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三瓶山
三瓶山

基本情報
1 山名 三瓶山(さんべさん)
標高 1128m(一等三角点) 男三瓶山
山域 独立火山
都道府県 島根
位置 N35.07.55/ E132.37.36 
地図 昭文社 山と高原地図55「大山・蒜山・高原・三瓶山・比婆山・道後山」
2万5千分の1地図「三瓶山東部」
20万分の1地勢図「浜田」
7 山岳区分 日本二百名山
登山記録
山歩No 2890-21024
登山日 2021年11月20日(土)から11月k21日(日)
歩程 第一日目 1時間20分
第二日目
 2機関5分
天候
形態 小屋一泊
アプローチ 出雲空港からレンタカー 国道9号線 石見銀山街道
パーティー 1人

2021年10月、ついに首都圏の出されていた緊急事態宣言も解除された。やっと山に行ける。 この中で考えたのがいつものように勤労感謝の連休を利用して西日本の山に行くことである。 伯耆大山や剣山などもう何十年も前に行った日本百名山を再訪することも考えたが、 短い休暇なので効率的にピークハントしたい山をレンタカーで集中的に回ることにした。 空路が往路は島根縁結び空港にJAL便で入り、帰路は米子空港からANA便で帰るという入口と出口が別の計画になったので、西の三瓶山からまわることにした。 グレートトラバースでも田中陽希さんが、三瓶山はお鉢巡りをして初めて良さがわかると言っていたので、コースはそれを前提に組んだ。


2021年11月20日 羽田空港

2021年11月20日(土)朝5:28起床。 本当はもう少し寝ていてもよかったのだが始発の飛行機に乗るときの感覚が残っているのか、やはり早起きしてしまった。 5:50に家を出て6:23の最寄り駅を出る電車で横浜へ向かう。 6:43、横浜駅のローソンで朝食のチキンカツサンドを買う。 6:54エアポート急行に乗車。7:21に羽田空港第1・第2ターミナル駅に到着である。 今日の飛行機は朝7時台のものではなく8時台なので余裕である。 緊急事態宣言が解除されたこともあり、羽田空港はそこそこの混雑ぶりである。自動チェックイン機で二次元バーコードを読み取らせて預ける荷物はセルフサービスでタグラベルを自分でつける。 えらく自動化が進んだものである。 荷物を預けた後は7:40空港内のセブンイレブンで朝食のサラダを買って、フリースペースで朝食を食べることにする。

JAL3221便 (羽田―出雲 臨時便)

手荷物検査は登山靴を脱がされて検査。 リチウムイオン電池とライターは先にわかりやすいように取り出しておいたのでスムーズに通過できた。 想像していたとおり羽田空港は出発便のラッシュで自分が乗る島根行きの便ももとは8:55の出発予定であったがほぼ20分定刻よりも遅延していた。 通路側座席に座り、機内ではコーヒーを飲んで、それでも国際線用の機体だということで映画のサービスもなく、約3週間ぶりの日本航空便で出雲空港へと向かう。 



出雲空港でレンタカーを借りる

 定刻より約20分遅れて10:40出雲空港へ着陸。荷物をピックアップして到着ロビーのトヨタレンタカーで受付を済ませ、送迎バンでレンタカー営業所へ。 同じ飛行機で到着した3組のお客さんの順番でレンタカーを貸し出ししてもらう。 今回は黒のカローラアクシオであった。 燃費のいいハイブリッドカーだというのがありがたい。 営業キロ数を見たら40千キロ台であり比較的新しいのがうれしい。


ホームセンタージュンテンドー大田店

 ナビの行く先をまずは「ジュンテンドー大田店」に設定する。 これは、事前に調べておいた石見銀山へ行く途中のホームセンターである。 空路で山に行くときの困りごとはまず空港で降りてから山に入る前にEPIに取り付けるブタンガスのカートリッジを買うことである。 互換性のあるコールマンのカートリッジを取り扱っていることを前日に電話で店員の方に聞いておいたのでまずここへ行く。 イオンモールの中にあるので併せて夜、三瓶山の避難小屋で食べる夕食の食材も買い求めることができるのでありがたい。



石見銀山世界遺産センター見学

 買い物が終わってそこから石見銀山を目指す。 思ったよりも出雲空港から太田市内までの時間がかかってしまったので銀山見学をできる時間が結構限定されてしまうようだ。 石見銀山の世界遺産センターの駐車場に到着したのが13:30. さきほどのイオンで勝ったビーフン弁当をかきこむように車内で食べて、銀山の世界遺産センターの展示物の見学へと出かける。 ポリタンクに水をたっぷり5L水道から補給して、いざセンター内へ。 銀山の歴史や大久保間歩をバーチャルで体験できる映像などもあり興味深い内容だったが、センターの展示自身はそんなに大きなスペースではないので30分ほどですべて見てまわることができた。 本当は時間があればここから街歩きなどをしてみたいところであるが日没までに三瓶山の避難小屋まで上がってしまわなければならないので観光は断念、14時すぎにセンターを出発する。
 

三瓶山観光ロープウエイ

 三瓶山まではここからナビの示すとおりに素直に進めばよかった。 東の原の観光リフトがなぜか電話番号でナビ検索できなかったので、三瓶温泉を行先にしてそこからは昭文社の地図に従って東の原まで上がってきた。 東の原の駐車場はこの時間でもまだリフトに乗って高台の見学をしようという親子連れなどの観光客で繁盛していた。 8月からコロナウイルス感染症対策で運休していたリフトはようやく11月13日つまり自分の登る1週間前にやっと運行を再開したようである。 今年の一番よい季節に営業できなかったわけで気の毒である。自分の場合、往路の乗車日と復路の乗車日が異なるので、山頂駅でチケットに日付を書いてもらう必要があった。 

リフト終点から見た景観

15:10普通のスキー場のペアリフトと同じであるが往復券750円を購入。 リュックサックは後ろではなく前に抱えてくださいと言われて、注意しながら乗り込む。 カメラを落とさないように気を付けながらリフトの上で動画を撮影。 山頂駅には15:40に到着。 多くの人が南側の大平山の展望台を目指す中、北に進路をとり女三瓶山の山頂を目指す。 コースタイム23分。えらく刻んだコースタイムであるが、論理的には16時すぎに到着するはずであるので3Lの水が入り、焼酎が900CC入って晴れて15kgを超えたリュックを担いで登山道を上がる。 家族づれで男三瓶山へ行った人たちはちょうど下山してくる時刻であった。 リフトの最終で16:30なのでそれに間に合うように行動しているのだろう。 


女三瓶山山頂

  16:03女三瓶山の山頂に到着。は松江・米子 テレビ・FM放送所と浜田テレビ・FM放送所を結ぶ固定局がある。 360度動画を撮影している最中に予備バッテリーを草むらに落としてしまって焦ったが、幸い見つけて回収することができた。 女三瓶山の山頂にはパラボラアンテナがある中継基地がある。 そのせいもあるのか携帯電話は問題なく入る。 さて、そろそろ陽が西に傾いてきている。 先を急がなくてはいけない。島根は東京よりは日没が遅く17:10となっていた。 16時半で真っ暗になる東京より30分遅い。日没が近づいてくるなか、兜山の手前で男性の5人組とすれ違い、彼らが最後の下山者だろうか?軽装であるところを見ると16:30の最終リフトに乗るのであろう。

犬戻し 危険地帯

兜山を出てから20分弱、 リフト乗り場の方から最終乗車の案内のアナウンスが稜線の上にも聞こえる。 16:37にユートピアと呼ばれる広場に到着した。 腰をおろして水を飲む。道標の向こうに明日登ることになる孫三瓶山がきれいに見える。 少し休んだあとに出発。 ここから、少しがれ場の危険個所もあったが注意して通過する。 16:54犬戻し。 ここにも東側が切れ落ちたところがあるが黄色いロープが張ってある。

 

男三瓶山山頂到着

 17:04室の内からそびえった岸壁が見える。 三瓶山の迫力のある光景の一つでみなが写真を掲載していたりする。 17:08ようやく山頂と思われる道標のあるところへ到着した。 今夜宿泊する避難小屋が見えた。山頂から男性が一人おりてきた。 空身なので、避難小屋宿泊の方であろう。 「今日ご一緒させていただきます。」と挨拶をして荷物はそのまま担いだまま残り高さ15mほどの斜面を山頂を目指した。日没で暗くなり始めた男三瓶山の山頂に17:10登頂。 山頂にはテントが一張あった。 たくましい人がいるものである。 

