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基本情報
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山名 |
霞沢岳(かすみざわだけ) |
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標高 |
2646m (二等三角点) |
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山域 |
飛騨山地 |
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都道府県 |
長野 |
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位置 |
N36.13.16/ E137.38.26 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図37「槍ヶ岳・穂高岳」
2万5千分の1地図「上高地」
20万分の1地勢図「高山」 |
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山岳区分 |
日本二百名山・信州百名山 |
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登山記録
山歩No |
2640-23061
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登山日 |
2022年8月25日(金)~26日(土) |
歩程 |
13時間35分(上高地ー徳本峠ー霞沢岳ー上高地) |
天候 |
晴 |
形態 |
テント泊1泊2日 |
アプローチ |
松本電鉄新島々駅よりアルピコ交通バスで上高地まで |
パーティー |
1人 |
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霞沢岳は上高地では、穂高連峰に対峙した背後の山であり、登山道は徳本峠(とくごうとうげ)からの道しかなく、縦走路から外れるため、訪れる人もあまり多くない。しかしながら、この山から見る穂高連峰や笠ヶ岳の展望は特筆に価し、ガイドブックや登山地図などでよく紹介される。 いつか、徳本小屋に宿泊してこの山をアタックしようと考えていた。 標高も高い山なので上高地へのアクセスのよい夏か秋しか行けない山だが距離も長いので日の長い7月か8月に行くことを漠然と考えていた。
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新宿発さわやか信州号
2023年8月25日金曜、なぜかこの日職場が公休日と聞かされた。 1週間ほど前のことである。この夏一度ぐらいは北アルプスに行きたいと思っていたのでちょうど良い機会である。 8月であればアルピコ交通のさわやか信州号が上高地まで直通でバス運行するのでこれに乗れば朝東京を出発して徳本峠で宿泊するという計画が立てられる。 金土日の3日間の休みなので霞沢岳に土曜日に登ったあと再び徳本峠に宿泊して最終日徳本峠から新島々に下山することも考えたのだが。調べてみると新島々から徳本峠を結ぶクラシックルートは残念ながら道が崩壊していて通行できないようである。結局徳本峠でテントをはり一泊2日で霞沢だけをアタックして上高地から土曜の夜に帰る計画に変更した。
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上高地
朝6時に家を出て7時前にバスタ新宿に到着する。朝食をコンビニで買ってさわやか信州号上高地行きの一号車に乗車する。一号車は満席であった。 二号車でも良かったのだが一号車はWifiがついているということでこちらを選択した。途中中央高速が渋滞したこともあり結局上高地には45分遅れて到着した。 12時50分に上高地バスターミナル到着。 トイレに行ったり水を組んだりして歩き出しは結局13時半になる。 上高地から明神まで約50分歩きである。 明神徳沢方面に歩く人もいる横尾・徳沢方面から上高地向かって歩いてくる人のすれ違いも多い。 明神館について少し休憩する。 大きな標識の前で明神岳をバックに写真を撮影する。
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徳本峠への登山道分岐
明神館を過ぎてすぐに分岐がある。 徳本峠の分岐であるがそちらに行ってる人は本日一体何人いるのだろうか。意を決してて徳本峠の道を進んでいく。 最初は黒川に沿った幅の広い林道で歩きやすい。 ただ周りはヤブなのでやはり野生のクマがでないかと心配になる。黒川に沿った道は下に幅が狭くなり傾いた橋を渡りやがて傾斜が増してくる。 斜面に沿ってジグザグを切りながら徳本峠に向かって標高を上げていく。 途中登山道から少し沢に降りたところで休憩をする。 今飲み水しかもっていないが夜テントで築地をするときの水を途中の水場で汲んでいかなければいけない。休憩している沢は完全に干上がっているので果たして上に水場があるかどうか少し心配になる。 何のかんの言って5人ぐらいの団体とすれ違ったりトレランスタイルのカップルとすれ違ったり意外と徳本峠から降りてくる登山者が多いのには驚いた。 新島々から峠越えをしてる人はいないはずなのでおそらく皆霞沢だけが目的なのであろう。やはり8月ということがあって思ったよりも人気の山なのかもしれない。
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水場
2度目の休憩をした地点は沢の支流になっており水がジャンジャン流れていたのでリュックをおろして上のテント場の炊事で使う水を汲んでいく。 荷物が重くなりここからが踏ん張りどころである。 さらに20分ほど進んだところではしごを使ってさ小さな沢を渡るところがあった。 そこで一人の女性がここでここが最終水場ですよと教えてくれて水を汲んでいた。よく見ると新宿からのバスで隣の席に座っていた女性だった。 聞いてみたら峠からこの水がね下り10分ということなので登りであと20分だというふうに目算を立てる。彼女は元気よく水を汲み終わったら私を起こしていった。
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徳本峠小屋
16時45分徳本峠に到着。 峠の見晴台の上にはベンチがあってもう酔っ払って話をしている小屋どまりののお客さんがお疲れと言ってくれた。自分がゴーproで峠の撮影しているのを見てユーチューブに興味を示してくれた登山者の方もいた。小屋は17時から夕食なので今テントの受付に行くと小屋番の方も迷惑だろうと思いとりあえずテント張ることにした。 稜線から松本側の風をよけられるところには4張ほどはれるので先客が2人しかいなかったので女性に断って一番奥に張らせてもらった。 テントを張り終わったら食事の支度である。 先ほどのこの前のお客さんが座っていたベンチでカレーとさんまの缶詰とのメニューの夕食にする。 ただ天気があまり良くないのか時々ポツポツと雨が降り出すのでテントに避難しなければいけないかと思ったがさほど強く雨が降らなかったのでとりあえず雨具の上を着て外で夕食を済ませた。
ウイスキー飲んでやっと気持ちも落ち着いた感じになってきた。 テントで寝る準備をして18時過ぎにトイレに行ったついでにテント場の受付をしてもらう。 小屋の中にいて天気予報を見てる登山者の人たちと少し話をした。 小屋のかかりの方からテントの人は早く引き上げてくださいと言われたので18時半に自分のテントに戻る。 明日は4時半に出発することを目標に20時前には就寝した。
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ジャンクションピーク
8月26日土曜日朝3時50分起床。隣のテントの人はもう4時には出発したようである。 自分はしっかりとお湯を沸かしてうどんを作りさらにアルファ米にもお湯を注いでそこそこの準備をして5時にテント場を出発する。宿泊の道具はtテントに置いているので水とアルファ米と雨具だけをサブザックに入れて荷物は軽い。 一時間ほど緩やかな登りを上がってジャンクションピークに到着した。 6時14分ジャンクションピークに到着。 ここからは東側の松本方面の眺めがある。少し休憩して稜線を進んでいく。木の枝が張り巡らされたところを注意深く足元を見ながら下って行く。
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K1ピークを臨む尾根道
ジャンクションピークは標高2450あるのだがここから結構下って標高2280の所まできた。地図にも表示があったが池塘があった。 池塘といっても雪解け水の溜まった小さな池であった。 ここからさらに少し下る。 痩せた稜線までくると今度は正面にがれ場が見えた。 標高2300mほどのピークを二つほど超えて稜線上を上って行く。 誰かがこのラジオ大無間岳に似ていると写真で投稿してたが、幸い大無限岳のようにがれた所の中心を通過する必要はなく、わき道を忠実にたどっていく。 次第に標高を上げお花畑の中を通るとその先に岩場がある。 結構険しいところもあり注意深く登っていく。少し平坦になった稜線上の地点で休憩をする。持ってきたジェルを食べて5分ほど休んで出発する。
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K1ピークへの厳しい登り
ここから正面の樹林の中からK1ピークが見えるようになる。K1ピークは結構標高がありそうである。しばらく住んで7時50分登山者の方とすれ違う。隣の隣にテントを張っていた単独の男性だった。やはり4時ぐらいにはテントを出発した様子である。もう山頂往復をしてK1にこうやってここまで降りてくるところだった。ここから先トラロープのがれた足場の悪い厳しい登りがありそこが核心部だと教えてくれる。 この核心部を抜けるとK1ピークだということなのでそこまで頑張ろうという気になる。朝8時厳しい登りに取り付く足場には結構浮石があって、石を落とさないように注意しながら上がっていく。トラロープのある急な登りの途中で女性の登山者にすれ違う。隣のテントにいた人である。山頂からの景色はどうだったですかと聞いてみるとご褒美のような風景でしたと言ってくれた。ガスが昇ってくるまでに何とか山頂に着きたいものである。 トラロープをすぎ登山道整備用の資材のある中間点を越えていく。 森林限界を超えて尾根を登って行く。岩場をこえて登り切ったところがけワンピースだった。 8時36分K1ピーク到着。
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K1ピーク
誰もいない見晴らしのいい山頂にはK1の山頂を示す標識が立っていた。標高2567m。 ここから見る穂高連峰の景色は圧巻であった。奥穂高岳から前穂高への吊り尾根の稜線が綺麗に見えた。またジャンダルムから南に続く稜線上に綺麗に西穂高岳のピークが見えていた。 K1ピークで少し休憩。動画を撮影して8時45分山頂目指して出発。K2のピークまでは標高差で百メーター程上がることになる。少し痩せた稜線を越えてK2山頂に上がった。K2の山頂には特に標識もなかったが、K2の山頂から霞沢岳の山頂までがきれいに見えた。 標高差で40メーター時間的に20分くらいかなと見積もる。 霞沢岳の山頂へ至る道は南側が大きく崩れているところがあり、ハイマツの中にう回路をつけているような比較的新しく作り直した道であった。最後は山頂の南側から一旦北西に巻くようにしてせりあがりながら霞沢岳の山頂に到着する。
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霞沢岳山頂
9時9分霞沢岳山頂標高2646mに到着。山頂には誰もいなかった。カメラを出して自撮りをする。さらにリュックに自撮り棒をさして動画も撮影する。いつものように万歳動画を撮ったことは言うまでもない。
9時22分山頂出発。中途半端な時間ではあるがちょうどヤマップに登山計画を立てて出発していた時刻そのものの時間であった。昼食を摂っていないのでその分だけ当初計画からビハインドなのであるが、なんとか計画をキャッチアップして4時半には下山したいものである。 上高地発17時半のパスというのが最後の課題となる。 山頂をでてからしばらくは気の抜けないを峰を通り、K2を超えて進んでいるときに正面のK1に2人組の登山者が見えた。 テント泊の人ではないだろうから小屋どまりの方なのであろう。 ペースが早ければ小屋泊まりでも山頂まで行ってその日の内に下山ができるのだということがわかった。
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急峻な尾根道
K1の前でさらに一人とすれ違い。 K1で最後に展望楽しんだ後急峻なのくだりを下りていくとロープに捕まりながら石を落としそうになる。 細心の注文をして最低鞍部の2280メーター付近に来るまでに2300メーター強の小ピークを二つほど超えるような形になるので、結構登りがしんどいなと感じた。 最低鞍部から残りジャンクションピークまでの登りは決して急ではないのだが、距離は長く、結構厳しいものに感じた。そろそろ昼食の時間なのでどこで昼食を取ろうかとためらう。12時7分ジャンクションピークに到着。
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再び徳本峠小屋 テント撤収
ジャンクションピークで昼食に持参していたアルファ米を朝湯をそそいでいたものを一口ほうばったのだがよく見ると近くの木の幹に熊が爪を研いだ跡があり、さらにルート上に熊の糞とも思われるものがあったのでちょっとここで昼食を取ってるのもまずいかなと思いアルファー米を一口食べただけで食料もう一度リュックにしまった。 徳本峠まであと45分ほど、食べるのを我慢することにした。徳本峠到着12時54分少し遅くなったが徳本峠到着。 はったテントを撤収し食事の準備をする。昨日金曜日は風充分テント場には余裕があったが、さすが土曜日だということもあり稜線上のテント場にも2人ほどすでにテント張ってる人がいた。 小屋の前で昼食を食べて13時50分徳本峠から下山を開始する。
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明神岳
天気予報では16時ぐらいからにわか雨があるような予報ではあったが幸い天気が崩れそうな気配はない。 途中でテント装備を背負って登ってくるようにパーティーとすれ違い最終水場の場所も教えてそのままジグザグの坂を軽快に下って行く。 思ったよりも2人は順調で15時18分に徳沢からのルートの合流点に到着した。 ここから少し歩いて15時22分に明神館に到着。 歩いている途中で母親から携帯に電話がかかっていたので明神館で一度折り返して電話をする。 ここまでくれば上高地まで時間的にも間に合うので明神館で缶ビールを一つ購入してベンチに座って休みながらビールを楽しむ。 前日の往路では明神池の碑の前でたくさんの人が写真を撮っていたが、復路は15時を過ぎたこともあるのか明神館ももうあまりたくさんの登山客が列をなしている様子ではなかった。
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新島々駅
静かになった上高地と明神館の間の登山道を自分のペースでゆっくり進んでいく。 16時5分小梨平のキャンプ場に到着ここで余った水を捨てコルタナは少し水を入れ替えトイレを済ませてついでに着替えもしてしまう。小梨平キャンプ場に隣接した次元入浴施設は16時までなのでどっちにしても立ち寄ることはできなかった最後にビジターセンターの前で動画のエンディングを撮影し、 16時30分上高地バスターミナルに到着する。荷物の整理をして16時30分新島島行きのバスに乗車する。 バスは50分程で新島島の駅に定刻通りに到着した。 分18時41新島々から鉄道に乗り松本駅前の食堂でプルコギ定食を食べ、その後セブンイレブンで缶チューハイを購入して新宿まで行く最終の特急のあずさ60号、 20時10分の車両に乗り込む。 松本を出るときは結構空いていたが途中甲府あたりから乗ってくるお客さんもいて新宿まではそこそこの乗車率であった。 最終の電車だということもあり少し帰りが遅くなったが満足の登山で無事に帰宅することができた。
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霞沢岳は日本二百名山ということでいつかは行かないといけないと考えていた北アルプスの山であった。 ただ、槍ヶ岳や穂高連邦という主稜線から東に離れた常念山脈の末端に近いところなので蝶ヶ岳や大滝山といった展望コースからも少し離れていて単独でないと行かない山になってしまっている。 今回初めて登頂したが、往復22kmという距離を歩いてでも見るべき穂高・焼岳の展望を楽しむことができた。 アップダウンも多いので初級者向きではないが徳本峠にテントを張って明神の眺めを肴に水割りを飲むという楽しみとセットで味わうことのできた山旅であった。
(2023年9月 記) |
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