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基本情報
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山名 |
櫛形山(くしがたやま) |
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標高 |
2,052m (三等三角点) |
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山域 |
赤石山脈前衛 |
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都道府県 |
山梨 |
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位置 |
N35.35.12/ E138.22.09 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図41「北岳・甲斐駒」
2万5千分の1地図「夜叉神峠」
20万分の1地勢図「甲府」 |
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山岳区分 |
日本二百名山・新花の百名山・甲信越百名山・山梨百名山 |
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登山記録
山歩No |
2700-15009
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登山日 |
2015年5月3 日(日) |
歩程 |
6時間00分 |
天候 |
晴 |
形態 |
前日発テント1泊 |
アプローチ |
中央高速甲府南ICより |
パーティー |
2人 |
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今年のゴールデンウィークは三連休だ。基本的に会社の休みが少ないので、遠くの山に行くことが最近できていない。しかしながら天気がよさそうなので思い切って二百名山の一つである櫛形山をアタックすることにした。最初は渋滞を嫌って高速を通らなくても行ける御正体山も考えたが、せっかくなので富士山や南アルプスの眺めがよいという櫛形山にチャレンジする。
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みたまの湯
5/2(土)ニュースでは帰省や行楽の渋滞で東京から下り方向の道路は30kmくらいは渋滞するという。朝、ゆっくりと横浜を出て12:45に調布ICから中央道に乗る。午後になっているせいか、思ったよりも道路はすいている。渋滞の名所の小仏トンネルへの登り坂でもさほど減速することもない。 サービスエリアでたこ焼きだの唐揚げだのを買って、昼食を済ませてしまう。 14:30に、甲府南ICで高速を降りて、まずは、風呂にはいろういうことで「みたまの湯」へ向かう。ここはみはらしの丘と呼ばれる丘陵地帯で甲府盆地の眺めがよいようだ。 道の駅とよとみでルートを確認し進む。 風呂は、GWの真っ最中だということで繁盛していた。 料金770円を払って入浴する。 茶色の鉱泉は高温の湯船と低温の湯船に分かれている。 露天風呂からは確かに南アルプスや八ヶ岳、そして翌日登る櫛形山がきれいな姿を見せている。
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県民の森キャンプ場
風呂の後は、南アルプス市内のマックスバリューで食材の買い出しをする。県民の森キャンプ場に到着したのは17:00。 大人料金が300円というのでとても良心的である。 テントサイトは林の中、木製ベンチが備えられている。 さっそく、屋外活動用のタープと就寝用のテントを張って夕食の支度にとりかかる。 夕食は、ほうとう鍋である。 ビールを飲んでいい気分になってきた。21時半に星を見て就寝。
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見晴台出発
5月3日(日)朝6時に起床。 よい天気である。朝食はカップうどんと昨日購入したアメリカンドッグの残りを食べて、8:30にテントを撤収して出発。 県民の森グリーンロッジの横の高尾・伊奈ヶ湖林道を北に走り、櫛形山林道に合流して標高約1300mの地点にある見晴らし平という名前の展望台に30台ほど車を停めるスペースがある。 ここから北尾根登山道が続いている。 9:43、準備を整えて出発。 幸い天気は快晴である。 見晴らし台のすぐ上に南アルプス市内を見下ろすあずまやがあったので、そこで正面を見る。
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北尾根登山道
9:50出発。 歩きだしは見晴らし台から西へと進む尾根筋の緩やかな道である。30分ほどで、凝灰角礫岩と書かれた岩の表示がある。 地元の方が自然散策コースとしても手入れをしていただいているのがよくわかる。 途中から、紅葉平を経由するルートとも分岐したが、この時期なので紅葉を見ることもできなかろうと考えて、あえて直接北尾根を登るルートを選ぶ。 ただし、道はどちらかというと尾根の南側に巻き道のようにつけられた登山道で意外と眼下に林道が見えている状態である。 新緑が美しいが、登山道にはまだ昨年の落ち葉がたくさん埋もれているような状態である。
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富士山を見る
10:33左手に開けたところから富士山の姿がうかがえるようになった。方角は南東になるが、上部は雪をかぶった姿はなかなか荘厳である。 10:48、さきほど分岐したもみじ平からのコースと再び合流する。 このあたりで標高は1500mを少し下回るというところだろう。 ここからあやめ平までは35分という表示である。 本当の厳しいのぼりはここからであろう。 11:00巨摩高校の自然科学部が付けたミズナラの木の札の上に標高を表すしるしがある。標高は1800mとある。 ずいぶんと上がってきた。およそ標高で500mくらいあがったことになる。
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あやめ平
11:20、それまでの傾斜が急な尾根筋の道が終了し、なだらかな丘陵地にたどりついた。 先には、シカよけの金網を開けて進んでいく。 このあたりがあやめ平と呼ばれる傾斜地である。 時期がよければあやめきれいなのであろう。 簡易トイレがあるがその手前にはりっぱなバイオトイレを建設中である。 休憩舎もあるので1泊で来ても楽しいのではないだろうか?10分休憩をとる。 ここから西に遊歩道も続いていた。 裸山の山頂につながっているのかどうかは確認はとれなかった。
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ブナ林の中のサルオガセ
休憩を終えて、稜線に沿って裸山を目指す。 ここから30分である。 近年では、池ノ茶屋林道を利用して、車で山頂の南西側、標高1,860m地点まで上がってから登る人も多いようだが、どうもそれではピークハントにはなっても山を楽しむことにはならないだろう。 再びシカよけの金網を出て、稜線を歩く。 見事なサルオガセの群落を見ることができる。 2012年にシラビソ峠から奥茶臼山を歩いた時に見事なサルオガセを見たが、その時に負けないくらいブナの木にぶら下がっていて見事である。
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裸山の肩(櫛形山看板)
11:54に南アルプス市観光協会の作った櫛形山の標識のある開けたところに出る。 ここが、裸山の肩にあたるところだ。裸山まではぐるっと周回コースで登ることができる。看板には花の百名山であり山梨百名山ということがうたわれている。 花の百名山』(はなのひゃくめいざん)は、田中澄江が、1980年(昭和55年)に発表した随筆集である。 そういえば今日登り始めた展望台には田中澄江の登山碑があるとエアリアマップには記載があるのだが、来るときは気付かなかった。 ちなみにWikipediaで調べると「花の百名山」に櫛形山が入っているという記載はない。 Wikpediaでは日本二百名山として紹介されている。
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裸山山頂から見る白峰三山
12:08に三角点のある裸山の山頂(標高2002.6m)に到着。 3名ほどの登山客が休憩していた。 天気は晴れで暑くもなく寒くもなく申し分ない。 ここからは東に櫛形山がよく見える。 櫛形山より左手で南東ほ方向に富士山が頭を出している。しかしなんといっても裸山の山頂が素晴らしいロケーションだと考えられるのはそこから西の眺めである。 少し樹林にさえぎられているものの、木陰から南アルプスの主脈が南北に屹立する様がよく見える。 最高峰は言わずと知れた北岳(3193m)である。 今、ここから日本最高峰の富士山と第二位の北岳の双方をほぼ反対方向で見ているのだ。5月ということもありどちらもいただきはまだ雪をかぶっている。
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ハラボタン平
しばしの休憩ののち、目指す櫛形山の山頂を目指して、裸山を後にする。ここから山頂までまだ3kmほどある。 裸山の東面にもあやめの群落があるようだが、やはりシカよけのための網が張られていた。 再び樹林の中に入ると「やまなしの森100選」と書かれた櫛形山の原生林があった。大きなカラマツがあるかと思えば、ゆるやかな平坦道のわきにブナの林が広がりのどかなところだ。やがて道は三叉路に到着する。 ここがハラボタン平といわれるところである。中尾根登山道を経由して伊奈ヶ湖に通じる道はここを通る。 これは帰りのルートとなる。
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櫛形山山頂
ハラボタン平から道を南西に摂る。 樹林帯をゆるやかに登るが、あまり踏まれていないのか? あるいは皆が好きなところを歩くからかところどころわかりにくいところもあった。 30分ほど歩いて平坦になったところに櫛形山山頂の標識が立っていた。標識のあたりは樹林におおわれているが、南東方向に少し開けたところがあり、そこまで行ってみると腰かけるのにちょうどいい倒木があったので、そこで昼飯の支度をすることにした。 いつものように定番のラーメンである。 ちょうどその部分に、木が倒れて南東方向に富士山が見えたので日本最高峰を見ながらの昼食となった。 2014年の9月に富士山に登った富士山の吉田口登山道がじぐざくに見えるようだった。
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奥仙重を目指して
昼食を食べ終わって、やはりここまで来たのだから、三角点のある奥仙重に行ってみようと思った。 エアリア地図の上でもこちらが櫛形山の山頂のごとくに書いてある。 よかったのは、途中の稜線で完全に樹林が切れて富士山の全貌を見ることができる場所があった。 ちょっとここまで足を伸ばして昼食にしてもよかったかもしれないと思った。 富士山の右手下には同じくらいの標高の山が見えていたが、これは2014年の最初の登山で登った毛無山であろうと思った。 そして奥仙重の山頂に到着。 特に山頂碑はなく、三角点だけがあったので三角点の前で写真を撮影した。
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ほこら小屋
三角点を出発してもとの道を戻る。 14:12再び山頂標識を過ぎる。 2名の登山者の方がいた。 やはり二百名山は静かな山旅が楽しめるのでよい。さきほどのハラボタン平から道を右にとる。 ここから中尾根登山道のルートになる。 伊奈ヶ湖までは2時間5分の道のりとなっている。 14:51ほこら小屋に到着。 ここは水場もあってテント泊もできるところだ。 ちょうど南尾根登山口から上がってきた人が休憩をしていた。 テントも1張りあった。 ここで星を見るというのも悪くない。 ただ、問題は、小屋にあった張り紙で最近のこのほこら小屋近くでクマの目撃情報があったということだそこはちょっと恐ろしいが。
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下山
15:15ほこら小屋を出発して中尾根登山道を下山する。 コバイケイソウの群落を抜けて急な坂をつづら折れで下っていくと20分ほどでガードレールが見えた。 登山口には3台ほどの車が停車してあった。 そこから林道歩き。 舗装道路を歩くこと40分、動物に遭遇することもなく16:18に登山口の見晴らし台に到着した。 駐車場に停まっていた車にうち、朝同じ位置にあった車はもう登山を終えて帰宅したようで、うちの車とあと1台あとから来たと思われる車が止まっているだけだった。北方向に見える八ヶ岳に別れをつげて国道52号通称「みのぶ道」をひたすら静岡まで走って帰った。
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GWを利用して訪れた櫛形山だった。 山梨県の山というのは、都内からでも手軽に行ける近さがありなおかつ、富士山や南アルプスといった標高の高い山を見るよい展望台になっていることが多い。夏山に向けての地ならしも含めてキャンプと2000m級の山の両方を楽しむことができた。
(2015年5月 記) |
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