男三瓶山頂避難小屋

 島根半島の展望写真も撮影したかったが暗くなって難しかったので明日の朝、もう一度来ることにして避難小屋へとむかう。 避難小屋はこの日は先ほどすれ違った単独の男性と自分と2人だけであった。愛知県から車で来た方でやはり三百名山を目指しているという。 一緒に焼酎を酌み交わしながら山談義に夜も更ける。20時ごろ、900mの紙パックで持ってきた焼酎も空いたので就寝した。

再び朝、男三瓶山山頂に立つ

 2021年11月21日(日)朝5:10起床。 今日はお鉢巡りをして下山後、次の山である島根・広島県境の吾妻山を目指す行程である。 6:15ごろ愛知県の男性は小屋を先に出て行った。 山頂でご来光を待つという。 自分も湯をわかして朝食に天ぷらそばを食べ、残った湯でα米を仕込んでパッキング完了後に山頂をと向かう。 山頂ではテントで宿泊した男性が撤収していたので挨拶する。 避難小屋で一緒だった愛知県の男性もご来光を待ち構えてシャッターに納めようと寒い朝の気温の中、体をゆすっていた。


ご来光、男三瓶山山頂にて

 6:48ご来光が現れる。やはり東京よりも30分以上遅いがそれでも山の上だから平地よりも早く日の出を迎えているのであろう。 風は結構強いが、よいものを見れたので山頂で再び記念写真を撮影して、次の子三瓶山を目指す。 室の内を見渡せる展望台に立ち寄って室の内池をみる。池の周囲はまだ紅葉が結構あるように思えた。子三瓶山へのルートで一番気を使ったのが扇沢までの下りである。 標高で一気に300mほど下るがそれが結構な急傾斜であり、最後扇沢の手前ではロープも現れた。 赤雁山で休憩をする。


子三瓶山

 子三瓶山までは眺めのよい急登を扇沢から約30分登る。 山頂直下でお鉢巡りの縦走路から外れて2分ほど西に行く。 8:29子三瓶山山頂961mに到着。 セルフタイマーを使って写真を撮っていると、国民宿舎から走って上がってきたと思われるトレランスタイルの男性が現れた。 今日やはりここをおはちめぐりするという。 おそらく自分の半分くらいの時間で一周回ってしまうのであろう。 子三瓶山を出ると眺めの良い稜線を風越へ向けておりる。 あまりに眺めがよいのでカメラを回して動画を撮影しながら進む。鞍部の風越まで結構急な下りである。


孫三瓶山

 風越から孫三瓶山まではコースタイム25分の登り。 登り切った孫三瓶山の山頂には標識と少し離れたところにベンチがあった。 ベンチにカメラを置いてセルフタイマーで撮影をする。 避難小屋に宿泊していた愛知県の男性は、室の池を回ってからこの孫三瓶山に登ってきたようで休む間もなく通過していった。 孫三瓶山のバックにそびえる男三瓶山がやはり景色として絵になるものであった。 



三瓶温泉断念

9:10孫三瓶山を出て、大平山へと向かう。 最初は少し下りになり、そこから平坦なルートが続く。 ここまで来ると朝1番のリフトで上がってきてお鉢巡りをする日帰り登山者とすれ違うようになる。 なるほど三瓶山は地元の人たちにこうして愛されているハイキングコースなのである。 観光リフトがあることも手軽にお鉢巡りができることに貢献しているであろう。 観光リフトは8月から運休していたという。 やはりコロナ感染症による移動の自粛で観光産業は大打撃を受けたのであろう。ゆったりとした登りを上がりきって、9:39大平山に到着した。大平山で展望を楽しんだ後、下りのリフトに乗って10時に駐車場に降りることができた。 駐車場にはどんどんと観光客の車が入ってきていた。 名古屋ナンバーや神戸ナンバーの車もあったのでずいぶんと人々が日本中を動くようになったのであろう。 三瓶温泉で汗を流したかったが開店が正午ということで時間が早すぎて残念であった。 Aコープおおち店に立ち寄り、弁当と夕食の材料を買って次の山を目指す。

 グレートトラバース日本三百名山一筆書きで、田中陽希さんが、「三瓶山は全部の山をまわってこそ良さがわかる。」と言っていたが本当にそのとおりだと思った。 標高1000mくらいの稜線ではあるが室の内をながめる景色は迫力があり、県内に日本百名山のない島根県で随一の山であるという印象を持った。 一等三角点百名山にふさわしい堂々とした山である。


(2021年12月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています