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焼石岳
焼石岳

基本情報
1 山名 焼石岳(やけいしだけ)
標高 1,5485m(一等三角点) 
山域 奥羽山脈
都道府県 岩手
位置 N39.09.49/ E140.49.44 
地図 昭文社 山と高原地図6「栗駒・早池峰」
2万5千分の1地図「焼石岳」
20万分の1地勢図「新庄」
7 山岳区分 日本二百名山、東北百名山、一等三角点百名山
登山記録
山歩No 2150-21018
登山日 2021年9月19日(日)
歩程 6時間20分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ 一ノ関から国道397号尿前林道中沼登山口
パーティー 2人

 焼石岳に登るのは初めてであるが、9年前に登頂にチャレンジをしたことがある。 やはり9月の下旬、 紅葉を見るために新幹線に乗って栗駒山に登った翌日に焼石岳に登ろうとした。しかし、残念ながら悪天で出発を見合わせた。 そのため、この東北の名山はしばらく私の登山ターゲットから離れてしまうことになる。 今回、旧来の友人と栗駒・焼石を1セットにして新幹線で行くことにした。 まだ、緊急事態宣言が東京にも発令されている最中なのであまり表立って山の恰好で新幹線に乗車するのは気が引けたが、緊急事態宣言が10月に解消になるかどうかもわかなかったので、思い切って行くことにした。

台風14号が東日本へ 出発日変更

 秋の登山のしはしば邪魔をするのが台風である。もともとは17日(金)に仕事が終わってから20時過ぎの新幹線で一ノ関まで行ってビジネスホテルに宿泊し、翌朝18日(土)の8時からレンタカーを借りて栗駒山に登り、下山後、焼石岳温泉に宿泊し、19日(日)に焼石岳に登ってその日中に東京に帰る予定だった。 ところが、 その週の前半から台風14号が日本に接近してきた。 最初、沖縄付近をゆっくり停滞していたが、 17日(金)かあら進路を東に変えて日本列島を縦断するコースとなることがわかった。 残念ながら18日(土)はとても山に登れるような天気ではない。

やまびこ59号で一ノ関へ

 そこで新幹線を18日(土)の昼のやまびこ59号に変更し、ビジネスホテルはキャンセル、 レンタカーは出発時間を遅らせて、18日(土)はとにかく焼石岳温泉に宿泊するだけにした。東京駅はまあまあ、ちらほらと大きな荷物を持った帰省客がいるものの乗車したやまびこ59号は乗車率50%くらいであった。 11:36の東京駅を発車したやまびこ59号は14:10に一ノ関駅に到着。レンタカー会社の方が迎えに来てくれていたので、事務所まで行って貸出手続きをする。 友人は20日(月)に仕事があるので焼石岳下山後東京に帰らないといけないが、私はもう一日、神室山へ登ろうという計画を立てていたので、レンタカーは延べ3日間借りることにする。

焼石岳温泉

 14:30レンタカーを出発して、まずは、一ノ関から北へ進み、大型スーパージョイス三関店で夜の酒と翌日の朝食と買い出しをする。 その後、北西に進路を変えて、37号を通って奥州市に入る。 奥州湖を目指して約1時間。 16時半に今夜の宿である焼石岳温泉「クアパークひめかゆ」に到着した。 17時半までに風呂に入り、部屋でビールを1杯だけ飲んで18時に夕食会場へ行く。 料理長のお任せ料理を食べ地元のワインを飲んで、明日の朝も早いので22時半には就寝する。


中沼登山口

 9月19日(土)昨夜まで降っていた雨は完全に上がって快晴の空である。 6:45に宿を出て、出発地点である中沼登山口を目指す。 国道397号線沿いに中沼登山口までの尿前林道の入り口は大きな看板があって見落とすことはなかった。 さはさりながら、やはり未舗装の道路なのでコンパクトカーのレンタカーでは時折車体の底を石で擦るにぶい音が聞こえたりした。7:20に登山口の駐車場に到着。 車は10台くらい停まっていた。 駐車場は広いので40台くらいは停めることができるだろうか。 トイレをすませて7:43出発する。 


中沼

 歩き出してすぐにぬかるんだ道を進むコースとなる。 やがて少し平坦になったところが中沼であった。 沼の西岸を歩いていくコースとなる。 途中、石沼に立ち寄るコースもあったが、それはつぶ沼コース経由で歩くことになるので結構タイムロスが発生してしまう。

 

銀明水

 9:25、分岐を過ぎてすぐに銀明水に到着。 ここは、沢の水が流れ込んでいる。 水場から沢を渡ってルートが続いているのでそちらに進んでしまいそうになるが、東方面の踏み跡にそってあるくと盛り土を上がったところに避難小屋があった。小屋はバイオトイレがついている。 水が流れるので衛生的である。 宮城ナンバーの車の女性が管理人さんだろうか、トイレの紙を取り換えてくれていた。 


姥石平への登り

 9:48銀明水を出発。 ここからは少し登りの傾斜がきつくなる。 目の前には小さな滝があって目を癒してくれる。 木道沿いのハクサンイチゲがきれいである。 左手に横岳を見ながら登る。 上の方は少しダケカンバが紅葉しはじめている。 外国人の2人組が颯爽と追い越していった。彼らは今日は夏油温泉まで下るということである。 


泉水沼

 11:03姥石平に到着。 ここから北に東焼石岳方面にルートが出ている。 山頂から焼石神社を経て周回するコースになっているので、帰りに寄るルートである。 姥石平を過ぎて11:10泉水沼に到着。 ここはベンチがあり休憩している方が何人かいた。 ここからは焼石岳の山頂までの登りのルートが見える。 焼石岳の山頂までは20分の道のりである。 横岳には地図の上ではルートはないのだが、さきほど小屋にいた管理人の単独女性は横岳に登るようである。

焼石岳山頂

 11:26最後の登りの行きついた先にケルンが見えた。 11:31焼石岳山頂到着。 広々とした山頂は少しが吸ってきてはいるが鳥海山も見えてよいながめである。山頂でお昼。 味噌汁をいれるためのコップを忘れてしまった。 α米の田舎ご飯を食べて、今度は周遊コースを歩くために山頂から北へ下る。 結構岩がある険しいルートである。 リュックにでかいスピーカーをくくりつけてハードロックを聞いている愉快な男性とすれ違う。 

焼石神社へ

 12:21南木本岳との分岐に到着。 ここから南木本岳に寄りたい気持ちはあったが時間もあるので、あきらめて周遊コースを姥石平方面に南にコースをとる。 東焼石岳との分岐で手に持っていた昭文社の地図がないことに気がつく。 どうも岩場で落としてしまったようである。 少し戻って探してみるがなかったのであきらめて先へ進むことにする。

東焼石岳を眺める稜線

東焼石岳との分岐、単独の男性が今日は天気がいいので行けるところまで行ってみますといって進んでいった。 おそらく金明水の方面から下山するのであろう。周遊コースは池塘のある眺めのいいコースである。 ゆったりとしたくだりを降りて姥石平に到着。 天気はずっと安定しており眺めがよいまま下山開始。 銀明水の避難小屋で少し休憩して、中沼登山口を目指す。


下山・国道397号線を進む

 中沼は、来るときと光の方向が異なっているのでまた別の写真映えのする構図になっていた。 沼の景色をすっかり楽しむ。 15:36下山。 また悪路の尿前林道を慎重に車を走っていく。国道397線に出たときはほっとした。 クアパークひめかゆで風呂を浴びる。 昨日宿泊した宿ではあるが、またこうして無事下山して浴びる風呂も最高である。 ノンアルコールビールを見ながら、少し日没になって道路を走っていく風が気持ちよかった。 


念願の焼石岳になんとか登ることができた。 天気にも恵まれた。 前回もしも登っていたとしたら雨で何も見えなかったであろう。今回は9年前に登った9月の第4週よりももう1週間早いのだが、紅葉の色合いもよく満足の山となった。 自分の中で今年一番の景色を見た印象の山旅であった。

(2021年9月記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています