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基本情報
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山名 |
ニセイカウシュッペ山(にせいかうしゅっぺさん) |
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標高 |
1878.9m (二等三角点) |
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山域 |
石狩山地 |
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都道府県 |
北海道 |
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位置 |
N43.46.47/ E142.59.07 |
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地図 |
2万5千分の1地図「ニセイカウシュッペ山」
20万分の1地勢図「旭川」 |
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山岳区分 |
日本三百名山、北海道百名山 |
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登山記録
山歩No |
3010-12038
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登山日 |
2012年10月07 日(土) |
歩程 |
5時間00分 |
天候 |
晴れのち曇り |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
旭川紋別道上川層雲峡IC 国道237号中越 |
パーティー |
1人 |
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ニセイカウシュッペ山。 北海道の山にはこのようなカタカナ表記の山がある。日本三百名山のリストのトップに出てくるこの山は広い意味で大雪山の一部に包含されている。 なにしろ大雪山国立公園は日本最大の国立公園で、北海道の最高峰「旭岳」を主峰とする大雪山連峰を中心に、面積は約23万haにも及ぶという。 これは私の住む神奈川県とほぼ同じ広さである。 おまけに標高は2,000m前後だが緯度が高いため本州の3,000m級のような高山環境を持ちの一部になっている。2012年の秋、体育の日の祝日を利用して北海道遠征を決めてこの山に登ると決めたとき、なぜか外国の山に行くような憧れを感じた。 |
羽田空港から旭川空港へ
10/05(金)晴れ。先日の休日出勤の振り替えで1日会社で休みを取った。 これで、体育の日の三連休と合わせて4連休である。 15時10分の電車で横浜へ。 Y-Catまで行って、560円で自販機で高速バスのチケットを買って乗り込む。 トランクには自分で荷物をしまうシステムになっていた。 第二ターミナルで下りて、16時すぎにはチェックイン。 時間がありすぎるので屋上の展望ロビーに行って写真を撮ってみる。それから、ゲートに行って待っていたが、機材の遅れによってANA4759便は17:35発の予定が10分ほど遅れていた。 17:20に搭乗、機内で少し寝て旭川空港到着は定刻の19:10。まず総合案内に行って、EPIのガスカートリッジの寒冷地用を1つ640円で購入した。空港でこの時間までEPIのカートリッジを売ってくれるというのはうれしいサービスである。 |
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21世紀の森キャンプ場
レンタカーを借り出して19:40には出発する。 コンビニがどこにあるかナビに入れてもらい東神楽のSeico-Martで夕食にビールを購入。 旭川市立の21世紀の森のファミリーゾーンでテントを張ろうとするが、当初電話で連絡していたときには総合案内所のゲートは手で開けられると聞いていたが実際には錠前がついている。 仕方がないので、キャンプファイアーの草地に移動してそこにテントを張る。 水道は問題なく使えた。 ただ、トイレにはシャッターが下りていて勝手に利用ができない状態になっていた。おそらく、動物の侵入をブロックするためにかけているのだろう。もちろん人っ子ひとりいないキャンプ場であるが、街灯がともっているので動物が来る心配もあるまいと、テントの中でいつものように一人宴会をして22時に就寝。 夜は星がきれいに出ていた。 |
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国道273号からの分岐
10/06(土)朝5:20起床。朝起きるとまだ晴れだった。ただし、雲はどんよりして雨雲らしきものも近づいてきている。 天気予報では降水確率が60%であったので、降ると考えたほうがいいのであろう。朝食を食べずに車で出発する。 当麻を過ぎるあたりで雨が降り出してきた。 オートオアシスでトイレを使うが出てきたときにはかなり本降りになっていた。 雨の中をナビの示すとおりに旭川紋別自動車道に乗り、上川ICで下りて国道273号を進む。やがて天幕という表示が出てくる。 地図の上では天幕は駅だということになっているがプラットフォームがあるようには見えなかった。 そこから少しいくと中越の看板。 とても集落があるようには見えない。 やがて右に、「ニセイカウシュッペ13.4km」と書いてある標識を見る。 そこで写真を撮って、先に進むと、やがて舗装がなくなり林道になる。 やがて右手に標識が出て、そこからがニセイカウシュッペ山の登山口に続く古川林道だ。 |
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古川林道
林道は5分ほど走るとゲートがある。 事前に上川森林事務所に電話をして聞いておいた鍵の番号をまわして開ける。 そこから砂利の道を右に左に曲がりながら進む。 途中で左に曲がる道との分岐がある。ニセイカウシュッペ6.4kmと書いてあるので長いこと走ったような気がしたがまだ半分しかきていないということになる。この標識を見落とすとまっすぐ林道を進んでしまうことになる。 左に曲がった道は最初傾斜が下りになっていたので本当にあっているのかと不安になったが、やがて平坦になり延々と進むことになった。 途中でわだちがへこんでいて車の底をするのではないかと気になるところもあったが注意して進むと大丈夫だった。うれしいことに雨はやみ。 少し雲間から日差しがでてくる気配があった。
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登山口駐車場-携帯基地局?
8:43に林道の終点に到着。他の車は1台も停まっていない。 携帯電話の中継基地と思われる新しいアンテナが目立っている。 天気は先ほどの雨がうそのように晴れ間が出てきた。 日焼け止めを顔に塗って9:03出発。 入り口に登山者名簿(正確には入山者名簿となっていたが)に名前を書く。 今日は誰も登っていない。 昨日登山をした人は1時間半ほどで戻ってきている。 途中で撤退したということか、そもそも登頂を予定していなかったのか? 中には8時間以上山に入っていた人もいる。 歩程が5時間から5時間半ほどだとにらんでいたので、8時間もかかっている人の記録を見ると少し恐ろしくなる。 自分は特に歩くのが遅いので心配だ。 この山はエアリアマップに出ている山ではないので、正確な標準コースタイムというのがないわけである。心配していても仕方ないのでとにかく歩くことにする。 最初は道幅の広い傾斜の緩やかなハイキングコースという感じ。 すぐに、山頂まで5kmという林野庁の標識が出てきた。 かなり道標はきちっと1kmごとに整備されている。
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大雪山遠望
登り始めるとすぐに紅葉のきれいな樹林となり、朝日があたって見事な眺めである。たった一人で登っているのでやはり気になるのはヒグマである。 意識してクマ鈴の音を出しながら進む。ルートは少しずつ傾斜がついてくるようになり標高をあげていくのがわかる。 左手にはニセイカウシュッペの北西稜線が延びていてこちらも紅葉がきれいである。 45分ほど歩いてあと3kmの地点を通過。稜線の上を歩くので眺めがよい。 10:07、稜線の上の平たくなったところに石があり、登ってみると右手に表大雪の山が見えた。 山頂は残念ながら雲に隠れている。 ここで7分ほど休憩をして水を飲む。 10:15出発。 しばらく歩くとあと2kmの札があった。 ここから大槍が大きく見えており迫力がある。
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見晴台-小槍展望
10:39に見晴台に到着。ここまで来るとニセイカウシュッペの山頂がよく見えるようになる。 左手には下には茅刈別第3支川が流れている。 右手には小槍に至る稜線が見えている。 大槍・小槍と何か北アルプスのようで迫力がある。 見晴台で3-4分休憩した後、再び登路を進む。 1742mのピークの北側を巻くようにして進むが、このあたりは少し道幅も狭くなっておりところどころで石をよじ登るようなところがでてくる。 1箇所、トラロープにつかまるところもあった。 11:20、稜線が東から北へ大きく回るところに出たときに、初めてニセイカウシュッペ山の東側が見えた。 比麻良山の麓は紅葉が見事な広葉樹になっており太陽の光の下で輝いていた。あと標高差で80mほど、ゆっくりと登っていく。 先ほどの晴れた空はどんよりとしてきて天気が心配である。
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ニセイカウシュッペ山頂
11:39に山頂に到着。 当然ではあるが山頂には誰もいなかった。 林野庁と地元山岳会が作った山頂標識があったが、風が強いせいか寝かせたあった。 材木を組んだもので少々重くはあるが一人で立てることができたので、カメラのセルフタイマーを使って写真を撮る。幸い、まだ展望はそこそこにあって、主だった周りの山を眺めることができる。 茶を飲んで、持ってきたおにぎり2つを食べる。 風がかなり冷たい。気温が下がっているのがわかる。 ラジオで天気予報を聞くと、北海道は気圧の谷の影響で雨が降るとのこと。雷注意報も出ている。 セーターとダウンを着たが、止まっていると寒いので、360度展望の動画を撮ったあと、12:03に下山を開始する。山頂を出てすぐに、単独行の登山者が上がってくるのが見えた。 すれ違うときに挨拶をする。 彼のほうは駐車場の車を見て先行者が居ることはわかっていたが、私にとっては他にも登山者がいるのと知ってほっとする瞬間だった。 天気がもつか心配ですねという会話をしたが、相当に健脚に見える方だったのできっと速攻下山も問題ないだろう。 |
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大槍から慎重に下る
大槍の横のトラバースが最大の難所だったので、ロープにつかまりながら慎重に進む。 12:50見晴台に到着。少し休憩してお茶を飲む。 振り替えると山頂は雨雲に覆われ始めている。 1500mより下になると稜線を少しはずれ、紅葉の中の登山道になり、寒さも感じなくなったので快適に歩くことができた。 引き続き、ヒグマと遭遇しないだろうかという恐怖心は潜在的にあったが。 13:48に下山。 登山者名簿に下山時間を書く。 結果的に休憩時間も含めて5時間弱で登下山したことになるので、普段歩みののろい自分としては上出来であろう。記録ではすれ違った方は自分よりも1時間以上遅い登りだしの時間だった。 本当に歩くのが早い。
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無事下山ー協和温泉へ
下山して一息ついたところで雨が降り出してきた。 ちょうど、自分の行動している時間だけ雨がやんでいたことになる。 なんと運のいいことだろうか。荷物を車に積み込んで出発。 林道を走っているときにバケツをひっくり返したような激しい雨になってきた。 わだちに水がたまって走行がつらい。 ゲートの手前で1台の旭川ナンバーの車にすれ違った。 2人組の男性が乗っていて、登山口のことを聞かれたが、そのあとで自分の車の後ろについてきたので、今日は下見のためだけだった感じだった。 14:40国道273号線に出る。ナビを設定して愛別へ進む。 協和温泉に寄って風呂に入る。 古い温泉だったが疲れたからだには休まる湯だった。 泡の噴出に足の裏を当てていると疲れがとれる。
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天気予報の雨の確率60%というところから遠征第一日目のニセイカウシュッペ山の展望は半分あきらめていたのだが、どうしてどうして、素晴らしい山旅となった。 道はよく整備されていて迷う心配もない。時間や傾斜はほどよくハイキングとしてこのうえない充実の展望。 しかし、グループの登山者がいない。 いかにも玄人好みの山であるが山頂の寒さを差し引いても大満足であった。 ちなみに山名の由来はアイヌ語で「絶壁の上にある山」だ。 なだらかな高原の印象の多い大雪山の中でアルプスの雰囲気を味わうことができた。
(2012年10月 記) |
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