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愛鷹山
愛鷹山

基本情報
1 山名 愛鷹山(あしたかやま)
標高 1,504m (越前岳二等三角点)
山域 富士山周辺
都道府県 静岡県
位置 N35.14.17/ E138.47.38 
地図 昭文社 山と高原地図31「富士山・御坂・愛鷹」
2万5千分の1地図「愛鷹山」
20万分の1地勢図「静岡」
7 山岳区分 日本二百名山
登山記録
山歩No 2490-13026
登山日 2013年6月8 日(土)
歩程 3時間20分
天候 晴れ後くもり時々にわか雨
形態 日帰り
アプローチ 東名高速裾野ICから十里木
パーティー 28人

 富士山を臨む200名山「愛鷹山」は比較的自宅から簡単に車で行ける山だという認識があった。 従って、逆にいうと、積極的に登山する計画を立ててこなかったというの実態だ。家族の学校の関係から、長年一緒にスキーに連れて行ってくれているK先生から、お誘いがある。 家族で参加する方、ボランティアとして参加する方、さまざまだが、大人数で楽しいハイキングになりそうだ。

新横浜駅集合

 6月8日(土)朝は5:30に起床。 朝食を食べて新横浜まで行く。今日は集団行動なので、マイクロバスを仕立てての行動である。したがって自分で車を運転していくわずらわしさはない。 昼食は山頂でラーメンをつくるつもりであるが、それだけでは足りないと思い、7:15にコンビニでおにぎりを買う。 その足で集合場所のバス乗り場に行ったら、既にK先生が運転してきた銀色のマイクロバスが団体バスの乗り場に停まっていて数名の参加者が集合していた。

銀色のマイクロバス

 若干の遅刻者がいたが、一応、7:40ごろには出発。 横浜町田ICから東名高速道路に入る。土曜日の午前中は、通常下りの車線は渋滞することが多いのだが、幸いに順調に補助席に座ったY先生と山の話などをする。  鮎沢PAで休憩。 トイレを使ったあと、コカコーラを買って車に戻る。 さらに30分ほど東名高速を走ったあと、車は裾野ICで下りる。 

十里木高原登山口

 インターの直後にあったセブンイレブンで、昼食を買っていない人が弁当の調達をする。参加者の中には、あまりこのような登山に慣れていないのか山頂にレストランがあると思っていた方もいた。 高尾山に登ったことがあるようだが、すべての山がそのような構造だと思っているようだ。自分の知っている限り、山頂か山頂に近いところにお土産物屋があったり軽食を食べられる営業小屋があるのは、富士山・槍ヶ岳・穂高岳・伊吹山・月山・石鎚山・身延山・筑波山・大山・金剛山・弥彦山・函館山・陣馬山・影信山・小仏山・それに高尾山くらいだろうか。 昔、開聞岳に登ったときに、バイクで近くに来た人が水も食料も持たずに登っていて「山頂に売店ありますよね?」と聞かれたことを思い出した。 ここから車道を少しずつ標高をあげながら進んでいく。 登山口の十里木高原には10:00に到着。 

歩き出し

  駐車場はほぼ満車に近かった。 さすがは二百名山。トイレを済ませ、日焼け止めを塗る。天気は高曇り。ここは標高880mなので、山頂の1504mまでは624mである。 概ね2時間というところか。 K先生の指示でオーダーを決めて歩き出す。 と自分は後ろのほう。15分歩いては3分休むというペースで無理をせずゆっくり歩いていく。  ルートは尾根伝いの見晴らしのよい道。木が組まれた階段状のところを登る。 右手には高原の東屋が見える。 

