にぶら下げた熊スプレーに手をかける。 距離が少し縮まると、向こうがこちらの熊鈴に気がついたようで草むらの中に逃げていってくれた。 本当に逃げて行ったかどうか不安なので入ったあたりの草むらの横を通過するときは相当気を使った。 まだ樹林の中にとどまっているようであれば、もしかすると登山をやめなければいけないかもしれないとちょっと不安になる。 しかしながらその先はルートにヒグマの気配はなく、 時折ホイッスルを吹きながら進んで余市岳スキー場のコースに着いた。
 

渡渉地点

スキー場の余市第二リフトの下にパトロールセンターの建物のようなものがある。 登山口はリフトの下をくぐっていくことになるその手前にスキー場のこの建物にトイレと書いてあったので利用できるかどうか確認するべく階段を上がって中へ入ってみた。電気はつくし、水道も出てちゃんと利用できた助かる。 トイレを済ませリフトの横の踏みあとを登山口に向かって歩いて行く。 少し入り口が分かりにくかったがクマ出没注意の看板がありここが登山口とわかった。 登山口から入ってすぐにまず一回目の渡渉ポイントが現れた。水の量はたいしたことないので特に難なく渡渉して沢筋を上がっていく。

尾根伝い登山道

やがてルートは尾根に向かって取りついていく。 谷から離れると傾斜が急になって行くが、順調に標高を稼いでいくことができた。 標高1200mあたりで樹林が終わり、笹藪が現れた。 やがてゴンドラからのコースである朝里コースと合流する。合流地点に道標がなかったのでここはちょっと不親切かもしれない。 合流してからは特に道がはっきりしそのまま進んでいく。 見晴台に出て正面にこれから登る余市岳のどっしりとした姿が見えた。 

白井川コース分岐

先ほど林道でヒグマに会ったので、余市岳の登り斜面りも気をつけてクマの姿がないか確認した上で進んでいく。 左側に定山渓温泉方面に下る白井川コースへの分岐があるか、 どうも廃道になっているようである。 鞍部に取り付きそこから標高差200メーターほどを登って行く一気に登り切って一番高いところに到着した平らになっているので山頂かと思ったが実はそこは山頂ではなかった。 ケルンがあり遭難者の慰霊碑があった。そしてそこから300m南が山頂であると記載がある標識があったのでハイマツの中を山頂に向かって進んでいく。 

余市岳山頂

11時半30分山頂到着。 積丹半島や手稲岳と云った札幌の山々も見える。 眺めはすこぶる良い。 熊が来るかもしれないので警戒しながらホイッスルを吹きつつ山頂に腰を降ろして昼食を食べる。昼食は朝道の駅で湯を注いでおいたアルファ米である。 湯も沸かしてあったのでインスタント味噌汁も一緒に飲んだら美味しかった。 天気のいい山頂で気分良く万歳三唱やってその様子を動画に撮る。
 

展望台へと下る

12時下山開始。ここから急な下りを下りていく。途中で単独の男性のかたが上がってきた。すれ違う直前までその方は自分に気がつかなかった。もともとその方は渓流釣りに来たつもりであったが渓流釣りをする中で登山を好きになったようである。私が林道でクマに会った話をしたら羨ましいとその方は言った。 北海道に在住でずっとクマに会いたいと思っているのだがまだ会えないと言った。 クマに会いたいがためにわざわざ熊鈴をつけないで歩いているといっていた。なかなかの読経である。その方との立ち話が終わって再び下山開始。 来るときに通ったコースなのでおおむね帰るルートがはっきり見えており迷う心配はない。 赤井川ルートとゴンドラから来る朝里ルートとの分岐のところだけ間違えないようにして降りていく。 

ヒグマのマーキング

 道は最初は急な下りであったがやがて平坦になっていく。 渡渉地点を過ぎてスキー場のリフトが見えると基本的には登山道は終了である。 あとは林道無事に降りるかどうかだけであるが、スキー場の入り口から林道に入ったところで朝はなかったヒグマの糞を見つけた。やっぱりヒグマがこの近くにいるんじゃないかと思い警戒を強める。 林道では鈴をジャラジャラ流しながら、ときおいりブランドになる曲がり角のところでわホイッスルを拭きながら進んでいく。

下山キロロリゾートゲート

 40分程林道を歩いてキロロリゾートが見えた。 やっと無事に帰ってきたのである。 ゲートが見えたときにほっとした。 入林届けの下山時刻の欄に記入をしてキロロリゾートの駐車場の車のところへ戻る。今日はここから倶知安を取って明日のニセコアンヌプリの登山口であるニセコ野営場まで移動である。 昔家族でスキーに来たキロロリゾートが懐かしかったので、写真を一枚撮影する。 出発前に車の中から電話で赤井川村役場にクマの目撃情報の連絡を入れておく。 その上でナビが示す通りに倶知安方面へと向かう。

2013年に登ることができなかった札幌市の最高峰の余市岳に10年の月日を経てようやく登ることができた。 日本三百名山・北海道百名山の名に恥じないきれいな山容に感動した北海道遠征の初日であった。 それにしても、登山開始からわずか1時間でヒグマにあうというのはどういうラッキー(アンラッキー?)なのであろうか、このさきもヒグマとの遭遇があるかもしれないと思うと少し憂鬱になったが何はともあれ計画がスタートしたことで満足の登山であった。

(2023年7月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています