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基本情報
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山名 |
女峰山(にょほうさん) |
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標高 |
2483m (二等三角点) |
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山域 |
奥日光 |
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都道府県 |
栃木 |
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位置 |
N36.48.41/ E139.32.11 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図13「日光・白根山・男体山
2万5千分の1地図「日光北部」
20万分の1地勢図「日光」 |
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山岳区分 |
日本二百名山・関東百名山 |
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登山記録
山歩No |
2320-17019
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登山日 |
2017年9月10日(日) |
歩程 |
10時間15分 |
天候 |
晴 |
形態 |
前日発日帰り |
アプローチ |
日光宇都宮道路日光IC県道169号霧降高原 |
パーティー |
1人 |
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8月にアサヨ峰にアタックしたがその時に代替候補として考えていたのがこの女峰山である。 アサヨ峰に日帰りで行くためには南アルプススーパー林道で北沢峠に入る朝一番のバスに乗る必要がある。 そのための甲府での前泊を考えていた時に宿泊先が見つからずに代わりにマイカーで栃木方面の山に行くことも考えた。 宿泊先が見つかったのでアサヨ峰が翌日の山となったのだが、こちらの場合は結果としてマイカーを使うのでお盆の混雑する時期を避けたのは正解だっただろう。1ヶ月遅れの関東の名山探訪は前日発の1泊の旅となった。
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七代目の登山靴SCARPA
2012年7月に買って奥多摩の御前山でデビューをした愛靴のSCARPAのトリオレプロGTXであるが、アサヨ峰から帰ってきて洗っていたときにソールがはがれかけていることを発見する。 ビブラムはかなり摩耗しているので相当使いこんだということになる。 単純に2012年の御前山からこの5年間の登山の累積標高は15万mとなる。富士山を40回登った計算である。 クマに遭遇した天塩岳に登った時も白馬岳ー唐松岳間の不帰ノ剣を越えた時も、猿ヶ馬場山の残雪単独行もすべてこの靴で登った。 ずいぶんと思い入れのある登山靴であるが5年目の夏で緊急引退となった。 後継は全く同じトリオレプロGTXにした。 残雪期に行くことはあまりないかもしれないが、この靴の持つ幅広感とオレンジの色に気がいっていたせいもある。 残雪期の頻度減少と下りでの安定性を考えてひとサイズを下げて購入。 今回の女峰山が自分にとって7代目のこの靴のデビューとなる。
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登山口霧降高原キスゲ園地で仮眠
2017年9月9日(土)天気予報ではこの週末は好天で行楽日和になると言っている。 2017年の夏は東京で20日間雨が続くという異常な気象条件であった。 登山のファンの方も本州在住者は今年はほとんど出かけられない人が多かったのではないだろうか? 盆休みも台風の影響を避けて私もアサヨ峰に行ったが残念ながら展望に恵まれることはなかった。 9月に入って少し涼しくなったので、この好天のチャンスを見逃す手はない。 金曜日の晩までみっちり仕事があったので、土曜日の朝から準備を始めて午後から出かけることにする。15時に横浜の自宅を出て車で首都高経由東北道を北上、宇都宮へ。 日光自動車道路を下今市で降りてAeonで夕食の惣菜を買い出し。 本日は霧降高原キスゲ園地の駐車場で仮眠をすることになる。途中霧降温泉の日帰り入浴施設で風呂に入る。 ここは、ホテルの宿泊客も利用する温泉施設なので外の自動販売機で入浴券を買って入ることになる。 さほど大きくない施設であるがゆっくり風呂を浴びると気分も違う。 19時に駐車場に到着するが、すでに先客と思われる2台が駐車場にいた。 第一駐車場と第二駐車場は登山口から近いが、登山客は一番広い第三駐車場に停めるように指示が記載されている。 この第三駐車場は24時間利用可能なトイレがついている。 シャッターが閉じられているが、自分であけるとセンサーで蛍光灯もつく。 気温は16度と涼しいので最初は車の中で寝ようかと思ったがやはり締め切った車の中では宴会もしにくいので隣にテントを設置してひとり宴会を開始。22時に就寝。
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天空回廊の1445段の階段
9月10日(日)朝4:00起床。 宇都宮地方のこの時期の日の出は5:18であるが、5:00前でヘッドランプ無しで歩き始めることができる。夜明けとともに登山をしようとする人がかなりの数上がってきており、第三駐車場にすでに10台以上の車が到着して出発の準備をしている。 テントを撤収、食欲がないのでおにぎりは途中で食べる前提にして5:11出発。新しい靴が足元で光る。第一駐車場までトンネルを通って道を横切り、レストハウスの前から1445段の階段のスタートである。 きれいに整備された木の階段は天空回廊といわれるこの園地は7月にはキスゲが見ごろでずいぶんと沢山の観光客が訪れる。 500段まで来て周りの周遊自然観察コースと合流するがまだまだ上は傾斜の急な階段が続いている。 NHKの日本二百名山一筆書きでは田中陽希さんがひょいひょいと軽快に登って行ったをを思い出すが、われわれ高齢者の一般登山者はとてもそんなことはまねができない。 何しろ、今日は10時間15分のコースタイムの行程である。
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小丸山から女峰山を見る
東屋から先は急な階段となり、これを登りきると小丸山の展望台に到着。 5:56。展望台から見下ろすと遥か下に歩き始めた駐車場が見える。 山座同定のための写真が貼ってあるので見ると正面に高原山が見えるようだ。 しばし景色を楽しんだあと鹿よけのゲートを抜けて小丸山(1601m)に到着。 ここからは一般観光客のコースではなく登山者の世界になる。 意外と笹が足元を邪魔して歩くところが見えにくい。 たくさんの登山者が歩くからだろうが、踏み跡が散在しておりメインの道が分かりにくい。目指す赤薙山が正面に見える。
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焼石金剛
稜線が左に曲がり視界のよい笹の道を通過すると、そこから樹林の中を赤薙山に向けて登っていく。 7:04に焼石金剛という広場に到着。 座っておにぎりの朝食を食べる。 健脚の登山者がどんどん上がっていく。 7:40に赤薙山の山頂(2010.5m)に到着。山頂には赤薙山神社の鳥居と小さな祠がある。 ここまでコースタイム2:15なのでほぼ計画通りか。 赤薙山を出てゆっくりとした下りを経ると7:43に女峰山のピークと思われる山が現れた。 南側は赤褐色の岩で切れ落ちている。
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一里ヶ曽根
いくつかの起伏を越えた後に8:40に赤薙奥社跡に到着する。 北東から尾根が合流したピークになったところである。 ほぼ同じ速さで歩く単独の登山者が2人休憩をしていた。ヤハズと書かれた2209mのピークを越えて9:51に一里ヶ曽根のピークに到着。 ここの独標は極めて展望がよい。 目指す女峰山の山頂がまじかに見える。 それでもまだここから標高188mあり、コースタイムも1時間半なので結構大変である。
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女峰山山頂到着
10:07に水場との分岐を通過。 今回は2Lの水と500CCのお茶のペットボトルを持ってきているのでまだ残量は大丈夫である。 山頂までは登りなのでできるだけ荷物を重くしたくなかったので水場は帰りに立ち寄ることにする。 ここから先は痩せた尾根沿いの道が続く。 少し左側がガレて通過に注意が必要なところもあり、さらに先へ行くと急な登りでロープを使うところも現れた。 急な尾根を登りきると広くなった台地がありそこに三角点があった。 地図上、2463.7mの三角点は山頂よりも少し手前にあるようである。 11:05. 少し先の小高いところが山頂なのだろう。 何人かの人がいるような声がする。
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山頂から見る日光白根山
11:10祠の前に到着。 ここから山頂までは狭い道である。 山頂は岩の組み合わせでさほど広くはない。 11:12に女峰山山頂到着。出発してからちょうど6時間である。やはり大変な登りであった。 残念ながら一番近い男体山の方角には雲が上がってきており視界がなくなってしまっている。 太郎山はかろうじて見える。 幸いだったのは北西方面は視界が開けており、日光白根がきれいに見えた。 さらにその奥には至仏山や会津駒ヶ岳が見えた。 山頂から少し降りた斜面でEPIをつけていつものようにラーメンの昼食。携帯の電波は届かない。
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下山の途中一里ヶ曽根でガスが出る
11:47出発。 ここからの下りもまだ5時間近くかかる道のりである。さきほどロープを使って登った箇所は慎重に降りる。 まだ登山者の方も上がってくるので落石をしないよう細心の注意が必要である。 12:45に水場に立ち寄る。 細いと地図には記載されていたがさすがに今年は雨が多いせいだろうか全く問題なく水が出ていた。 雪解け水ではないようだが飲んでみると冷たくておいしい。 12:59に一里ヶ曽根に到着。 もうかなりガスが上がってきており来るときと比べて展望は悪い。13:58奥社跡に到着して休憩。 歩くスピードが遅いのだろうかもうほとんどの登山客はいなくなってしまった。
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赤薙山山頂
14:58に赤薙山到着。 セルフタイマーで写真を撮る。 来るときにストックの部品を落としてしまったので、帰り道では目を皿にして探すも、さすがに焼石金剛から先ではルートが幾つにも分かれていて来るときに自分が通った道ではないようなところを歩く。 15:50に小丸山の鹿よけゲートに到着。 展望台からあらためて下界を見る。 雲が上がっており、朝と比べて視界は利かなかった。 この時間でもハイキングとして上がってくる人がいたのは驚きだった。
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キスゲ園地レストハウス
16:22に下山。 レストハウスに到着。 今回のおニューで使用したSCARPAのトリオレプロGTXはそれなりの泥の付着となっていた。 途中やはりつま先がきつい感じがあって中敷きを外して何とか下山してきたが、足にまめはできずに済んだ。 新しい登山靴でコースタイム10時間強は少し無謀だったかもしれない。駐車場に戻り着替えて17時に出発。 帰りは東北道が事故で渋滞していた箇所があったものの首都高は極めて順調で20時半に帰宅した。
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コースタイムで10時間を越える行程の山に日帰りで登ったのは、平ヶ岳やニペソツ山などもあるが、最近では池口岳以来かもしれない。 だんだん自分の体重と脚力をうまくコントロールできなくなってきており普通の登山者にはどんどん追い越されるという典型的な高齢者登山になっている。まあ、これも宿命であろう。 ただし、今回の10時間を越えるコースを踏破することができたことはある意味でまだ自分にとり軽装での好天時アタックにトライする自信になったことは間違いない。 女峰山へは志津乗越から行くルートもあるようであるが、車を停めるスペースがあるのかどうかがよくわからない。自分の通った霧降高原からのコースは一般的で登山者も多く、時間は長いものの安心して歩けるコースとは言えそうだ。 登山をされる方には山頂直下のガレ場は通過に注意をしてもらいたい。久しぶりの車中泊であったがこれもたまにはよいものだ。 登山靴とともに車も買い替えての初めての車中泊になった。 もう少し快適に寝る方法はこれから検討をしてみたい。
(2017年9月 記) |
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