展望台から北の展望

 すぐに展望台というやぐらを組んだ台地に到着する。 ここからは本当なら眼下にに十里木CC,左裾野に富士山こどもの国、右裾野に陸上自衛隊の東富士演習場を望み、正面にどーんと富士山の姿が見えるはずなのであるが、 残念ながら天気は曇りで、富士山の頂は雲の中に隠れていた。 標高1080mくらいまで来ると、電波中継塔のアンテナのあるところを通る。 その横はコンクリートの広場になっており、ヘリポートのようだった。途中、アシタカツツジが咲いているところがあったので写真を1枚撮影する。馬の背のベンチで休憩。 思わずここでお昼にしたいぐらい気持ちの良い休憩場所である。

樹林の中の登り

  さらに進むと次第に登りは急傾斜となってきた。 道ははっきりしているのだが、登山者と下山者が別のルートを通るからだろう。 主たる登山道の脇に別の踏み跡があったりして、場合によってはその従たるルートのほうが登りやすいという状況がある。 標高1290mのところで休憩。体の大きいR.M君はもう飲料を全部飲み干したというので、600mlのお茶をあげた。 馬の背までは太陽に照らされていたが、もうこのあたりに来ると樹林の中なので比較的涼しい。少しずつであるが給水を摂りながら高度を上げていく。  

山頂到着12:30

 高度計を持っているので「先生、その地点が1400mですよ」と教えてあげる。標高1450mをすぎると、傾斜は急に緩やかになり、こけに覆われた樹林の中を進んでいく。 すれ違う登山客がもうすぐですよと教えてくれる。 ほぼ読みどおりに12:30に山頂に到着した。 こちらは26名もの大所帯であるが、少し時間が遅いのか、山頂にはそんなにたくさんの登山客はいなかった。 越前岳の山頂は、砂地でかなり土砂が流出したかのようであった。 

昼食はインスタント・ラ-メン

 天気がよければながめがよいのであろうが、残念ながらガスに覆われて展望はなかった。山頂標識の前で写真を取る。 二等三角点にも触ってみた。 リュックが落下しないところに荷物をおろして、敷物を持ってくるのを忘れたので、地べたに座って、EPIでお湯を沸かし始める。 K先生はなつかしのキャンピング・ガスを使っていた。 この青いカートリッジのモデルは、1980年代に山で縦走登山をしていたときに、大活躍をしたガスだ。 自分たちの炊事コンロの主流はホエブスという金属のホワイトガソリンを燃料にしたモデルで、ガソリンを気化させるためにコンロの上部の皿でメタと呼ばれる固形燃料に火をつけて、金属の筐体自身を加熱する必要があった。 これに対して、加熱の必要がないキャンピングガスは、使い捨てコンロの携帯性ともあいまって大人気だった。

雨が降り出す

 湯をわかしてシーフードヌードルをつくって食べたあと、残ったスープで、先生が持って来ていためんをゆで、他の参加者にに分け与えることにした。 そうこうしているうちに雨が降り出した。 最初は小ぶりだったのだが、次第に本降りになってきたのでレインスーツを着る。早めに引き上げようということになり、13:20には下山開始。  

下山---雨も上がる

 帰りはかなり滑る道だったので神経を使った。 R.M君が運動靴で滑ってどろどろになっていたので、気の毒になりステッキを貸してあげた。 R.M君は滑りやすい靴だったせいでが一番遅くなる形で、皆途中で適宜休憩しながら下りて行く。 標高1200mくらいまで下りたら、もう雨は降っていなかった。 馬の背で休憩して、レインスーツを脱ぐる。最後は皆展望台で景色を眺めて名残を惜しむ。 15:30下山。 トイレを済ませてどろのついた靴を交代で水道で洗って、16時にバスは出発。 厚木で渋滞したので18:40に新横浜についた。


 縁起のよい初夢『一富士、二鷹、三なすび』の鷹は、駿河国で2番目に高い愛鷹山を指すという一説がある。しかし、実際には駿河国で愛鷹山より高い山はある。この二百名山の山にこのような形で登山するとは思わなかったが、ちょっとしたハイキングには登りやすい山であろう。 今度は富士山の展望が楽しめる時期にもう一度行ってみたい。
(2012年6月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています