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基本情報
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山名 |
市房山(いちふさやま) |
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標高 |
1721m(一等三角点) |
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山域 |
九州山地 |
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都道府県 |
熊本・宮崎 |
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位置 |
N32.18.41/ E131.06.04 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図60「霧島・開門・市房山」
2万5千分の1地図「市房山」
20万分の1地勢図「宮崎」 |
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山岳区分 |
日本二百名山、九州百名山、一等三角点百名山 |
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登山記録
山歩No |
2970-20031
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登山日 |
2020年11月23日(月) |
歩程 |
3時間25分 |
天候 |
晴れ |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
九州自動車道西都IC国道219号 |
パーティー |
1人 |
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勤労感謝の三連休と政府がキャンペーンとして設定したGo to Travelを使って九州に遠征にやってきた。 初日、宮崎空港からレンタカーで二百名山の尾鈴山を登る。 五ヶ瀬の里キャンプ場に泊まって、翌日、熊本から九州山地中央部の国見岳を目指す。国見岳はなんとか雨に合わずに登ることができた。 集中豪雨の影響で登山口までの車道が崩落しており余分な時間を使ったが幸い目的を達することができた。あとは最終日23日の二百名山市房山を目指すばかりである。
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道の駅子守唄の里五木
2020年11月22日 国見岳を登った自分は平家の里を見学した後、振り出した雨の中を人吉の宿に向かった。 途中、五木の里の道の駅で、Go to Travelの地域振興クーポンをスマートフォンで使おうとしたら、おつりが出ませんと言われて慌てて、店内のものを追加で買い足すというようなハプニングがあった。 強くなった雨の中を夕闇迫る人吉ダムを経てひたすら人吉市内へと向かった。少しガソリンの残量が心配になってきたのだが県道沿いにある多くのスタンドは日曜日は休業のようで空いていない。 ナビはありがたいもので開店しているガソリンスタンドを示してくれた。 給油を完了して車で人吉市内に入る。
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人吉神城の宿
宿である人吉神城の宿の場所が少しわかりにくく、2-3回行きすぎてしまい、あたりの暗い道路ををうろうろしてしまったが18:30にやっとこさたどり着く。 受付でチェックインしてGo To トラベルで使える2000円のクーポンをもらう。 桜の木で手作りしたカウンターには地酒が飾ってあった。 でもそれは買わないで外に食事に行くことにした。 歩いて隣のサンロードシティーまで歩いて行ったらどれくらいの時間がかかるか聞いてみたら15分か20分だといわれた。 山歩きする身としてはそのくらいの時間、なんてことはない。
(写真は翌朝撮影、自分の宿泊した権現谷棟と部屋の前に停めたレンタカー) |
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夕食の霧島焼酎と鴨そば
ひと風呂あびて19:30に出かける。 サンロードモールの中のイオンでビールとおつまみを買い、その足でそば茶屋吹上庵で夕食。 前もって電話して20:30がラストオーダーだと聞いていたので間に合うようにいく。 おひとり様ですが車で来ていませんとしっかり主張して、焼酎とさつま揚げのセットを頼み、ご機嫌になる。 焼酎をお替わりしたことはいうまでもない。鴨南蛮そばを〆に食べる。 歩いて帰る途中に、人吉神城文化の森の中に市房杉記念館があることを知る。 隣には大きな屋久杉記念館もある。残念ながら17時までで営業終了となっていたので見学することできなかった。
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国道219号から見る市房山
部屋で缶チューハイを飲んで23時に就寝。 本当は5:00くらいに起きる予定だったが、翌朝目が覚めたら6時を過ぎていた。宿の管理人さんに挨拶をして雨の予報に備えて借りていた雨傘を返す。 朝食は部屋でサンドイッチとカップラーメンを食べるが、湯を沸かすために電気ポットに入れていた湯が手の甲にかかってやけどをしてしまった。出発の前に困ったことである。 左手を水で冷やして、7:00出発。 あらためて出発前の人吉新城の森の宿の撮影をする。なんとなくアメリカに住んでいたときに慣れ親しんだモーテルのイメ―ジだろうか。 人吉から国道219号線をひたすら北東へ進む。 最初は曇り空であったが走っているうちにガスが晴れていくのがわかる。 湯前の駅前で人里を離れてそこからは山道、とはいえ2車線の良い道である。8:33トンネルを抜けて宮崎県に入る。
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五合目登山口駐車場
219号は板谷川の支流を渡り国道265号線と合流する。265号線と分離して8:30に西米村に入る。 8:35にと弾道との分岐がある。 ここから長い林道を車で走ることになる。 上米良の手前で橋を渡り、登山道に車を入れる。 幸い、ずっと舗装があり眺めによい道である。 9:40駐車場に到着。 道路はまだ先まで続いていたが、50台ほど停めることができるここが登山口だろうと確信して駐車、着替えて準備をする。そうこうするうちに何台も駐車場に車が入ってくる。 今日は天気もよいので登山客も多いようである。登山口にはちいさなBOXが備えてあり登山ノートに届出を書くようになっている。 自分も住所・氏名・登山時刻を書く。 さすがにここ数日の登山客は九州の人ばかりである。
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林道に出る
まずはゆるやかな林の中を右の曲がりながら進んでいく。 途中、5合目の標識がある。 市房山はメジャーな登山口が熊本県側の市房神社からとこちら宮崎県側の西米良登山口があるが、前者が3合目からの登山で高低差1100mなのに対して、後者は5合目からの登山で高低差850mと標高差が少ないのでマイカー登山者には人気がある。五合目の標識を過ぎると少し丘になったところを超えて道を下る。 やがて林道に合流した。 「登山道はこちら」と書いた標識がある。 標識によればこの先、林道と登山道が交差するようにして進むようである。 6合目の標識を過ぎたところでトレランシューズをはいた男性とすれ違う。 すごい勢いで走っている。有名な選手なのだろうか?
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造林小屋
道は再び登山道に入るが、ひと登りしたところでまた林道と合流。 6.5合目と思われる地点に避難小屋がある。 前を行く6人組は林道を歩いたので登山道を歩いた自分は彼らを追い越したようである。 避難小屋で休憩。 避難小屋とはいいながら泊まるための土間があるのではなく、屋内に回廊式のベンチがあるつくりである。 誰か携帯を忘れていったのかベンチの上に置いてあった。 トイレは男女別になっていて水洗のきれいなものが設置してある。 小屋は6人組の方たちが入っていたので中へは入らず外で休憩、そうこうしているうちに後ろからさらに2人組の男性がやってきた。
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八合目から眺める山頂方面
10:20避難小屋を出て出発。 登り始めてすぐに7合目の標識がある。 「いいことありそう7合目」とはなかなかよい語呂合わせである。 樹林の中を進む。 傾斜はさほどきつくなく道もはっきりしており楽しいハイキングコースという感じである。 10:51、まるで森林限界に近付いたかのように青空が広がる。 樹林が低い灌木になり、歩いてきた道が見える。 後ろには米良三山のひとつ石堂山が見える。 10:54「何事もやればできるぞ八合目」の看板。素晴らしい1句である。 8合目から先、これから登る市房山が見事な様相を示した。 背の高い木がないのでまるで、北海道の利尻山を登った時のような気分である。 実は市房山と利尻山は標高が全く同じなのである。
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高千穂峰を眺める
11:22に9合目に到着。 YAMAPで市房山に登った人たちの記録を見るとどうもここから先が思ったよりも苦しいらしい。 南西方向、雲海の向こうに高千穂峰が姿を表したピラミダルな山なので目立つ。 11:50さらに標高を上げたところでは高千穂峰の隣に韓国岳も見えた。 1982年に登った懐かしい山である。 11:56少し平たいピークに到着。 山頂まであと5分の標識がある。
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心見の橋
12:00ちょうどに市房山山頂到着。 標高1721m。 利尻山と同じ標高であるという標識がある。 せっかくなので心見の橋まで行ってみることにした。。悪い心を持った人が渡ろうとすると、岩が落ちる、と言われている名所で頂上から3分ほどである。 途中、岩場を通過するので高所恐怖症の人にはつらいかもしれない。 橋に乗ってみた人の写真はよく見かけるが、ちょっと怖いので乗らないほうがよいだろう。 昔は心見の橋から二見岩経由で下山するルートがあったらしいが今は通行止めの標識が立っている。心見の橋の前で写真を撮って、山頂へ戻る。
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市房山山頂
山頂で持ってきたカレードリアを食べる。 湯を入れるときに左手薬指をやけどしてしまったが痛々しく水膨れができている。 けがと引き換えの高い昼食である。 山頂は結構風が強い。 傾山のTシャツを着た地元の方にシャッターを押してもらい岩の上にたったバックの写真を撮ってもらった。 山頂からはガスがあるものの東方面に国見岳と思われる山も見えた。 昨日登った山であるが、天気が悪かったので展望を見ることができなかった。東のほうには尾鈴山がこちらはきれいに見えていた。 尾鈴山からこちら市房山を見ることはできなかったが地図で見ると意外に距離が近いので、尾鈴山の山頂に展望櫓があった時代には、こちら側を見た人も多いのであろう。 昼食を食べ終わったことに単独の女性が山頂に上がってきていた。 コロナ感染症が拡大してきた時期でもあり、登山者も少人数がトレンドになりつつある。12:46下山開始。 今日は飛行機に乗って帰るのでそれを見越して行動しなければならない。 13:52に避難小屋到着、 ここで少し休憩。 それから、下りはトレランのすれ違った人のまねをして6合目付近では自分も少し走ってみたりした。
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西米良温泉ゆたーと
14:10駐車場到着。 1時間25分で降りてくることができた。 車の前で写真を撮る。 飛行機に乗る前にひと風呂浴びたかったので、西米良温泉ゆたーと・カリコボーズの湯に立ち寄る。 ここで車を停めた隣の車は、さきほど山頂にいた6人組だった。 また会いましたねとあいさつをする。 この施設も7月末から感染拡大を受けて約3週間施設を閉鎖していたようである。 再開できて何よりである。 露天風呂にもつかって15:30に出発。 ナビで見ると西都市内到着が17時、宮崎空港が17:30になっている。 思ったほど時間に余裕はない。
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西都原古墳群
当初は、西都市で夕食にうなぎを食べて帰ろうかと思っていたが、さきほどドライカレーを食べたばかりであまり食欲もない時間も気になるので西都市内で西都原古墳群だけ立ち寄ることにした。 西都市街地の西方に南北に延びた標高約60mの平坦な洪積層の台地があり、それが西都原古墳群地帯だ。第二古墳群の近くの駐車場に車を停めてレンタカーを返却する前の荷物のパッキングをする。 ちょうど日没の時間ということもあり、長い影をひきづりながら散歩やジョギングを楽しんでいる人が何人かいた。 日没の太陽と古墳を眺めながら今日登った市房山も見えた。 北には一昨日、宮崎に入った日に登った尾鈴山も見えた。 広い公園は意外に帰路に就く前に山を眺める良い場所となった。
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宮崎空港から東京へ飛ぶ
宮崎空港近くのガソリンスタンドで給油してレンタカーを18時に返却。 ハレバレレンタカーの係員の方が、その車でそのまま空港まで送ってくれた。夕食を食べ損ねたので、空港の中を見たがおにぎりのようなものは売っていなかった。 元祖おび天本舗のさつま揚げを2枚買う。 すぐに食べるといったら温めてくれた。 送迎デッキのベンチに座って残りのさつま揚げと缶詰のツナ缶、五木の道の駅で買ったおつまみ鶏皮に本格芋焼酎黒霧島の夕食。 帰りの便もソラシドエアであった。駐機場から見えた宮崎ブーゲンビリア空港のネオンがきれいであった。 ほぼ満席であったが自分の隣は空席だったので羽田まで爆睡して帰った。
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激動の2020年の山旅はこの11月の市房山で幕を閉じた。 12月に一泊で赤城山と榛名山に登ることを計画していたが、その後の冬本番の突入とともにコロナ感染が拡大し、GoToトラベルは中止になった。 神奈川県知事は12月11日に「全ての県民の皆さんには外出は可能な限り自粛し、社会活動が活発な20代から50代の方は、酒類を提供する飲食店等や夜の繁華街には行かないよう、強く要請します。」というメッセージを出した。山にも行くな、飲みにもいくなということで医療崩壊を防ぐことに少しでも寄与するように年末年始も家にいて日本山歩日記の過去記録の整理に精を出すことに決めた。
(2020年12月 記) |
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