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基本情報
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山名 |
白砂山(しらすなやま) |
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標高 |
2140m (三等三角点) |
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山域 |
三国山脈 |
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都道府県 |
群馬・長野 |
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位置 |
N36.44.17/ E138.41.36 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図16「谷川岳・
苗場山・武尊山」
2万5千分の1地図「野反湖」
20万分の1地勢図「高田」 |
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山岳区分 |
日本二百名山、関東百名山 |
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登山記録
山歩No |
2340-18023
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登山日 |
2018年7月22日(日) |
歩程 |
6時間45分
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天候 |
快晴 |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
関越道渋川伊香保IC国道145号国道405号野反湖 |
パーティー |
1人 |
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2018年の夏はとても早く梅雨が開けた。 太平洋高気圧が例年より強いようだ。7月の中旬からは毎日暑い日が続く。 今年の夏は例年にない暑さのようだ。 (この登山の2日後に日本の最高気温の記録は埼玉県熊谷市の41.1度と5年ぶりに記録が塗り替えられる。)連日、熱中症で救急車の出動となっている中、少しでも涼しさを求めて山を歩きたい。 そんなときに、目に留まったが白砂山である。どうしても前泊となるが、この山であれば歩き出し地点が標高1500mの野反湖なので、前泊が涼しいところだろうというのが狙いである。
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沼田健康ランド
2018年7月21日(土) 昼の13時過ぎに横浜の自宅を出発する。今日は麓まで車で走って寝るだけなので急ぐことはない。 とはいうものの行動する時間が遅いので案の定、一般道の渋滞につかまり、関越に乗るのに1時間以上かかった。14時10分にようやく練馬ICから関越道に乗る。 幸い大きな渋滞情報はない。14:40に高坂SAで休憩する。この時間の西行きはさほど混雑していない。
関越道を順調に走り、渋川伊香保ICで降りる。 ナビの設定は「沼田健康ランド」としていたので沼田ICまで行くのかと思ったが以外に国道17号を走ることになる。16:00沼田駅の横を通り、沼田健康ランドに到着。 この施設のチケットを、2012年の4月に秋田の乳頭山を登る前に乳頭温泉に宿泊していたご家族連れからいただいた。 6年も経っているので有効期限切れかと思ったが、そんなことはなかった。 さほどお客さんも多くないので、ゆっくりと風呂をあびる。
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日本ロマンチック街道
驚いたことにこの施設は大浴場の中にプールがあった。 温泉とプールを併設している施設はあるが、ふつうは風呂とプールは分かれていて、水着着用というのが一般的だ。50mくらい泳いだが、今日は明るいうちに野反湖でテントを張りたいので、本格的なトレーニングはやめておく。 16:40出発。 一度沼田の市街地に入りフレッセイというスーパーで買い物。今夜の夕食と明日の行動食を購入する。 惣菜もそこそこ充実していた。 寿司を買おうかとも思ったが何しろ気温が高いので足が速いかもしれないと思いやめた。 店をでて時計を見ると16:58。 あと2時間ほどで暗くなるので先を急ぐ。 ここからは国道145号線、いわゆる日本ロマンチック街道を西に草津方面に向かって進む。沿道にはきれいな花が植えられていて美しい。
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暮坂峠
道は上信越高原国立公園と尾瀬国立公園、日光国立公園を結ぶ横断道路で、浅間・白根・日光白根などの火山が創り出した造形美、高原、滝、湖沼、湿原を内蔵し、近世の城下町、温泉町、宿場町、門前町を通過する道になっている。18:30暮坂峠に到着。 ここは草津温泉と沢渡温泉を結ぶ交通の要所で標高1088mである。 さすがに草津に行くには最短ルートではあるが、さすがに登坂となりブラインドカーブもあるので慣れない人には運転しにくいかもしれない。峠には若山牧水の詩碑があった。 夕方遅い時間だからであろう。もう茶屋は営業していなかった。花敷温泉に至る途中、 18:45に道の駅六合で休憩。
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野反湖駐車場
野反湖に着くころにはもうすっかり日が沈んでいた。 まだ薄暮の中を運転することができたが、夜の湖はやっぱり不気味なものである。 国道405号線はこの野反湖で終点である。秋山郷最奥の切明温泉まで行くには登山道を通るいわゆる点線国道である。キャンプ場と思しきあたりは宿泊者がいるのだろうあかりがついていた。 最奥の白砂山登山口に最も近い駐車場は80代ほど停めることができるようだ。 15台ほど先着者がいたが、スペースに余裕があるので、車の横にテントを張っていつものように一人宴会。気温は20度である。 下界が37度と言っていたので、恐ろしい気温差である。沼田で購入した日本酒赤城山を飲んで22時就寝。
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登山口出発
7月22日(日)午前4時半起床。 日の出と同時に行動することも前日には考えていたのだがいつものように、飲んで夜更かししてしまったので、おそらく駐車場で前泊していた人たちより1時間細い、出発か。 6人組の団体や、車の中で寝ていたと思われる人たちもだいたい5時過ぎくらいには出発していった。 自分は午前5時半出発。白砂山登山口の大きな標識の横で定番の写真を一枚撮影。 ルートはここからほんの30mほど登りになるがそのあとは下りの道が続く。 まずはハンノキ沢を徒渉して隣の国境稜線のとりつくことなる。 5:51にハンノキ沢を渡る。
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地蔵峠
石を踏んで沢を渡ると林業用のスコップが置いてあるトンネルのわきを通り、ブナの樹林を登ってゆく。傾斜はさほど急ではない。 40分ほど歩くと少し緩やかになり「北山沢との分水嶺」と書いてある看板があった。さらにその先に進むと、避難小屋が見えた。 ただ、この小屋は東京電力所有の作業用で古いものらしく半分倒壊しかけていた。まあ、急な雷雨が来たときなどは身を隠すことはできそうであるが。 避難小屋から5分ほど進んだところが地蔵峠であった。 地蔵峠到着は6:25。 やはりここまでコースタイム50分のところを55分かけているので自分が10%普通の人より歩くのが遅いことの証左である。地蔵峠の山側には、祠の中に石のお地蔵さんが収められていた。 本日の登山の安全を祈る。 地蔵峠から北は長野県である。 ここを北に進む道は、西大倉山を経て中津川の横の歩道を切明温泉まで行くことになる。 切明温泉は鳥甲山は佐武流山の登山基地ともなるので、これからまだまだ来ることになるところだろう。 この切明温泉までは今日走ったと同じ国道405号線が来ているのだが、この国道が南北に道がない区間が野反湖から切明温泉までである。 まさしく点線国道をつなぐ登山道が、この地蔵峠からつながっている道である。
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岩菅山方面を見る
6:31出発。 道はここから地蔵山まで稜線づたいの登りとなる。ブナの樹林の中のアップダウンがあるルートで少しずつ登っていく。 標高1802mの地蔵山のピークというのがどこだったかはっきりとはわからなかった。7:38休憩。樹林の間から西方向に岩菅山が見える。今回は登りだす野反湖の標高が1513mなの山頂で白砂山2140mまで627mの登りである。 二百名山の登山としては標高差は少ないほうである。 ただ、白砂山までの距離が遠い。 膝に負担をかけないようにしながらゆっくり登ることにしたい。水場分岐からは稜線伝いに木の根を踏み分けながら登山道を進む。ここまで途中1名の方を追い抜き、そして1名の方に道を譲ったが登りの人はやはり自分よりも早く出発している人が多いということであろう。登山口と堂岩山のほぼ中央に「シラビソ尾根」の標識があった。
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水場休憩所から野反湖を見る
7:58水場との分岐。水場はここから5分という表示があった。 ここまでで500mlのペットボトルに入れたスポーツドリンクをほぼ空にしていたが、それ以外に2Lの水と500mlのお茶を持っていたので、まあ、水場に寄らなくてもよいだろうという考えで、そのまま進むことにした。 水場との分岐には丸太があって休憩するのにはちょうどよい広場になっている。 脇から覗いてみると南の方角の眼下に野反湖が見えた。
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堂岩山山頂
8:08にルートが突然広くなった。 一瞬、林道に合流したのかと思ったが単なる砂の体積地だった。 よっこらせという感じで、急登を超えて、8:28堂岩山に到着。山頂では誰も休憩していなかった。 ここからやっと目指す白砂山の姿がドーンと目の前に現れる。白砂山はピラミダルな形なので、まだ一気に下って鞍部からしっかり登らないといけないというのが見て取れる。 最も標高の低い鞍部から標高差で100mくらいはあるだろうか。コースタイムでは1時間であるがもう少しかかりそうにも思った。堂岩山の山頂で少し腹ごしらえをしておこうと思ったが、日差しを遮るものもないので進むことにする。 山頂から少し下ると、笹の縦走路に出た。8:38八間山との分岐。 ここから八間山までの縦走路が見えたが、樹林がなくて暑そうである。白砂山から先は群馬県による登山道整備の作業中のため8月11日までは立ち入り禁止です、と書いた立て札があった。
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ニッコウキスゲ
ひとつピークを越えて進むところでご夫婦連れの下山者とすれ違った。 さすがに健脚の方で早朝出発の方はもう山頂まで行って下山ということなのだ。8:57漁師の頭と書かれた2042mのピークに到着。 堂岩山と標高がほぼ近いので、いったん降りてここまで登ったということであろう。 ただ、この先の白砂山まではまだ結構な登りである。 ルート上に幾人かの先行者がいることも見て取れた。 9:17に登山道の脇にニッコウキスゲの群落が現れた。 時期としては少し遅いかもしれないが、それでも黄色い立派な花をつけている。 9:45ピ―クだと思って最後の力を振り絞って登りついたところが実は山頂ではなく、100mほど先に本当の山頂が現れたときにはどっと疲れがでた。 でもそこには人が立っているのが見えたので本当の山頂で間違いないはずだ。
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白砂山山頂
9:50白砂山山頂到着、 先行者の方がお一人で休んでいた。 山頂は360度の展望の素晴らしいピークであった。 残念ながら谷川岳・仙ノ倉あたりの上越国境の山にはガスが上がっておりその姿をはっきり確認することはできなかった。西には横手山・岩菅山が見えた。 その間には三角形の山が見えたので、先行者の方とあれはきっと笠ヶ岳だろうという話をした。 笠ヶ岳の山頂には3月残雪期に苦労しながらとりついて山田牧場までダウンヒルで滑った経験があったので懐かしい山である。 北に目を転じるとすぐに佐武流山が見え、その先には、特徴ある上部が台地上の苗場山を見ることができた。 稲包山方面に行くルートは確かにロープが張られて進めないようになっていたが、稜線上に踏みあとは見て取れたので入る人はいるのだろう。いつものように360度パノラマ動画を撮ったあとに、先ほどの先行者の方にシャッターを押してもらい、山頂標識を入れたホームページ用の写真を撮影した。先行者の方は八間山まで行って15時のバスで帰るという。 見送って一人になった山頂で、ぶどうゼリーを食べて腹ごしらえしていると、別の登山者の人も到着。 聞いたら私より2時間もあとに登山口を出発しているという。 恐ろしい健脚である。
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金沢レリーフ
10:15、素晴らしい展望に名残は尽きないが、三角点に触って、山頂を後にする。 帰りは気づかなかったが、途中の岩場の難所が「金沢レリーフ」という場所であった。白砂山開拓者が金沢さんだったという。確かに岩の上にあがって、南面を見るとレリーフが一枚岩の中央あたりにあった。ただ、岩の上からでは何と書いてあるのかわからない。きっと以前は岩の横を通るようにルートがあったのだろう。10:53金沢レリーフ通過。 漁師の頭には3つほどリュックが置かれていた。 きっと途中ですれ違った登山者がデポしていったのものであろう。
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来た道を下山、水場で昼食
八間山を通って下山するコースは景色がよく魅力的ではあるものの、白砂山からの下山に思ったよりも時間がかかり、 八間山との分岐に到着したときには11:35になっていた。 コースタイムより20分もビハインドである。きっとあまりに暑くて、給水している時間が多いというのも原因だろう。 少し軽い日射病っぽく顔がほてって頭も軽く痛い。 この先、稜線の樹林の無いところを進むのは危険と考えて、八間山コースへは行かず、来た道を引き返すことにした。11:47堂岩山到着。 最後にもう一度白砂山の雄姿を目に収めて下山。 12:12に水場に到着。 ここで昼飯にする。水場まで5分歩いて、沢に降りる。 水量は多くなかったが、しっかりと冷たい水を1Lほど組むことができた。 帽子を濡らしてかぶると、頭が冷えてほっとする。 水場分岐の丸太ベンチに腰掛けて湯をわかしてカレーヌードルを作る。
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夏休みの野反湖
13:48地蔵峠到着。 最後の休憩をして、下山。 あと少しで駐車場というところでハンノキ沢から登りになるのは疲れた体にはつらかった。 14:36下山。 駐車場到着。 まだ20台以上車はあったが登山者のものというより湖に観光に来ている人も多いのだろう。 湖の横では売店が営業して軽食はお土産を販売していた。着替えて湖のほとりで写真を1枚撮影。 15時になっていたので関越の渋滞に引っかかるだろうと心配しながら、来るときと同じ国道405号線から暮坂峠経由の国道145号線。 渋川伊香保ICから関越に乗り、事故渋滞に嵐山あたりでつかまりながらも、三芳PAでしっかり前泊から出たゴミも捨てて20時に自宅に帰りついた。
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最近、自分のホームページは「関東ふれあいの道」や「ハイキング百選」という区分の登山記録が多くなっているという傾向が指摘される。 今年になってまだ一度も「日本百名山」「日本二百名山」 「日本三百名山」の区分の記録が表れていないので、ホームページ読者の方からはもしかしたら、もう三百名山を目指すのをやめてしまったのではないか?と思われたかもしれない。 そうではないですよ、という意味で、今回、頑張って真夏の二百名山に登ってみることにした。白砂山は二百名山の名前にふさわしい素晴らしい山であった。 堂岩山から眺めたアルペンチックな堂々として姿は、さすが上信越の奥深い山というのを思い起こさせてくれた。 マイカーを利用した三百名山狙いはまだまだ続けるつもりである。
(2018年7月 記) |
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