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基本情報
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山名 |
栗駒山(くりこまやま) |
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標高 |
1,627m (一等三角点) |
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山域 |
奥羽山脈中部 |
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都道府県 |
岩手県・宮城県 |
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位置 |
N38.57.39/ E140.47.18 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図6「栗駒・早池峰」
2万5千分の1地図「栗駒山」
20万分の1地勢図「新庄」 |
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山岳区分 |
日本二百名山・東北百名山・花の百名山 |
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登山記録
山歩No |
2160-12037
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登山日 |
2012年9月29 日(土) |
歩程 |
3時間20分 |
天候 |
曇り後にわか雨 |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
東北新幹線一関より国道342須川高原温泉 |
パーティー |
2人 |
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栗駒山は手軽に登れて楽しめる日本二百名山といううたい文句になっている。 確かに須川高原温泉から登るルートは、往復で3時間半程度。 気軽に山頂にアタックすることができる。初夏の山頂西側に馬の雪形が現れることから栗駒山という名がついた。地元では須川岳ともいうらしい。紅葉の美しい名山ということで、以前からJRの広告に出ているのが気になっていた。 山スキーで日帰りで行くコースもあるので、どちらにするか迷っていたが、Y.Tさんから誘いがあり紅葉を見に行くということで登山の計画をした。 |
東北新幹線一ノ関駅
9月29日朝4時に起床。始発電車に乗って東京駅へ。 乗り換えに10分ほどしかなかったので、東北新幹線に乗り遅れはしないかと心配だったが、東海道線から新幹線へのアプローチは簡単で、余裕だった。 ただ、朝食をとっていなかったので駅弁を買おうとしたのだが、ホームの弁当スタンドに行列ができていて結局、やまびこ51号に乗り込んだのは4分前であった。 列車は定刻の6:04に発車。 8:33に一ノ関に到着した。 リュックをかついで下車。 駅レンタカーのカウンターで受付をする。 レンタカーを借り出してから一旦コンビニによって昼食の弁当を買っておく。 あとは、ひたすらナビの示すように磐井川に沿うようにして342号線を西に進む。 天気は晴れているが、山の上のほうはガスがかかっている。 国道はやがて1.5車線になり、2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震で崩壊した祭畤大橋(まつるべおおはし)を横に見ることができた。 道は次第に標高をあげてゆき、9:50に須川高原温泉に到着。 |
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須川ビジターセンター
水を汲む場所を探してうろうろとしたが、売店の前に見るからに登山靴を洗うための水道がホースにつながっていたので、そこで2Lのポリタンクをいっぱいにする。 そのあと、ビジターセンターによってみる。 無人だったが、戸を開くと野鳥の鳴き声のする仕掛けがついており、中の展示は栗駒山の自然を中心に豊富な内容。 地形をかたどった模型もあり興味深い。栗駒山登山MAPも無料で配布している。ビジターセンターの裏がキャンプ場になっているようだが誰かがテントを張っている形跡はなかった。 我々が出発するときにちょうど埼玉の山岳会のメンバーがチャーターした大型観光バスが入ってきた。登山口は、温泉の建物の脇から上がっていく。見るからに観光客というような人たちはここで靴を脱いで足湯を楽しんだりしている。10:15歩き出し。 登山ルートは最初は散策用のコースをたどっていくことになる。
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名残ヶ原
ゼッタ沢コースというルートを横に見ながらおいらん風呂コースを進む。 コンクリートの舗装されたルートを2-3分あがると建物が右手に見えた。 これがおいらん風呂という蒸し風呂だそうだ。 カーテンと脱衣かごが見えたが、誰かが入浴しているという気配はなかった。
展望台をこえると名残ヶ原という湿地帯に出た。 ここはまるで尾瀬ヶ原の小型版というような感じで中央に木道が敷かれている。 山の上はガスがかかって見えないので、なんとなく幻想的な感じがする。 足元にはエゾオヤマリンドウがたくさんの花を咲かせていた。 コケモモは花が終わって白い可憐な実をつけていた。何枚か写真を撮って、そこから登りが始まる。 苔花台という台地を過ぎて、ゼッタ沢にかかる小さい橋を渡ると、そこから先は地獄谷と呼ばれる硫化水素の噴出する谷あいの道となる。このあたりは柵があり危険なので立ち入らないようにと書いてある。 ガイドブックにも風のないときには立ち止まらないようにとあるので、かなり有毒ガスの噴出があるのだろう。 そう思うと気のせいか頭痛がしてきた。 |
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昭和湖
犬を連れた3人パーティーを追い越すと、道はなだらかになり、昭和湖と呼ばれるところに11:02到着。 そこにはベンチとトイレがあり、30人くらいが休憩していた。ここで、給水して、湖をバックに写真を撮る。 小腹もすいてきたので飴をかじった。 昭和湖は昭和19年)に栗駒山のガス爆発で、出来た湖だと言われている。エメラルドグリーンの強酸性の水をたたえている。 温度はどれくらいだろうかと思ったが、湯気が立っていないところを見ると水温は高くはないのだろう。
11:10出発。 道はここから次第に傾斜を増してくる。昨夜の雨の影響だろうか、ルート上がかなりぬかるんでいる。 木道で整備されているのだが、結構段差が大きいので足には応える。 残念ながらここで見るかぎり、まだ紅葉には早いようだ。
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天狗平
11:49天狗平に到着。 ここは広くなっており休憩にはもってこいだ。 たくさんの人が休んでいる。ここで一息入れる。 隣で休んでいた男性はリュックの中に、缶ビールを3つも入れているのが見えた。 それよりもその中に1缶既に空き缶になっているものがあった。 登ってくる途中で既に一缶開けてしまったのだろうか? 天狗平には道標があり、ここから栗駒山山頂まであと800mとなっている。 標高差はあと80mくらいのでもうひとがんばりだ。ここからが紅葉の見所だった。天狗岩から山頂方向を眺めると結構色づいている。 ナナカマドの赤い色が光って、山頂方面はいい色具合だ。 またガスが出て山頂までははっきりと見えないことがかえって幻想的な雰囲気をかもし出している。
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栗駒山山頂
12:15に山頂に到着。祠があって、大きな山頂標識のある前では20人以上の人々が思い思いに休んでいたり昼食をとっていたりした。 我々も早速、標識をバックに写真を撮る。山頂に着く前からぱらぱらと来ていた雨は、ベンチに座って昼食をとってるときに本降りになり始めた。 たまらずに、雨具を出して着込む。 Y.Tさんは山の店で買った傘で代用している。 あまり長居は無用と、食事を済ませると、12:38に下山開始。皆、行動時間が同じパターンなのか、下りはかなり人が多い。 道には水がついてぬかるみになり歩きにくくなっている。 天狗平も素通りしてかなりスピードを出して、たくさんの登山者を追い越しながら進む。
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賽の磧
13:17昭和湖で一旦休んで呼吸を整えた以外は、そのまま下る。 13:39に名残ヶ原を通過して、賽の磧との分岐に達する。 折角なのでこちらにも寄ってみようということで入る。 最初は、木道の道だったが、しばらく歩くと人のあまり入っていないコースのような踏跡の状況になってきた。賽の磧に13:47に到着。 樹木のほとんど無い砂地になっており、大きな石が、なるほど地獄絵図のような景観を見せている。 旧噴火口に近いということで火山地形が残っているようだった。 おどろおどろしい景色に水彩画のような風流ささえ感じながら写真を撮影。 ここからは遊歩道をもどり、14:05にもとの道と合流。 14:14に須川高原温泉の登山口にたどりついた。
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須川高原温泉
下山後、車に戻って、着替えを出して早速須川高原温泉に入る。 入り口で登山靴を脱がされて奥の赤いじゅうたんのある湯屋のほうに進む。 脱衣場にはスリッパが20個くらい置いてあったが、実際に入浴しているのは7-8人だった。 (?)朝、出かける前にひげを剃ってくるのを忘れたので念入りに顔もつくろう。 露天風呂というのは離れにあることになっていたが、実際にこの内湯のほうにも、外に出てつかる湯船があった。ただし萱の覆いが張り巡らされているので、外はあまり見えない。それでも、湯元の岩などを見上げながらゆっくり漬かっていると落ち着く。 中の湯もちょうどいい温度になっていて気持ちがいい。 |
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つぶ沼キャンプ場のバンガロー
15:00にあがって、車で焼石の登山口を目指す。他には一人だけキャンプ客のいる静かなつぶ沼キャンプ場に到着し、管理人に予約してあったバンガローに案内してもらう。 ベッドが4つあり、電気もプロパンガスもあるという快適きわまりないもの。 ところが問題は、入り口で、「ここに栗の木があるだろう。 下に落ちている栗は全部クマが中身をほじくりだしたものなんだ」と管理人さん。確かに栗の木の横にはクマが木登りするのにおあつらえ向きの補助台ともいえる岩があり、高い木の上には、人工的(熊工的?)に枝を重ねたような形跡もあった。 17:30、まわりはそろそろ暗くなってきたので部屋の中で宴会開始。 入りにくいラジオで明日の天気を聞く。 台風17号が急速にスピードを上げて翌日30日の夕方には関東まで到達すると聞いて、予定通り焼石岳に登るかどうか迷うところ。 とりあえず、おでんを食べて、枝豆や煮豆、かぼちゃの炊いたものをあてに七福芋焼酎とウイスキーを飲む。 夜中に外をがさがさと草木を踏み分けて歩くような音が聞こえる。 鹿だろうか、クマだろうかと気にしたものの、幸い、バンガローの中にトイレもあるので外に出る必要もなく、恐怖感をかみ殺しながら20時すぎに就寝。
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中尊寺
09/30(日)朝目覚ましをかけておいたので、起きる。 少し雨が降っている。5:00すぎにラジオでニュースを聞くと、台風は依然大型の勢力を保ちながら北東に進んでいるとのこと。 焼石岳に登るのは断念して、東京に帰ることにした。次回の参考にと、中沼登山口の場所だけは確認する。
このまま国道37号をずっと進み、4号線に出て一ノ関を目指す。 時間があるので中尊寺に寄ることにした。 寺の境内を一周する。 不動堂の脇をあがって、 金色堂まで行ってみた。 本来であれば、拝観料を払って中に入れるようだが、まだ朝早くて係員もいなくて拝観はかなわなかったので、外から概観だけを見るにとどまった。 そのあと重要文化財の白山神社能楽殿を見ることにする。 名物の茅ノ輪くぐりもして言い伝えどおり幸せになるのを祈願する。大日堂の横をとおって車まで戻り、そこから一ノ関までは4号線を走って30分ほどであった。お土産を買った後、 8:27はやて14号で東京まで。車内では朝からであるが酒を飲みながらまた山談義に花を咲かせる。 東京まで着いて、Y.Tさんと別れて、12時前に自宅に着いた。
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焼石岳に行くことができなかったのは残念であるが、紅葉を楽しめるいい登山であった。多くの人が栗駒山は、日本百名山に入っていても不思議がないくらいのいい山だといわれているがやはり期待を裏切らなかった。 それにしても今年後半はどうしてこうもレインスーツのお世話になることが多いのだろう。次回は栗駒山からの奥羽山脈の大展望に期待をしたい。
(2012年10月 記) |
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